一次相続と二次相続の違いと落とし穴|相続税で損しないための実例・対策完全ガイド

本記事では、「配偶者の税額の軽減」を「相続税の配偶者控除」と表記しております。
「配偶者の税額の軽減」制度は、一般的には「相続税の配偶者控除」と表現されることが多いためです。

目次

はじめに

「相続税が2倍以上に…?」

相続と聞くと、「まだ先の話」「うちは財産が少ないから大丈夫」と思っていませんか?

しかし実際には、相続は1回で終わりではなく、「一次相続」「二次相続」と2回にわたって発生します。そしてこの2回目の相続こそが、もっともトラブルや損失が起きやすいタイミングなのです。

特に、「配偶者がいるから相続税はかからないと思っていた」「兄弟で仲がいいから話し合えばうまくいくだろう」と油断しているご家庭ほど、二次相続で高額な相続税や争族トラブルに直面するケースが増えています。

本記事では…

本記事では、「一次相続」と「二次相続」という2つの相続の違いから、相続税で損しないために必要な対策・注意点・実例・チェックリストまで、総合的に解説していきます。

これを読むことで、次のようなことがわかります。

  • 一次相続と二次相続の違いと、なぜ税金が大きく変わるのか
  • 相続税の配偶者控除に隠れた落とし穴と二次相続の破壊力
  • 実際に損をした実例から学べる対策ポイント
  • あなたの家庭が危険かどうかを見極めるチェックリスト
  • すぐに相談すべき専門家の選び方・タイミング

読んでほしい人は…

  • 40代~60代の親を持つ子世代
  • 将来的に実家を相続する可能性がある人
  • 相続税が気になってきた方
  • そして、「うちは大丈夫だろう」となんとなく思っているすべての人です。

知らなかったことで数百万円、時には数千万円の損をしてしまう相続、この記事をきっかけに、「準備するきっかけ」を一緒に作っていきましょう。

一次相続と二次相続とは?基本からやさしく解説

「相続は1回じゃない」って、どういうこと?

相続というと、一般的には「親が亡くなったときに起きるもの」というイメージが強いですよね。

しかし、実際にはそれだけでは終わりません。

例えば父親が亡くなったときに起きるのが「一次相続」、その後、母親が亡くなったときに起きるのが「二次相続」です。

つまり、両親が健在だった家庭では、相続は2回発生することが大前提になります。

一次相続・二次相続の違い

タイミング一次相続二次相続
誰が亡くなる?どちらか一方の親(例:父)残ったもう一方の親(例:母)
主な相続人配偶者(母)+子子どものみ(配偶者はすでに他界)
相続税対策相続税の配偶者控除が大きく使える控除が少なく、課税されやすい
注意点配偶者に集中すると二次相続で税金増分割を先送りにすると揉めやすい

相続税の計算にも影響が

一次相続と二次相続では、相続税のかかり方がまったく違います。

特に一次相続では「相続税の配偶者控除」と「基礎控除」があるため、たとえ相続財産が数千万円あっても、相続税が0円になるケースも多いのです。

しかし、その安心が二次相続での落とし穴になります。

相続税の配偶者控除は二次相続では使えないため、相続税の対象となる金額が一気に跳ね上がるのです。

【例】シンプルなケースで比較してみましょう

  • 相続財産:6,000万円(不動産+預貯金)
  • 相続人:母、長男、長女(3人家族)

▼一次相続(父が死亡)

  • 母が6,000万円すべてを相続 → 配偶者の税額軽減で相続税ゼロ

配偶者の税額の軽減とは、被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、次の金額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度です。

(注) この制度の対象となる財産には、隠蔽または仮装されていた財産は含まれません。

(1) 1億6千万円

(2) 配偶者の法定相続分相当額

この配偶者の税額軽減は、配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産を基に計算されることになっています。

No.4158 配偶者の税額の軽減

▼二次相続(母が死亡)

  • 6,000万円を子ども2人で相続 → 基礎控除を超えて相続税が発生!

「最初に税金がかからなかったから安心」ではなく、「後でまとめてドカンと課税される」のが二次相続の怖さです。

一次と二次はつながっている

多くの人が、「一次相続と二次相続を別の話として考えてしまう」のですが、実は両方をトータルで設計しないと、損をするリスクが非常に高いのです。

「とりあえず一次は全部配偶者に渡しておこう」

この判断が、将来的に数百万〜数千万円の相続税増加に直結することもあります。

このあとからは、こうした「具体的な損のパターン」や「どう対策すればいいか」を、
さらに深掘りしていきます!

