目次
第1章:車の名義人が死亡したらどうなる?基本知識をわかりやすく解説
1-1. 名義人の死亡と車の法的扱い
名義人が死亡した場合、その人が所有していた車は「遺産」となります。相続人が複数いる場合は、誰がその車を相続するのかを明確に決める必要があります。つまり、名義が故人のままの車は、勝手に売却・譲渡・廃車などの処分ができません。
1-2. 名義変更せずに放置するリスク
名義変更を行わずに車を使用・保管・処分することは、法的にトラブルを招く可能性があります。
- 自動車税の納付先が不明確になる
- 相続人間での争いに発展する
- 廃車手続きができず無駄な費用がかかる
このようなリスクを回避するためにも、正しい知識と手続きが必要です。
第2章:車を廃車にしたいけど名義が死亡した人のまま…対応可能?
2-1. 廃車の基本手順
車を廃車にするには、陸運局(運輸支局)での手続きが必要です。通常、名義人の本人確認書類・印鑑証明・車検証などが求められます。しかし、名義人が死亡している場合は、それらを用意することができません。
2-2. 名義人死亡時の廃車方法:相続手続きを経る必要あり
名義が亡くなった人のままでは、廃車手続きは基本的にできません。相続人が名義変更を行う、あるいは相続人としての立場で「相続による抹消登録」などの特別な手続きを行う必要があります。
2-3. 実際に可能な3つの方法
以下の3パターンが考えられます。
- ① 相続人が名義変更後に通常通り廃車手続き
- ② 相続人代表が「相続による廃車手続き(抹消登録)」を行う
- ③ 相続放棄が確定している場合、家庭裁判所の許可等を得て第三者が手続き
相続人全員の協力が必要となるケースもあり、放置しておくと車検切れや税金の支払いが続くため注意が必要です。
第3章:よくあるケース別|死亡名義の車をどうする?
ケース①:一人暮らしの親が亡くなり、車が使われないまま自宅に放置
このケースでは、速やかに相続人である子どもが対応する必要があります。車が公道に放置されていたり、私道でも近隣の迷惑になる場合、トラブルになることも。速やかに「相続手続き→抹消登録」を行いましょう。
ケース②:兄弟間で誰が車を引き取るかでもめている
相続人間で合意が取れないまま、車の名義が故人のままというケースも多いです。この場合、名義変更や廃車に必要な書類が用意できず、手続きがストップしてしまいます。行政書士などの専門家を間に入れて遺産分割協議書を作成し、名義人を決めることが解決への第一歩です。
ケース③:名義が父、車を使っていたのは母
使用者と名義人が異なるケースもあります。たとえ使用していたのが他の家族でも、正式な所有者が亡くなっていれば、相続手続きを省略することはできません。家庭内での了解では手続きが通らないことに注意してください。
第4章:名義人死亡時の廃車に必要な書類と手続きの流れ
4-1. 必要書類一覧(普通自動車の場合)
書類名 | 説明 |
---|---|
車検証 | 車の所有者が誰かを確認する基本書類 |
遺産分割協議書(または相続関係説明図) | 誰が相続するかを示す書類(相続人全員の署名・実印が必要) |
戸籍謄本(名義人の除籍・改製原) | 名義人が死亡したことと、相続関係を証明する |
印鑑証明書(相続人) | 実印とともに提出することで、本人確認が可能 |
自動車登録番号標(ナンバープレート) | 抹消登録時に返却する |
手数料納付書・申請書類 | 陸運局にて記入・提出 |
※軽自動車の場合、手続きは簡素化されており、相続人の申告だけで抹消登録できるケースもあります。
4-2. 手続きの流れ
- 相続人の確定
名義人の死亡に伴い、戸籍謄本などで法定相続人を確認します。 - 遺産分割協議の実施
車を誰が引き継ぐのか、相続人全員で話し合い「遺産分割協議書」を作成します。 - 抹消登録 or 名義変更
車を廃車する場合は「抹消登録」、他人が使用を継続する場合は「名義変更」へ。 - ナンバー返却と申請書提出
ナンバープレートを外し、陸運局にて必要書類とともに提出します。 - 手数料納付・証明書発行
数百円〜数千円の手数料を支払い、完了通知を受け取って終了です。
第5章:名義変更しないまま廃車すると起こり得るトラブルと対策
5-1. 登録情報がそのまま残るリスク
死亡後も名義変更や抹消登録を行わずに放置していると、次のような問題が起こり得ます。
- 自動車税の請求書が届き続ける
- 自動車リサイクル料金の請求先が未整理のまま
- 残された家族の間で所有権を巡ってトラブルに
特に自動車税や自賠責保険などのコストが発生し続けることから、早急な対応が望まれます。
5-2. 廃車業者への依頼でトラブルになるケースも
「とりあえず業者に頼めば何とかなる」と考えて依頼すると、以下のような問題が発生することがあります。
- 名義人が死亡していることを伝えずに手続きを進めようとして拒否される
- 不正な手続きとなり、後々トラブルのもとになる
- 業者によっては、相続手続きを代行してくれない場合も多い
5-3. トラブルを防ぐための対策
- 相続人全員で協議し、早めに名義を整理する
- 行政書士や司法書士に手続きを依頼する
- 名義変更ができないなら、先に廃車にできるよう相続抹消登録を検討する
- 放置しないこと。車の扱いを後回しにするとコスト・トラブルともに増える
第6章:行政書士ができるサポート内容とは?
