遺言書を公証役場で作成する方法を完全解説|行政書士がやさしくサポート

遺言書のこと、気にはなっているけれど。

「まだ元気だし、うちは大丈夫」「なんとなく難しそうで後回しにしている」

そんな風に思っている方は少なくありません。ですが、実際には、遺言がなかったことで家族間にトラブルが起きてしまうケースも多いのが現実です。

とくに財産の分け方や、誰に何を遺すかに少しでも迷いや希望があるなら、早めの準備が何よりも安心です。そして今、多くの専門家がすすめているのが「公正証書遺言」。これは、公証役場で公証人(法務大臣が任命する法律の専門家)が作成してくれる正式な遺言書のことです。

「でも、公証役場なんて行ったことがないし、どうやって作るのかもわからない…」
そんな方もご安心ください。

この記事では、遺言初心者の方でもわかりやすく、公証役場での遺言書作成について完全ガイドしていきます。


また、実際の現場では、法律に詳しくない方が一人で公証役場に行くのは一般的ではなく、行政書士に依頼するケースがほとんどです。その理由や、行政書士を通すことで得られる大きなメリットについても詳しく解説していきます。

「自分の意思を、きちんと家族に遺したい」
そう思った今が、動き出すベストタイミングです。

目次

遺言書って何?まず知っておきたい基礎知識

遺言書の役割とは?

遺言書とは、自分の死後に財産や想いをどのように伝え、分けたいかを示す法的な文書です。

遺言があることで、遺された家族や親族が「何をどう分けるか」で揉めることを防ぎやすくなります。

たとえば──

  • 長男に自宅を遺したい
  • 特に世話になった娘に多めに財産を渡したい
  • 介護してくれた人にお礼として一部を渡したい
  • 内縁の妻や婚外子にも相続させたい

こうした希望を法的に確実に実現するには、遺言書が不可欠です。

遺言書がないとどうなる?

遺言がなければ、遺産分割は法律に従った「法定相続分」で進められます。

この法定相続分では、どんなにお世話になった人がいても考慮されません。

また、遺産分割協議では相続人全員の合意が必要です。一人でも反対すれば手続きが止まり、相続は長期化・泥沼化する恐れがあります。

しかも、家庭裁判所による「調停」「審判」に進んでしまうと、時間もお金も精神的エネルギーも大きく消耗してしまいます。

遺言書があることで得られる安心

一方で、有効な遺言書があれば、原則としてその内容が優先されます。

つまり、「相続人同士が話し合う必要がなくなる」わけです。

それだけでなく

  • 自分の意思を明確に伝えられる
  • 相続トラブルを未然に防げる
  • 家族に負担をかけずに済む

といったメリットも。

人生の最後に、家族への「ありがとう」と「安心」を遺すための大切な手段。それが遺言書なのです。ブルを防ぐ有効な手段として広く選ばれています。

遺言書の種類と特徴【自筆・公正証書・秘密証書の違い】

自筆証書遺言とは?メリット・デメリット

自筆証書遺言は、名前の通り「本人が自筆で書いて作成する遺言書」です。
もっとも手軽で費用もかからず、思い立った時にすぐ書けるという点が魅力です。

メリット

  • 自分だけで作成できる(公証人・証人不要)
  • 費用がほとんどかからない(紙とペンだけ)
  • 内容を誰にも見せずに作れる

デメリット

  • 書式のミスや不備があると無効になるリスクが高い
  • 発見されない/改ざんされる/紛失するリスクがある
  • 相続発生後に家庭裁判所での「検認手続き」が必要

最近では法務局での「自筆証書遺言の保管制度」も始まりましたが、それでも内容自体の法的チェックはされないため、不安が残る方法です。

公正証書遺言とは?メリット・デメリット

公正証書遺言は、公証役場で公証人が作成する遺言書です。

法律のプロである公証人が内容を確認しながら作成するため、法的なミスが起きる可能性がほとんどなく、もっとも安全な遺言方式といえます。

メリット

  • 法律的に有効で安全(無効になりにくい)
  • 原本が公証役場に保管され、紛失や改ざんの心配がない
  • 相続発生後に「検認手続き」が不要
  • 高齢者や身体が不自由な方は、出張対応も可能

デメリット

  • 費用がかかる(財産額によって手数料が変動)
  • 証人が2名必要(ただし行政書士が手配可能)
  • 作成には準備期間が必要(書類収集・内容整理など)