相続税の配偶者控除の安心感が危険?相続税の落とし穴

相続税の配偶者控除は、実は「未来の税負担を先送りしている」だけ?

相続税のことを調べているとよく出てくるのが、「相続税の配偶者控除」という言葉です。

これは、「配偶者が相続する財産について、最大1億6,000万円まで非課税にできる」という制度です。

つまり、一次相続で母(または父)にすべてを相続させれば、相続税はかかりません。

とても魅力的な制度に思えますが、その安心感こそが、実は二次相続で損を生む最大の原因になるのです。

「配偶者に全部相続=安心」ではない理由

一次相続で財産をすべて配偶者が相続すると、相続税はかかりません。

しかしその後、配偶者が亡くなると、その財産はすべて「二次相続」として子どもたちに引き継がれます。ここで問題なのは、二次相続では相続税の配偶者控除が使えないという点。

その結果…

  • 一次相続 → 税金ゼロ(控除でカバー)
  • 二次相続 → 相続税の配偶者控除がないため、相続税が一気に発生!

という、税金の時限爆弾が作られてしまうのです。

【図解】損を生む典型パターン

ケース例

  • 財産:8,000万円
  • 一次相続:母がすべて相続 → 税金ゼロ(相続税の配偶者控除+基礎控除)
  • 二次相続:子ども2人で4,000万円ずつ相続 → 相続税が発生!

対策しておけば避けられたはずの税金が、後でまるごと降ってくることに。

本当は「分けておく」方が税金は少なくなるケースも

一次相続の段階で、ある程度の財産を子どもたちに分けておけば、相続税の配偶者控除と基礎控除を両方有効に使えるというメリットがあります。

たとえば、

  • 母:5,000万円
  • 子どもたち:3,000万円(1,500万ずつ)

こうしておけば、一次相続の段階でそれぞれの控除を使えて、二次相続時の負担も軽減されます。

なぜ多くの人が間違えるのか?

  1. 「相続税ゼロ」に安心してしまう
  2. 税務署も何も言わない(適用はできているから)
  3. 二次相続はまだ先のこと(存在を忘れてしまいがち)と思ってしまう
  4. 子どもに財産を分けることに心理的抵抗がある

これらが組み合わさって、気づいたときにはもう手遅れというケースが非常に多いのです。

重要なのは「一次相続の段階で二次相続も見据える」こと!

相続対策は「一回だけの判断」で終わるものではありません。

「今」税金がかからないからといって、将来の税金がゼロになるわけではないのです。一時の安心感に流されず、家族の将来まで見通した設計が必要になります。

次の章では、実際にこうした落とし穴に気づかず、二次相続で大損してしまった実例を紹介します。

「うちは大丈夫」だと思っている人にこそ、読んでほしい内容です。

実例|一次相続では安心、でも二次相続で大損したAさんの話

「まさか、こんなに相続税がかかるなんて…」

これは、実際にあったあるご家庭の話です。

Aさん一家のケース

  • 家族構成:父・母・長男・長女の4人家族
  • 財産:自宅(土地+建物)5,000万円+預貯金2,000万円 → 合計7,000万円
  • 一次相続(父が他界):母がすべてを相続
  • 二次相続(母が他界):子ども2人が相続

一次相続のとき

父が亡くなった際、葬儀や手続きに追われる中、相続について深く考える余裕がなかったAさん一家。

「母が住み続ける家だし、財産は全部母に相続してもらえばいい」と、相続税のことはほとんど考えず、母がすべてを相続しました。

結果、相続税の配偶者控除が適用され、相続税はゼロとなりました。「やっぱりうちは大丈夫だったね」と、家族はひと安心しました。

しかし数年後、母が他界

ここで二次相続が発生します。

このとき、Aさん兄妹にとって思いもよらなかった問題が起きました。

  • 母が相続していた7,000万円がまるごと、2人の子どもに相続される
  • 相続税の配偶者控除が使えないため、7,000万円全額が課税対象
  • 基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人2人=4,200万円)を超えた2,800万円に相続税が発生!

結果的に、相続税として約500万円以上を納めることに…!

なぜこんなことになったのか?

