目次
1. 親が死亡したら銀行口座はどうなる？
1-1. 銀行口座は即座に凍結されるのか？
親が死亡すると、銀行は口座を凍結します。凍結されると、以下のようなことができなくなります。
- 預金の引き出し
- 口座からの振込・送金
- 公共料金・クレジットカードの引き落とし
ただし、銀行は死亡の事実を知らなければすぐには凍結しません。例えば、役所に死亡届を提出しても、その情報が直接銀行に伝わるわけではないため、家族（相続人）が銀行に報告するまでの間は口座が使える可能性があります。
1-2. 口座凍結の理由
銀行が口座を凍結するのには、以下の理由があります。
① 相続トラブルを防ぐため
相続人の一人が勝手に預金を引き出してしまうと、他の相続人との間でトラブルになります。銀行が口座を凍結することで、こうしたトラブルを未然に防ぐことができます。
② 不正利用を防ぐため
親の死亡後に、家族が勝手にキャッシュカードを使ってお金を引き出すことは違法行為（窃盗罪や詐欺罪）に該当する可能性があります。銀行はこのような不正利用を防ぐために、口座を凍結します。
③ 法律に基づく適切な手続きを確保するため
預金は相続財産に含まれ、正しい手続きを経て相続人に分配される必要があります。そのため、相続手続きが完了するまで、銀行は預金の引き出しを認めません。
1-3. 銀行に親の死亡を知らせるのは誰？
銀行に親の死亡を知らせるのは、通常の場合、相続人やその代理人（弁護士・行政書士など）です。
銀行に死亡を伝えると、口座は即座に凍結されます。そのため、親の葬儀費用や生活費の支払いに預金を使いたい場合は、事前に準備しておくことが重要です。
2. 口座凍結を解除する手続きとは？
2-1. 口座の凍結解除までの流れ
口座の凍結を解除し、預金を相続するには、以下の手続きが必要です。
2-2. 銀行口座の相続手続きに必要な書類
銀行ごとに多少の違いはありますが、一般的に必要となる書類は以下のとおりです。
- 親の死亡届（死亡診断書のコピー）
- 被相続人（親）の戸籍謄本（出生から死亡までのもの）
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書
- 銀行所定の相続手続き書類
- 遺産分割協議書（必要な場合）
2-3. 口座の相続手続きにかかる期間
銀行の処理にかかる時間は、1〜2ヶ月程度が一般的です。ただし、相続人が多かったり、遺産分割協議が必要な場合は、手続きが長引くこともあります。
3. 口座凍結時の注意点
3-1. 口座凍結前にお金を引き出すのは違法？
親の死亡後にキャッシュカードを使ってお金を引き出すことは、違法行為（窃盗罪・詐欺罪）に該当する可能性があります。
違法になるケース
- 親の死亡を隠して預金を引き出す
- 相続手続きを経ずに勝手に使う
問題にならないケース
- 親の存命中に、本人の意思で引き出してもらった場合
3-2. 親の借金がある場合、預金はどうなる？
親に借金があった場合、銀行預金は借金の返済に充てられる可能性があります。そのため、相続放棄を検討することも重要です。なお、相続放棄をすれば、借金だけでなく預金も相続できなくなるため注意が必要です。
3-3. 生活費の支払いはどうする？
口座が凍結されると、公共料金やクレジットカードの引き落としもストップします。
対応策
- 事前に生活費を別口座に移しておく
- 共同名義の口座を作っておく
- クレジットカードの引き落とし口座を相続人の口座に変更する
4. 相続トラブルを防ぐためのポイント
4-1. 遺言書を作成する
生前に遺言書を作成しておくと、相続手続きがスムーズに進みます。公正証書遺言を作成しておくのがおすすめです。
4-2. 早めに相続人同士で話し合う
相続人同士で事前に話し合い、遺産分割についての合意を得ておくと、トラブルを未然に防げます。
4-3. 専門家に相談する
相続手続きが複雑な場合は、弁護士や司法書士に相談するとスムーズに解決できます。
5. 親の死亡後の銀行口座に関するよくある質問
Q1. 銀行口座が凍結されるまでの期間は？
銀行が死亡の事実を把握した時点で凍結されます。
Q2. 口座凍結を解除するのにどのくらい時間がかかる？
通常は1〜2ヶ月程度ですが、相続手続きの内容によってはさらに時間がかかることもあります。
Q3. 遺言書がある場合、手続きは簡単になる？
はい、公正証書遺言があると、手続きがスムーズに進みます。
6. まとめ｜早めの準備でスムーズな相続手続きを
親の死亡後、銀行口座は凍結されますが、適切な手続きを行えば解除できます。早めに相続の準備をし、専門家に相談することでトラブルを防ぐことができます。
今のうちにできる準備を進めておきましょう。