秘密証書遺言とは?あまり選ばれない理由

秘密証書遺言は、自筆やワープロで内容を作成し、封筒に入れて封印し、公証役場で「これは遺言書である」とだけ認証してもらう方式です。

メリット

  • 内容を誰にも見られずに作成できる
  • 公証役場で存在を認証してもらえる

デメリット

  • 封を開けるまで内容がわからないため、形式ミスがあっても気づけない
  • 紛失・改ざん・無効化のリスクが高い
  • 相続後は自筆証書遺言と同様に検認が必要

実務的には、秘密証書遺言は手間とリスクが大きいため、現在ではほとんど使われていません。

公正証書遺言が選ばれる理由とは?

近年、行政書士や弁護士などの専門家が「最も安心・安全な遺言」としてすすめているのが公正証書遺言です。

以下のような背景があります。

  • 法的に確実で、相続後のトラブルを防げる
  • 専門家が内容チェック・文案作成をサポートできる
  • 高齢者や認知機能の低下がある方でも、出張対応・意思能力の確認が可能
  • 証人の用意・スケジュール調整・書類収集も行政書士がサポートできる

特に、「相続で揉めたくない」「家族に迷惑をかけたくない」と考える方には、公正証書遺言が最もおすすめされる形式です。

公証役場で作る「公正証書遺言」の基本ステップ

公証役場とはどんなところ?

公証役場とは、法務大臣から任命された法律の専門家である「公証人」が、公正証書の作成や認証業務を行う公的な機関です。

全国各地にあり、遺言の作成だけでなく、離婚協議書や金銭消費貸借契約書など、さまざまな法律文書の作成を担っています。

公正証書遺言を作成する際には、この公証役場で公証人が遺言者の意思を確認し、法的に有効な文書として作成・保管します。

公証人の多くは、元裁判官が務めています。

作成の流れ(事前相談→書類準備→証人立会い→作成)

公正証書遺言作成の流れは、基本的に以下の5ステップです。

① 事前相談(行政書士や公証人との打ち合わせ)

まずは行政書士や公証人に「遺言を作成したい」という相談を行います。
財産の内容や相続人の情報、遺言に込めたい想いなどを整理していきます。

行政書士に依頼すれば、ここでのヒアリングからすべてサポートしてくれます。

② 必要書類の準備

以下のような書類を揃える必要があります。

  • 遺言者本人の戸籍謄本・住民票
  • 相続人の戸籍謄本
  • 財産に関する書類(不動産登記事項証明書、預貯金通帳コピーなど)
  • 身分証明書(本人確認のため)

これらの収集も、行政書士に依頼すれば代行可能です。

③ 証人の手配

公正証書遺言の作成には証人が2名必要です。
証人には以下のような条件があります。

  • 成年であること
  • 推定相続人やその配偶者、直系血族でないこと
  • 利害関係者でないこと

この証人も、行政書士が手配可能です。事務所スタッフが証人として同席するケースもあります。

④ 公証役場での作成

公証役場に遺言者本人が出向き、公証人が遺言の内容を読み上げながら、最終確認を行います。
本人の意思に間違いがないことを確認したうえで、公証人が正式な「公正証書遺言」として作成します。

⑤ 正本・謄本の受け取り

作成後、遺言者は公正証書遺言の正本と謄本を受け取ります。
原本は公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配はありません。

費用の目安(公証人手数料など)

公正証書遺言の費用は、遺言の内容や財産額によって変動します。
主な費用項目は以下の通りです。

  • 公証人手数料:遺産総額に応じて5,000円〜数万円(不動産含む場合はさらに加算)
  • 出張費(出張作成の場合):移動距離・時間によって別途加算
  • 証人報酬(外部証人を手配する場合):1名あたり5,000〜10,000円程度
  • 行政書士報酬:事務所によって異なるが、おおよそ50,000〜100,000円程度が目安

必要な書類と注意点

公正証書遺言の作成において重要なのは、事前準備をどれだけ丁寧に行えるかです。
書類の不備や確認不足があると、スムーズに進まず、何度もやり直しになる可能性もあります。

特に注意したいのは以下の点です。

  • 不動産の記載内容は登記事項証明書通りに正確に
  • 預貯金は銀行名・支店名・口座番号まで明記
  • 相続人の名前・続柄・生年月日など、正式な情報で記載
  • 財産目録を作成する場合は、日付・署名・押印を忘れずに

こうした点に不安がある場合は、行政書士に依頼することでスムーズかつ確実に準備が進められます。

実は…一人で公証役場に行くのは非現実的!?