一次相続で母がすべて相続したことで、本来なら2回に分けて少額で済んだはずの相続税が、一気に二次相続に集中してしまったからです。

さらに、

  • 不動産は現金化しづらく、納税のために急いで売却せざるを得なかった
  • 評価額と実売価格のギャップで不利な売却に
  • 納税時期に間に合わず、延滞税が発生

と、精神的にも経済的にも大きな負担になってしまいました。

Aさんの後悔の声

「まさか二次相続がこんなに重いとは思ってもいませんでした。
父が亡くなったとき、ちゃんと専門家に相談しておけばよかったと、心底後悔しています。」

専門家のひとこと:これはよくある典型パターン

税理士や行政書士の現場では、このAさんのようなケースは決して珍しくありません。

一次相続を「楽な選択」で終わらせてしまうことで、数年後に二次相続で思いがけない税負担や分割トラブルが発生する。

まさに「そのときはラク、あとでツケが来る」典型例です。

教訓:「一次相続こそが、最大の対策タイミング」

この実例から学べることはただ一つ。

一次相続のときに、すでに二次相続のシミュレーションまでしておくべきだったということです。

次のセクションでは、こうした損失を防ぐために、
「いますぐできる5つの相続税対策」についてわかりやすく解説します!

相続税を減らす「5つの対策」~今からできる準備~

相続税で損をしないためには、「一次相続と二次相続をセットで考える」ことが欠かせません。

ここでは、今日から意識できる実践的な5つの対策をご紹介します。

① 分割シミュレーションを早めにしておく

相続財産の分割をその時に決めようと考える人が多いですが、事前にシミュレーションすることで節税効果やトラブル回避につながります。

  • 不動産と現金のバランスをどうするか
  • 誰が何を相続するのか
  • 分けづらい財産はどう扱うか

特に一次相続の際には、「配偶者にすべて集中させず、子どもにも一部渡す」などの工夫が有効です。

これにより、相続税の配偶者控除+基礎控除を効率的に使えるようになります。

② 生前贈与を上手に活用する

近年、相続税対策として生前贈与の重要性が再注目されています。

  • 毎年110万円まで非課税で贈与可能(暦年贈与)
  • 教育資金や結婚資金などの一括贈与特例も活用可
  • 不動産の名義を早めに分けておくことで評価額を分散できる

ただし、令和6年(2024年)から贈与税と相続税の一体課税(新ルール)もスタートしているため、専門家のアドバイスを受けながら計画的に進める必要があります。

③ 自宅の評価を理解し、不動産対策を進める

不動産は評価額の算出が難しく、トラブルの元になりやすいです。

  • 自宅の土地は「小規模宅地等の特例」によって評価額を最大80%減できるケースあり
  • ただし、「誰が住むか」「いつまで住むか」で特例が使えるかどうかが変わる!
  • 使えないと評価額が跳ね上がり、納税額が数百万〜一千万単位で変動することも

早めに「誰が住み続けるか」「どう名義を変えるか」を話し合っておくことが大切です。

④ 遺言書を準備する

遺言書があるかどうかで、相続の分割・税金・トラブルのすべてが変わります。

  • 配偶者や子どもへの思いを形にできる
  • 「争族」を防ぎやすい
  • 不動産など分けづらい資産の割り振りを明確にできる
  • 節税効果にもつながるケースあり

ポイントは、「公正証書遺言」にしておくこと。

これにより、形式不備による無効リスクを回避でき、実行のスムーズさも段違いです。

⑤ 家族会議を開いておく

最後に最も大切なのが、「家族で話し合うこと」です。

財産の話をするのは気まずいかもしれませんが、家族全員が知らなかったことこそがトラブルを生む最大の要因です。

  • どこにどんな財産があるのか
  • 誰が何を希望しているのか
  • 相続税をどう準備するか(現金の確保など)

「生きているうちに話し合ってくれて助かった」と、相続を経験した多くの家庭が感じています。

まとめ:相続対策は「今」から始めるほど有利!

相続税対策は、その時にやるものではありません。

今から動けば、損を防げるだけでなく、家族の心の整理にもつながります。

次のセクションでは、あなたの家庭がどれだけリスクを抱えているのかを簡単にチェックできる診断リストをご用意しています。
自分ごととして見直すきっかけにしてください。

チェックリスト|あなたの家庭は大丈夫?

ここまで読み進めて、「もしかしてうちも…」と感じた方も多いのではないでしょうか?