6-1. 書類作成代行
行政書士は、相続による名義変更や廃車に必要な書類(遺産分割協議書、相続関係説明図など)を正確に作成することができます。一般の方では間違えやすい記載ミスや不備を未然に防げるのが強みです。
6-2. 各官公庁への提出代行
陸運局、市区町村役場、税務署など、複数の機関にまたがる手続きを一括して代行できます。平日に時間が取れないご家族にとって非常に助かる存在です。
6-3. 相続人間の調整サポート
遺産分割の内容について相続人同士がうまく話し合えない場合、中立的な第三者として行政書士が間に入り、協議書の調整を進めることも可能です(※法的強制力はありません)。
6-4. 「放置」からの再生も対応可能
何年も車が放置されていた、名義人の死亡からかなり時間が経っている、というケースでも、必要な戸籍調査から対応可能です。どこから手をつけていいかわからない場合でも、まず相談することが第一歩になります。
Q&A:よくある10の質問と答え
Q1:車の名義人が死亡しても運転していいの?
原則としてNGです。
故人の名義のままでの運転は、保険や税制上の問題が発生する可能性があります。相続手続きが終わるまでは運転を控えるのが安全です。
Q2:相続人が複数いても、代表者一人で廃車できますか?
できません。
廃車手続きには相続人全員の合意が必要です。遺産分割協議書や相続関係説明図などで全員の意思を証明できる書類が必要です。
Q3:廃車にするのに期限はある?
法的な期限はありませんが、早い方が望ましいです。
毎年の自動車税や保険料がかかるため、使用予定がなければ速やかに手続きすることをおすすめします。
Q4:自動車税の請求はどうなる?
名義人が死亡しても、名義変更や抹消登録をしていない限り、税金は課税され続けます。
未払いが続くと延滞金が発生することもあるため注意が必要です。
Q5:廃車手続きに費用はどれくらいかかる?
普通自動車であれば数千円〜1万円前後です。
ただし、行政書士などの専門家に依頼する場合は、書類作成や代行費用が別途かかります(1〜3万円程度が相場)。
Q6:車検が切れていても廃車できますか?
可能です。
ただし、運輸支局までナンバーを返却する必要があるため、車をレッカーなどで運ぶ必要があります。
Q7:名義変更せずに売却できる?
できません。
死亡名義のままでは売却も譲渡もできません。相続手続きを経て、名義を相続人に変更してからでなければ法的に無効です。
Q8:軽自動車も同じような手続きが必要?
軽自動車はやや簡易です。
普通車と異なり、遺産分割協議書なしでも申告書ベースで抹消できるケースもありますが、相続人の身分確認書類は必須です。
Q9:廃車手続き中に事故や盗難が起きたらどうなる?
名義が故人のままの場合、保険が適用されない恐れがあります。
トラブルに備えて、速やかな名義変更または抹消登録を行いましょう。
Q10:行政書士に相談するメリットは?
時間と手間を削減し、トラブルを未然に防げる点です。
相続関係の調査、書類作成、官公庁への提出を一括で代行してくれるため、特に忙しい相続人には心強い存在です。
まとめ:放置せず、故人名義の車は早めに整理を
名義人が亡くなった車をそのままにしておくと、税金の負担や法的なトラブル、家族間の対立につながるおそれがあります。特に廃車を考えている場合は、相続手続きを経なければ基本的に対応できません。
車を使わないのであれば、相続人全員での合意→書類作成→抹消登録を早めに行いましょう。手続きが不安な方や、相続関係が複雑な場合には、行政書士のサポートを活用することが賢明です。