専門用語や証人手配のハードル

「公証役場で遺言書を作るだけなら、自分でできそう」と思う方もいるかもしれません。
しかし、実際には一人でスムーズに手続きを完結させるのは難しいのが現実です。

まず、公正証書遺言の内容には、法律用語や相続に関する専門的な知識が関わってきます。

例えば、

  • 誤った表現によって「法的に無効」とされる
  • 財産の分け方に矛盾があり、トラブルになる
  • 誰に何を渡すかが不明瞭で、家庭裁判所で争われる

といったリスクがあります。

また、証人を自分で2人手配する必要がある点も大きなハードルです。

前述のとおり、証人には制限(相続人やその配偶者・未成年者は不可)があります。
「誰を呼べばいいのか」「頼める人がいない」という方も少なくありません。

遺言内容の法的チェックも必須

遺言書の内容は、ただ「気持ちを伝えたいこと」だけでは不十分です。
法律に従って適切に構成・記載されていなければ、効力を持たない場合もあります。

たとえば、

  • 不動産の表記が曖昧だったために、誰のものかを巡って争いに
  • 相続割合の合計が100%を超えてしまっていた
  • 特定の人を排除したかったが、法的根拠が不足して無効にされた

こうした事例は、実際に数多く発生しています。

一見、正しく書けているようでも、法的に成立していなければ「ただの紙切れ」になってしまう可能性があるのです。

そのため、事前に内容をチェックし、問題がないように整える専門知識が必要不可欠です。

行政書士に依頼するのが一般的な理由

こうした事情から、遺言書を公証役場で作成する際には行政書士に依頼するのが一般的となっています。

実際、多くの公証役場では、

「まずは行政書士や弁護士などの専門家に相談してください」
と案内されています。

行政書士に依頼することで、以下のような負担を一気に軽減できます。

行政書士に依頼するメリット

  • 必要書類の収集・整理を代行してもらえる
  • 遺言の内容について、法的に有効かどうかのチェックと修正提案をしてもらえる
  • 相続人や財産の状況に応じて、ベストな分配方法の提案を受けられる
  • 公証役場との日程調整・手続きの代行までお任せできる
  • 証人も事務所で手配してもらえるため、家族や知人に頼む必要がない

実際に、「一人で頑張ろうとして失敗した」「不備が見つかって再提出になった」という方も少なくありません。
行政書士のサポートを受ければ、時間も手間も減り、安心して遺言書を完成させることができます。

行政書士に依頼するメリットとは

手続き・書類作成をすべて代行

公正証書遺言の作成には、多くのステップと書類が必要です。
それをご本人がすべて一人で進めるのは、現実的にかなり負担が大きいものです。

行政書士に依頼すれば、次のような手続きの一連をまるごと代行してもらえます。

  • 相続関係の戸籍謄本の取得
  • 不動産登記事項証明書の取得
  • 財産目録の作成
  • 公証役場との事前打ち合わせ
  • 証人の手配
  • 日程調整と同行サポート

つまり、必要な情報だけ伝えれば、あとはプロが全て整えてくれるという状態になります。
高齢の方や、仕事や育児などで時間が取れない方にとっては大きな安心材料です。

法的に有効な内容をサポート

遺言書は内容に不備があると無効になる可能性があるため、法律に適った表現や構成が求められます。

行政書士は、遺言書作成に関する豊富な知識をもとに、以下の点をサポートできます。

  • 「誰に何を渡すか」を法的に矛盾なく明確に記載
  • 誤解や争いの原因になりそうな表現を避ける
  • 先々を見越して、「あえて書かない」という選択も含めてアドバイス