そこでこの章では、相続トラブルや税金の損を防ぐために、今の状態をセルフチェックできるリストをご用意しました。

該当する項目が多いほど、将来的に相続で損をする・揉めるリスクが高まります。

ぜひ、一つずつ丁寧に確認してみてください。

一次・二次相続チェックリスト

【相続の準備状況】

チェック項目状況
相続財産がどのくらいあるか、家族で共有していない
財産の名義がすべて親のままになっている
遺言書の有無を確認していない
「配偶者にすべて相続させる」つもりでいる
二次相続の税額を計算したことがない
相続税の納税資金(現金)が足りない可能性がある
生前贈与などの対策をしていない
不動産の評価や分け方を把握していない
家族で相続について一度も話し合ったことがない
税理士や行政書士に相談したことがない

判定基準

  • 0~2個:低リスク
     → すでに一定の準備ができています。念のため専門家と確認を!
  • 3~5個:中リスク
     → 放置するとトラブルの種になりやすい状態。早めの行動がカギです!
  • 6個以上:高リスク
     → 今すぐ家族で話し合い、専門家に相談することを強くおすすめします!

チェックが多かった人へ伝えたいこと

相続対策というと、「お金持ちの話」「うちはそんなに財産ないし…」と思いがちです。

しかし実際には、トラブルの多くは「普通の家庭」で起きているのが現実。

しかも、「ちゃんと話していなかった」「何も知らなかった」ことが原因で、家族関係まで壊れてしまうケースもあります。

まずは「情報を共有すること」から

このチェックリストは、あなた一人のためではありません。

できればご家族と一緒に確認し、現状を共有することで、自然と相続の話ができるきっかけになります。

次のセクションでは、実際に相続でもめやすいケースや、どうすればトラブルを防げるのかを詳しく解説します。

相続で揉めないために。分割とコミュニケーションの重要性

「うちは仲がいいから大丈夫」……本当にそうでしょうか?

相続トラブルが起きた家庭の多くが、口を揃えて言います。

「まさか自分たちが揉めるなんて思ってなかった」と。

兄弟姉妹の関係が良好であっても、お金と感情が絡む相続の場面では想像以上に関係がこじれやすいのです。特に、分割が曖昧なまま相続を迎えると、トラブルの引き金になることが少なくありません。

なぜ、分割を先送りすると揉めるのか?

理由はシンプルです。

  • それぞれが「当然このくらいはもらえるだろう」と思っている
  • 不動産は簡単に“等分”できない
  • 生前の介護や貢献への思いに、金銭評価がつかない
  • 手続きや税金に詳しい人と、そうでない人で情報格差がある
  • 感情がこじれると、「法定通りでいい」と割り切れなくなる

こうした背景から、感情とお金がぶつかり合い、話し合いが決裂してしまうケースも珍しくありません。

典型的なトラブルパターン3選

パターン①:不動産をどう分けるかで対立

「兄が住み続けていた家を相続したい」と主張。
→ 妹が「家は財産の大半。現金でもらわないと不公平」と反発。

パターン②:生前の介護・貢献の評価で対立

長女がずっと母の介護をしていたが、遺産分割は法定通り。
→ 長女が「私が面倒を見てきたのに…」と不満を持ち、関係悪化。

パターン③:話し合いを避けた結果、疎遠に

「話し合いは揉めるから」と避け続けた結果、共有名義のまま放置。
→ 10年後、売却も処分もできず、子や孫の世代に揉め事が引き継がれる。

揉めないために、今できること

1. 早めに「希望」を共有する

誰がどの財産を希望しているか、あらかじめ聞いておくことで「誤解」を防げます。

2. 法定相続ではなく、納得できる相続を目指す

法定通りが正解とは限りません。
家族全員が納得できる形を探ることが、将来の関係を守る鍵です。

3. 分割に強い専門家に相談する

税金だけでなく「不動産の共有回避」「遺言書の書き方」など、分割設計の専門知識がある士業に早めに相談を。

相続は財産の分け方ではなく、想いの引き継ぎ方

相続とは、単にお金や不動産を「誰がいくらもらうか」を決めるだけではありません。

それぞれが大切にしてきた家族の記憶、介護の労力、将来の生活への不安——そうした背景も含めて話し合うことが必要です。

「分け方」だけでなく、「向き合い方」も含めて、家族がこれからも良好な関係でいられるように備えることが、本当の意味での相続対策です。

次のセクションでは、こうした悩みを相談できる「専門家」について、誰に・いつ・どうやって相談すべきか?を解説します!

専門家に相談するメリットとタイミング

「相談するほどのことでもない」…と思っていませんか?

