遺言書は認知症になる前に!手遅れになる前に知っておくべき法的リスクと対策

目次

セクション1:なぜ今、遺言書の準備が必要なのか?

遺言書は「いつか書けばいい」では遅い理由

「遺言書はまだ早い」「親が元気だから、しばらくは大丈夫」と思っていませんか?

しかし、遺言書の作成には本人の判断能力が必要であり、これはある日突然失われてしまうこともあります。特に、認知症が進行してしまうと、法的に無効と判断される遺言書になるリスクが非常に高くなるのです。

認知症は“ある日突然”始まる

日本では、年々高齢者人口が増加しており、65歳以上の5人に1人が認知症になる時代が目前に迫っています(※厚生労働省の調査より)。

認知症は段階的に進行する病気ですが、初期症状が軽度で見逃されることも多く、家族が気づいたときには判断能力がかなり低下していたというケースも少なくありません。

「元気なうち」が、唯一のタイミング

遺言書は、本人が「自分の意思で、何を、誰に、どう残すか」を理解し、判断できる状態でなければなりません。

つまり、健康な状態=判断能力がしっかりしている時にしか有効な遺言書は作れないのです。もし「いつかそのうち」と先延ばしにしていて、判断能力が失われてしまえば、どんなに家族にとって大切な想いがあっても、それを遺言書という形で残すことはできなくなります。

そしてその結果、家族間での「争族」が起きてしまうリスクが一気に高まってしまいます。

判断能力があるかどうかが争点になる

実際に、遺言書が裁判になったケースでは、「遺言をしたとき、本人に判断能力があったかどうか」が最大の争点になることが非常に多いです。

これは家族にとってもつらいことです。

「本当にお父さんの意思だったのか?」「お母さんはあのとき、もう正しく判断できていなかったのでは?」
と、兄弟間で不信感が募る事態に陥ってしまいます。

まとめ:備えは“元気なうち”にこそ意味がある

遺言書は、いつか必要になるものではなく、「元気な今」だからこそ作るべき法的ツールです。

準備が早ければ早いほど、トラブルを避け、家族の未来を守ることができます。次のセクションでは、認知症と遺言の法的な関係について、もう少し詳しく見ていきましょう。

セクション2:認知症と遺言書の法的な関係

認知症と診断されたら遺言書は作れない?

多くの人が誤解しているポイントの一つが、「認知症と診断されたら遺言書は無効になる」という思い込みです。

実は、これは必ずしも正しくありません。

民法では、遺言書を有効にするためには、遺言者が遺言能力を有していることが必要です。この「遺言能力」は、必ずしも「認知症と診断されていないこと」とイコールではありません。

つまり、軽度の認知症であっても、内容を理解し判断できる状態であれば、法的には有効な遺言が可能とされます。


しかしその一方で、本人の判断力が疑われるような状態では、たとえ遺言書があっても無効と判断される可能性が高まるのです。

遺言書が有効になる条件とは?(民法の視点)

日本の民法では、遺言書が法的に有効であるためには、以下の条件を満たしている必要があります。

1. 遺言能力がある

遺言者が「自分が何をしているのか」「その結果どうなるのか」を理解できる精神状態であること。

2. 方式に従って作成されている

自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言など、法律で定められた形式にのっとって作成されていること。

3. 本人の自由意思によって作成されている

家族や他人から強要されず、自分の意思で内容を決定したこと。

このなかで、最も重要でトラブルの元になりやすいのが「①遺言能力」の部分です。

認知症のどの段階で遺言が無効になるのか?

認知症には「軽度認知障害(MCI)」から始まり、「軽度」「中等度」「重度」と症状が進行していきます。

実は、軽度〜中等度の段階であれば、遺言能力が認められるケースもあります。

ポイントは「遺言作成時の状態」

遺言書の有効性は、「作成した瞬間の本人の精神状態」が基準になります。

たとえ認知症と診断されていたとしても、その時にしっかりと内容を理解し、自分の意思で作成していれば、遺言能力があると認定される場合があります。

逆に、遺言を作成した時期の本人の記憶や判断力が曖昧であったと判断されれば、その遺言は無効になる可能性があるのです。

医師の診断書だけでは不十分なことも

遺言の有効性を証明するために、医師の診断書を付けるケースもあります。

これはとても有効な手段ですが、医師の診断書があれば絶対に有効、というわけではありません。

なぜなら、最終的に遺言の有効性を判断するのは裁判所であり、以下のような総合的な証拠が検討されるからです。

  • 医師の診断書や意見書
  • 遺言作成時の録音・録画データ
  • 遺言書作成に立ち会った人の証言
  • 遺言内容の合理性(不自然な内容かどうか)