こうしたサポートにより、完成した遺言書が有効で確実なものになるのです。

また、「遺留分」や「特別受益」「寄与分」など、相続に関する細かな法律知識も踏まえて、無用なトラブルを避ける設計が可能です。

相続人トラブルを未然に防ぐ提案も可能

遺言書の目的は、単に財産を分けることではありません。
「家族が揉めないようにすること」が、もっとも大切なポイントです。

行政書士は、客観的な立場から依頼者の状況を整理し、

  • 「この分け方だと、誰が不満を抱くか」
  • 「ここは遺留分に注意が必要」
  • 「介護をした家族にどう配慮するか」

といった観点でアドバイスを行います。

たとえば、

「長男には土地を、次男には現金を」という分け方が一見平等に見えても、不動産の評価額が大きく異なっていて後々争いに発展する…

こうした落とし穴を事前に察知して対処できるのが行政書士の価値です。

公証役場とのやり取りをスムーズに

行政書士は、公証役場と日常的に連携しているため、

  • 書類の提出タイミング
  • 公証人との事前相談の方法
  • 必要な書式や文言

などを熟知しています。

本人やご家族が直接公証役場とやり取りする場合に比べて、圧倒的にスムーズかつ短期間で手続きが完了するのが大きなメリットです。

公証役場からも「行政書士を通してもらえると助かる」と言われるケースが多くあります。

その他のメリットもたくさん

行政書士に依頼することによって、次のような追加メリットも得られます。

  • 証人の手配も可能なので、親族や知人に気を使わなくて済む
  • 出張対応が可能な事務所もある(高齢者・入院中など)
  • 必要に応じて、相続税や贈与税に関する士業連携(税理士・司法書士)もスムーズに行える
  • 将来の遺産整理や相続手続きも見据えたトータルサポートが期待できる

よくある誤解と失敗例【ケーススタディ】

「遺言を書けば安心」「自分でやっても大丈夫」と思っていても、実は多くの人が同じような失敗を繰り返しているのが現実です。

ここでは、実際にあった(または起こりがちな)ケースをもとに、よくある誤解や失敗例を紹介します。

自筆で書いたが無効になった例

ある高齢の方が、自宅で自筆証書遺言を作成しました。

きちんと全文を手書きし、署名と日付も記載していましたが、亡くなった後に家庭裁判所の検認手続きで*「法的に無効」と判断されてしまいました。

理由は、以下のようなミスでした。

  • 財産の分け方が曖昧(「長男に多めに」とだけ書かれていた)
  • 不動産の表示が正確でない(登記情報と食い違っていた)
  • 日付が「令和〇年 春頃」と曖昧だった