相続は人生に何度もあることではないため、多くの人が「何から始めればいいのか分からない」「まだ必要ない」と感じがちです。

ですが、実は相談が早いほど、できる対策が多く、費用も少なく済むというのが現実があります。

ここでは、相続対策における専門家の役割と相談のベストタイミングを解説します。

専門家に相談する5つのメリット

① 相続税の試算・節税アドバイスがもらえる

財産の内訳や分け方によって、相続税は大きく変わります。
税理士などの専門家であれば、将来の税額シミュレーションをもとに、最も有利な相続の形を提案してくれます。

② 分割設計を一緒に考えてくれる

相続税の問題だけでなく、「誰が何を受け取るか」についての相談ができるのは大きなメリットです。
「家は兄に、現金は妹に」など、感情と現実を両立した分割案を練ることができます。

③ 相続争いのリスクを減らせる

第三者の立場でアドバイスをもらえることで、家族間の誤解や不信感を未然に防ぐことができます。
相続に詳しい行政書士や弁護士であれば、法的な観点から「もめない相続」の仕組み作りをサポートできます。

④ 書類・手続きの不備を防げる

相続には膨大な書類と複雑な手続きが伴います。

  • 戸籍謄本
  • 評価証明書
  • 相続関係説明図

ミスがあれば手続きが滞ったり、税務署から指摘される可能性もあります。専門家に依頼することで確実・迅速に進められます。

⑤ 生前対策の選択肢が増える

早めに相談することで、贈与・遺言・家族信託などの対策を組み合わせた最適なプランを構築できます。

どの専門家に相談すればいい?

専門家主な役割向いている相談
税理士相続税の試算・申告・節税対策税金に関する相談全般
行政書士遺言書作成・財産目録・書類作成生前準備・書類整備
司法書士相続登記・不動産の名義変更不動産がある場合に必須
弁護士遺産分割トラブル対応・交渉争いの火種がある場合

理想的なのは、相続に強い複数の専門家と連携している事務所や窓口を使うこと。

初回相談が無料のところも多いため、まずは気軽に一度話を聞いてみるのが賢明です。

相談のタイミングは「いつがベスト」?

もっとも有効なのは、親が元気なうち・誰も亡くなっていない段階です。

この段階で相談すれば、

  • 相続税の配偶者控除の活かし方
  • 二次相続の節税設計
  • 財産分けの考え方
  • 遺言書や贈与の方向性

といった、使える選択肢が圧倒的に多くなります。

逆に、相続発生後に慌てて相談するケースでは、

  • 遺言がなかった
  • 財産が偏っていた
  • 期限(相続税は10ヶ月以内)に間に合わない

といった理由で、「打つ手が限られてしまう」状態になりがちです。

「備え」と「相談」は、早ければ早いほど家族を守る

相続対策とは、「大切な人を亡くした直後に困らないようにする」ためのものです。

誰かが亡くなってから動くのでは遅すぎます。

次の章では、相続に関するよくある質問(Q&A)をまとめています。
あなたの疑問にズバッとお答えしますので、ぜひ参考にしてください!

よくある質問(Q&A)

ここでは、相続に関して実際によく聞かれる質問をピックアップし、シンプルかつ明快にお答えしていきます。

Q1:一次相続と二次相続の違いは何ですか?

A:相続が2回に分けて発生することを指します。

  • 一次相続:夫婦のどちらか一方が亡くなったときの相続
  • 二次相続:残った配偶者が亡くなったときの相続

一次相続では「相続税の配偶者控除」により相続税が0円になるケースも多いですが、二次相続ではその控除が使えなくなり、相続税が重くなる傾向があります。

Q2:なぜ二次相続の方が税金が高くなるのですか?

A:使える控除が少なく、財産が集中するためです。

一次相続では、相続税の配偶者控除や基礎控除を併用することで、相続税を大きく減らすことができます。しかし、二次相続では配偶者がいないため相続税の配偶者控除が使えず、課税対象が増えてしまうのです。

また、一次相続で配偶者にすべての財産を集めてしまうと、二次相続の際に財産が一人に集中していて、基礎控除だけでは足りないという状況になりやすくなります。

Q3:二次相続が発生するタイミングは?

A:最初に亡くなった配偶者の後に亡くなった方が亡くなったときです。

たとえば父→母の順に亡くなった場合、母が亡くなった時点で「二次相続」が発生し、残された子どもたちが相続人になります。

Q4:生前贈与は二次相続対策になりますか?

