遺産相続にかかる弁護士費用の相場とは?費用の内訳・節約方法・実例を徹底解説

遺産相続にかかる弁護士費用とは?

遺産相続は家族間の繊細な問題が絡むため、専門知識をもつ弁護士のサポートが有効です。しかし、依頼するにあたって気になるのが「どのくらいの費用がかかるのか」という点。この記事では、遺産相続における弁護士費用の相場や内訳、節約方法や実際の事例、さらに良い弁護士を選ぶためのポイントを詳しく解説します。

弁護士費用の種類とその内訳

遺産相続の手続きで発生する弁護士費用は主に以下の5種類に分けられます。

相談料

弁護士に初めて相談した際に発生する費用です。30分〜1時間ごとに設定されている場合が多く、相場は5,000円〜1万円ほどです。最近では初回相談を無料とする事務所も増えています。

着手金

正式に依頼をする段階で支払う前払い費用です。案件の内容や相続財産の総額によって変動し、20万円〜50万円程度が相場となっています。

報酬金

弁護士の業務が成功裏に終わった場合に支払う成功報酬です。得られた財産の金額に応じて一定の料率で計算されます。例えば、経済的利益の10%〜16%程度が一般的です。

実費

書類の取得、交通費、郵便費など、弁護士が業務遂行のために実際に支払った費用です。1万円〜5万円程度が多く見られますが、手続きの範囲によって変動します。

日当

弁護士が裁判所や関係者宅などに出向く必要がある場合に発生する費用です。1日あたり3万円〜5万円程度が相場です。

ケース別に見る!遺産相続にかかる弁護士費用の具体例

以下に、よくある5つのケースを想定して、弁護士費用の目安を具体的に紹介します。

ケース1:遺産分割協議のみ(遺産1,000万円)

  • 相談料:0円(初回無料)
  • 着手金:20万円
  • 報酬金:10万円(1,000万円の1%)
  • 実費 :1万円
  • 合計 :31万円

ケース2:遺産分割調停(遺産1,500万円)

  • 相談料:0円
  • 着手金:30万円
  • 報酬金:28万円(約1.5%計算)
  • 実費 :2万円
  • 日当 :5万円(1回出廷)
  • 合計 :65万円

ケース3:相続放棄の手続き代行

  • 相談料:5,000円
  • 着手金:10万円
  • 報酬金:なし
  • 実費 :5,000円
  • 合計 :15万5,000円

ケース4:遺言無効確認の裁判(遺産3,000万円)

  • 相談料:0円
  • 着手金:50万円
  • 報酬金:100万円(経済的利益の3%強)
  • 実費 :3万円
  • 日当 :10万円(複数回出廷)
  • 合計 :163万円

ケース5:相続人間で争いが激しい遺産分割審判(遺産5,000万円)

  • 相談料:0円
  • 着手金:60万円
  • 報酬金:200万円(経済的利益の4%程度)
  • 実費 :5万円
  • 日当 :15万円(複数回出廷)
  • 合計 :280万円

あくまでも参考情報として、想定する概算費用を提示しております。実施にかかる費用等は弁護士事務所に直接お尋ねください。

弁護士費用を抑えるための工夫

弁護士費用は決して安くはありませんが、工夫次第である程度抑えることが可能です。

初回無料相談を活用する

多くの弁護士事務所では初回相談を無料にしているため、まずは複数の弁護士に相談して相性や費用感を確認しましょう。

分割払いに対応している事務所を選ぶ

一括支払いが難しい場合、分割払いに応じてくれる弁護士もいます。費用の支払い方法について事前に確認しておくと安心です。

法テラスの活用

収入が一定額以下であれば、法テラスの民事法律扶助制度を利用することで、弁護士費用の立て替えや免除が受けられる場合があります。

自分でできる範囲は対応する

戸籍の収集や遺産のリストアップなど、法律の専門知識を必要としない作業は自分で行うことで、弁護士に依頼する範囲を減らし費用を抑えることができます。

弁護士選びのポイント

弁護士によって得意分野や費用体系が異なるため、信頼できる弁護士を選ぶことが重要です。

相続専門の弁護士を選ぶ

相続は専門性の高い分野です。遺産分割や相続税の知識に精通した弁護士を選びましょう。

費用の見積もりが明確な弁護士を選ぶ

事前に費用の総額や内訳を明確に提示してくれる弁護士は信頼できます。口頭だけでなく書面での提示を求めましょう。

コミュニケーションが取りやすい

依頼者の話を親身に聞いてくれる弁護士、わかりやすい説明をしてくれる弁護士は、信頼して長期的に任せることができます。

遺産相続に関するよくある質問

Q.弁護士費用は遺産から支払えるの?

A.基本的には依頼者が個人で支払う必要がありますが、相続財産の中から充当されるケースもあります。事前に弁護士に確認しましょう。

Q.相続税の申告も弁護士に頼めるの?

A.弁護士は税務申告の代理はできませんが、税理士と連携して進めてくれることが多いです。

Q.兄弟で弁護士を分ける必要はある?

A.争いが予想される場合は、それぞれが別の弁護士をつけることで利害の対立を避けられます。

Q.何を準備して相談に行けばいいの?

A.遺言書、戸籍謄本、財産目録など、状況を正確に伝えられる資料を持参しましょう。

【まとめ】遺産相続の弁護士費用を理解し、賢く対応しよう

遺産相続にかかる弁護士費用は、相談料、着手金、報酬金、実費、日当といった多様な項目から構成されており、依頼する内容によって大きく異なります。本記事で紹介した具体的な費用例や節約の工夫を参考にすることで、より安心して弁護士へ依頼できるでしょう。自分に合った信頼できる弁護士を見つけるために、複数の事務所を比較検討することも忘れずに行いましょう。