遺言書が無効と判断されたことで、法定相続に従って遺産分割協議が必要となり、結局、兄弟間でのトラブルに発展してしまいました。

証人が適格でなかったためやり直しになった例

ある女性が公証役場で公正証書遺言を作成した際、証人として知人の夫婦を頼みました。

ところが、そのうちの一人が推定相続人に該当する人物だったため、後に遺言が部分的に無効となりました。

公証役場では証人の資格についても確認されますが、誰を証人にするかを自分で選ぶと、知らないうちに不適格者を選んでしまうリスクがあります。

※行政書士に依頼すれば、こうした心配は不要です。証人手配も含めて、確実なサポートが受けられます。

遺言内容が曖昧で相続争いになった例

「二人の子どもに公平に遺す」とだけ記載された遺言がありました。

しかし、実際の財産は「自宅の土地建物+預貯金」が中心で、平等に分けることが難しい内容でした。

結果、次のような問題が起きました。

  • 不動産は売却するのか、どちらかが住み続けるのかで意見が分かれた
  • 預貯金だけを分けると不動産分が不公平になる
  • 感情のもつれから、調停へと発展

つまり、「公平に」という意志は伝わったとしても、その実現方法が具体的に記されていないと、かえって争いの火種になってしまうのです。

「生前の話と違う!」家族の不信を招いた例

遺言を書く前に、「全財産は長女に任せる」と口頭で伝えていたにもかかわらず、「実際の遺言書には全く別の内容が書かれていた」というケースもあります。

結果、残された家族の間で以下のような感情的対立が起きました。

  • 「生前、そう言ってたのに…なぜ遺言が違うのか?」
  • 「誰かに言わされて書いたのでは?」
  • 「これは無効に違いない!」

公正証書遺言であれば、公証人が意思確認を行うため、後から「遺言能力がなかった」「強要されたのでは」といった疑念も起こりにくくなります。

まとめ|失敗を防ぐには専門家の力が不可欠

これらの失敗に共通して言えるのは、「自己判断だけで遺言を作ってしまったことによるミス」です。

法律は複雑で、ちょっとした表現や記載漏れが大きなトラブルを生む世界です。
専門家である行政書士のサポートを受けることで、こうした失敗を未然に防ぐことが可能です。

遺言書を作るべき5つの理由【知らないと損】

遺言書は「お金持ちのためのもの」と思われがちですが、実際には誰にとっても必要な「人生の備え」です。

ここでは、遺言書を作るべき理由を「5つの観点」からわかりやすく整理します。

1. 相続トラブルを回避できる

最も大きな理由がこれです。

遺言書があるだけで、相続人同士の話し合い(遺産分割協議)を避けられる可能性が高くなります。

遺言書がない場合、法定相続分に従って相続することになりますが、たとえそれが「平等」であっても、現実の財産(不動産や事業など)は簡単に分けられるものではありません。

結果として、

  • 「なぜ兄だけが不動産を?」
  • 「介護をしてきた私が損をしている」
  • 「あのときの口約束と違う!」

といった感情の対立が起こりやすくなります。

遺言書で「誰に何を」「なぜそのように」と明記しておくことで、家族のトラブルを未然に防ぐことができます。

2. 自分の意思を明確に伝えられる

遺言書は、あなた自身の「最期のメッセージ」です。
財産をどうするかだけでなく、「想い」を形に残せる手段でもあります。

たとえば、

  • 「お世話になった長女に少し多めに遺したい」
  • 「内縁のパートナーにも財産を渡したい」
  • 「介護してくれた次男に感謝を伝えたい」

こうした想いは、法定相続の枠だけでは反映されません。

遺言書を通じて、自分の生き方や価値観をきちんと伝えることができます。

3. 家族の負担を減らせる

相続手続きは、書類の収集・財産の把握・協議・申告など、多くの工程があり、残された家族にとって大きな負担になります。

遺言書があれば、

  • 遺産の分け方が明確で、話し合いが不要
  • 公正証書遺言なら検認手続きも不要
  • 財産の全体像がはっきりしている

といったメリットがあり、相続手続きがスムーズに進みます。

残された家族が余計なストレスや争いを抱えることなく、心穏やかに手続きを進められるというのは、遺す側にとっても大きな安心です。

4. 自分の希望が確実に実現できる

「誰に何を渡すか」だけでなく、亡くなった後の対応や行動も遺言で指示することが可能です。

  • 葬儀の方法や希望(家族葬・散骨など)
  • 飼っているペットの引き取り先
  • 生前贈与の記録と整理
  • 医療・延命措置への考え(※尊厳死宣言公正証書なども別途対応可)

また、近年では「デジタル遺産(ネット口座、SNS、暗号資産など)」の管理についても、明記しておくことが望まれます。

遺言書があれば、自分の死後に起こるさまざまな出来事を、自分の意志でコントロールできるのです。

5. 生前整理としても効果的

遺言書を作成するプロセスでは、

  • 自分の財産をすべて把握し直す
  • 相続人や関係者を再確認する
  • 必要な手続きを見直す

といった作業が発生します。

これはいわば「人生の棚卸し」ともいえる作業であり、生前整理の第一歩になります。

生前整理をすることで、不要な契約や資産の見直しができたり、保険やローンの見直し、名義の修正などにもつながります。

「遺言を書くこと=死を意識すること」と捉えられがちですが、実際には、よりよい「これから」の人生を生きるための作業でもあるのです。

よくある質問(FAQ)

公正証書遺言や公証役場の手続きについて、実際に多く寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。
不安や疑問を解消し、安心して一歩を踏み出すための参考にしてください。

Q1:自筆証書と公正証書、どちらがいいですか?

A:確実性・安全性を重視するなら、公正証書遺言がおすすめです。

自筆証書遺言は費用がかからず、手軽に作れる反面、形式不備や紛失・改ざんのリスクが高いです。
一方、公正証書遺言は公証人が作成し、原本が公証役場に保管されるため、法的なトラブルを大きく回避できます。

「確実に実現させたい内容がある」「家族に迷惑をかけたくない」という場合は、公正証書遺言を選びましょう。

Q2:公証役場って予約が必要なんですか?

A:はい。基本的に事前予約制です。

特に遺言書の作成では、事前に公証人との打ち合わせが必要になります。
また、日程の調整や証人の手配も必要なため、事前準備が必須です。

行政書士に依頼すれば、公証役場とのやり取りや予約調整も代行してくれるため、非常にスムーズです。

Q3:認知症があると遺言は作れませんか?