A:はい、有効ですが注意点もあります。

生前贈与(暦年贈与)は、110万円までの贈与なら非課税になるため、毎年コツコツ贈与することで将来の相続財産を減らすことができます。

ただし…

  • 直前の贈与は「相続財産とみなされる」場合あり(3年以内)
  • 令和6年から、贈与と相続の一体課税制度がスタートしているため、制度の理解が必要
  • 受け取る側(子ども・孫)の所得・税務にも配慮が必要

必ず専門家と相談しながら進めるのがおすすめです。

Q5:相続対策って、いつから始めるべき?

A:親が元気なうち、そして「まだ大丈夫」と思っている今こそがベストタイミングです。

相続は事前に準備しておくことでほぼすべてのトラブルを防げるテーマです。親が認知症になってしまったり、突然亡くなってしまった場合は対策が一気に難しくなります。

  • 財産の把握
  • 分割の方向性
  • 遺言書の準備
  • 専門家への相談

これらは「元気なうちにこそ、自然にできること」なので、先延ばしにせず動き始めましょう。

Q6:相談先は税理士・行政書士・司法書士のどれがいい?

A:目的に応じて使い分けるのがベストです。

専門家得意な内容向いている人
税理士相続税の計算・申告・節税財産が多い/税金が気になる人
行政書士遺言書・財産目録・手続き書類生前準備・遺言の整理をしたい人
司法書士不動産の名義変更・相続登記不動産が相続財産に含まれる人

複数の士業が連携している事務所もあるので、ワンストップ相談が可能なところを選ぶと便利です!

Q7:相談にはいくらくらいかかりますか?

A:初回は無料、相続手続きは10万円前後〜が目安です。

事務所や地域によって差がありますが、一般的には以下の通りです。

  • 初回相談:無料〜5,000円(無料のところも多数)
  • 相続税申告:20万〜50万円前後(財産額による)
  • 遺言書作成:5万〜15万円程度(公正証書の場合)
  • 登記手続き:司法書士で5万〜15万円程度

具体的な費用は、事前に見積もりをもらうことをおすすめします!

最後に:わからないことがあれば、迷わず聞いてOK!

相続は「知らなかった」「もっと早く相談しておけばよかった」が命取りになります。
疑問は小さいうちに解決し、家族の未来に備えましょう!

次のセクションでは、ここまでの内容をまとめて、損しないために今できるアクションを整理していきます。

まとめ|損しない相続の第一歩は知ることから

ここまでお読みいただきありがとうございました。

一次相続と二次相続の違いから、実際の損失事例、対策、専門家への相談まで、総合的に解説してきました。

もう一度、押さえておきたい3つのポイント

① 「一次相続」と「二次相続」は切り離せない

多くの人が一次相続だけで判断しがちですが、本当に注意すべきは二次相続です。

相続税の配偶者控除を活用した安心感が、数年後に重い相続税となって跳ね返ることもあります。
一次で対策すれば、二次での損を防げるという意識を持つことが大切です。

② 損をするのは「知らなかった」人

  • 税金の仕組みを知らなかった
  • 分け方を考えていなかった
  • 遺言がなかった
  • 家族で話し合っていなかった

相続における損の多くは、悪意ではなく無知から起こっています。
つまり、「今から学び、備えること」でほとんどが防げるということです。

③ 専門家に早く相談した人が、最も得をする

相続は専門性が高く、法改正も頻繁に起こります。

プロの知識と経験を借りることで、損を回避しながら、家族関係も守る相続が実現できます。

特に相続税の節税や不動産の評価、遺言書の形式などは、自己判断で動くと逆効果になることもあるため、「わからない」「迷っている」時点で一度相談してみることがベストです。

今日からできる3つのアクション

  1. 家族で相続について話す時間を作る(きっかけはこの記事でもOK)
  2. 財産の棚卸しと、分割の方向性をざっくり整理してみる
  3. 地域の相続に強い専門家を探して、無料相談だけでも予約してみる

最後に一言:相続対策は家族の未来へのプレゼント

お金の話は、どうしても後回しになりがちです。

でも、相続をきっかけに家族が争い、関係が壊れてしまうことほど悲しいことはありません。

逆に、相続対策ができている家庭は、亡くなった人の想いをしっかり引き継げているのも事実です。

損をしないだけでなく、つながりを守るという意味でも、ぜひ、この記事をきっかけに最初の一歩を踏み出してみてください。

お悩みの方へ

「うちの場合はどうなるんだろう?」
「何から始めればいいか分からない」

そんな方は、相続の専門家に相談してみることをおすすめします。最近では、Zoomで無料相談ができる事務所も増えています。

一人で抱えず、まずはお気軽にご相談ください。