A:軽度で意思確認が取れる状態なら作成は可能です。

遺言書は「遺言能力(判断能力)」があることが前提ですが、軽度の認知症や初期症状であっても、意思が明確で、公証人が判断能力を確認できれば有効とされます。

ただし、後のトラブルを防ぐためにも、医師の診断書を提出するなどの対策が必要になることもあります。
判断が微妙な場合は、専門家に相談して慎重に進めましょう。

Q4:費用はどれくらいかかりますか?

A:財産の金額や証人の有無によって異なりますが、目安として以下のようになります。

  • 公証人手数料:1万円〜数万円程度(財産総額によって変動)
  • 証人報酬:5,000〜1万円/1名(行政書士が手配可能)
  • 行政書士報酬:5万円〜10万円程度(事務所ごとに異なる)

詳細はケースバイケースですので、まずは無料相談などで見積もりを出してもらうのがおすすめです。

Q5:証人は誰でもいいのですか?

A:証人には法律上の条件があり、誰でもなれるわけではありません。

以下のような人は証人になることができません。

  • 推定相続人(配偶者・子・親など)やその配偶者
  • 未成年者
  • 公証人の配偶者や四親等内の親族

そのため、「家族に頼みたいけど、みんな相続人にあたる…」というケースも珍しくありません。
こうした場合、行政書士事務所が証人を手配できるため安心です。

Q6:公正証書遺言を作った後に内容を変えたい場合は?

A:変更・撤回はいつでも可能です。

遺言は、本人の意思で何度でも書き直し・変更・撤回ができます。
公正証書遺言であっても、手続きを踏めば新たに作成し直すことが可能です。

「家族構成が変わった」「財産の内容が変わった」「気持ちが変わった」など、人生に変化があった際には、定期的に見直すことをおすすめします。

Q7:遺言書を作るタイミングはいつがベストですか?

A:思い立った「今」がベストです。

遺言書は「まだ元気だから大丈夫」と思っているうちに、気づけば準備のタイミングを逃してしまうものです。
実際、体調を崩した後では準備が難しくなってしまうケースも多く見られます。

公正証書遺言であれば、「作っておいて損はない」ものです。
「元気な今だからこそ」、未来のために備えることができます。

まとめ|まずは行政書士に相談するのが安心・確実です

遺言書は、自分の財産や想いを「正しく、確実に」遺すための大切な手段です。
なかでも、もっとも確実で安全な方法が「公正証書遺言」です。

とはいえ、その手続きには専門的な知識と、数多くの準備が必要です。

  • 書類の収集や不備のチェック
  • 法的に有効な内容の整理
  • 公証役場とのやりとり
  • 証人の手配や日程調整

これらすべてをご本人が一人で行うのは、現実的に難しいのが実情です。

行政書士に相談することで、すべてが変わります

行政書士に依頼することで、以下のような圧倒的な安心とメリットが得られます:

  • 手続きのプロが全面サポートしてくれる
  • 自分の意志を法律にのっとって正しく形にできる
  • 公証役場での対応もお任せでスムーズ
  • 万一のトラブルにも備えた抜け漏れのない設計

あなたが伝えたい想いや不安、相続人との関係性なども丁寧にヒアリングした上で、「あなたにとって最適な遺言のかたち」を提案してもらえます。

行動するなら「今」がおすすめです

遺言書の準備は、「元気なうちに」「早めに」が鉄則です。
体調の変化や家庭の事情などで、「作りたいと思ったときには遅かった」というケースも珍しくありません。

今このページを見ているあなたは、すでに「大切な人を想う気持ち」があるはずです。
その気持ちを、確実にかたちに残すためにも、一度、専門家に相談してみてください。

まずはお気軽にご相談ください

行政書士事務所では、初回無料相談を実施しているところも多く、
「何から始めればいいのか分からない」という方にも親身に対応してくれます。

  • 遺言に関する基礎的な説明
  • 財産の整理・把握のアドバイス
  • 公証役場の手続きの流れ説明
  • 必要な書類の案内やチェックリストの提供

といったサポートを受けることで、不安はきっと「安心」に変わります。

「まだ早いかな」ではなく、「今のうちに備えておこう」
その一歩が、あなたとあなたのご家族にとって最良の選択になるはずです。