家庭裁判所での争いになりやすい

実際に相続争いが起こった際、家庭裁判所では「遺言者の遺言能力の有無」が大きな争点となります。

家族が対立し、「あの時はもうまともに判断できなかったはずだ」「いや、元気だった」と、故人の精神状態をめぐって争いになるケースが多く見られます。

そして、それがきっかけで兄弟間の関係が壊れてしまうことも少なくありません。

まとめ:法的に有効な遺言を残すには“証拠”も重要

認知症と遺言の関係は、「診断されたら即NG」ではなく、「作成時の判断力があったか」がカギです。

そして、それを証明するには専門家の関与や記録(録音・録画)が重要になります。

次のセクションでは、実際に起こった争族の事例を見ながら、「なぜ遺言書の準備が必要なのか」をさらに掘り下げていきましょう。

セクション3:親が認知症になってから兄弟で揉めた事例3選

家族が壊れるのは「介護」より「相続」のとき

介護の分担や生活のフォローで多少の不満があっても、なんとか乗り越えられる家族は多いものです。

しかし、相続となるとお金と気持ちが交差し、家族の本音が一気に表面化します。

特に親が認知症になった後は、誰がどのように財産を管理していたのか、判断能力がいつ失われたのか…といった点で「あのときの行動は正しかったのか?」という疑念が起こりやすいのです。

以下に、実際にあったトラブル事例を紹介しながら、どんな点で争いが起きたのかを解説します。

事例①:長男が勝手に財産を管理していたケース

状況

父が軽度の認知症と診断された後、同居していた長男が預金通帳やキャッシュカードを預かり、生活費の管理を始めた。ところが、父の死後、次男が通帳を確認すると、不明な引き出しや振込が多数。

争点

  • 引き出されたお金は父の生活に使われたのか?
  • 長男が勝手に使っていたのではないか?
  • 遺言書がなかったため、父の意思が不明確

結果

家庭裁判所に持ち込まれ、兄弟間は完全に絶縁。通帳の出入金記録や医師の診断時期が重要な証拠となった。

教訓

親が認知症になる前に遺言書や財産管理の方針を明確にしておくことが大切。

事例②:遺産の取り分でもめた兄弟が絶縁したケース

状況

母親が中等度の認知症の状態で、公正証書遺言を作成。長女に自宅を相続させる内容だったが、長男が「母はそのときすでに判断できる状態ではなかった」と主張。

争点

  • 遺言作成時の認知症の進行具合
  • 公証人と医師の確認プロセスが適切だったか
  • 「公平感」に欠ける内容だったため感情的な対立が激化

結果

長男が遺言無効を訴えて裁判へ。公証人と医師の証言、記録が決め手となり遺言は有効とされたが、兄妹関係は完全に崩壊。

教訓

遺言書は内容の妥当性と同時に納得感も重要。家族内での事前説明や対話も欠かせない。

事例③:後見人制度の誤解が招いたトラブル

状況

父親が重度の認知症と診断され、長女が家庭裁判所に申し立てて後見人に就任。その後、長女が父の財産を適切に管理していたが、他の兄弟は「勝手に操作されている」と疑いの目を向ける。

争点

  • 後見人が勝手に遺産を動かしているのでは?という誤解
  • 父の過去の意思(遺言書)がなかったことによる不信感
  • 親族間で後見制度の仕組みが理解されていなかった

結果

兄弟間の不信が募り、協力体制が崩壊。長女は精神的に追い詰められ、後見人を辞任。

教訓

後見制度は有効な手段だが、家族間での理解・合意形成がなければ逆効果にもなり得る。そもそも、元気なうちに遺言書で意思を明確にしておけば、多くのトラブルは防げた可能性が高い。

事例④:生前贈与をめぐって兄弟間に不公平感が爆発

状況

次女が、母親が元気なうちから生活費の援助やマンション購入資金として数百万円の生前贈与を受けていた。母親が認知症を発症した後、兄弟たちがその事実を知り、「遺産の不公平だ」と猛反発。

争点

  • 生前贈与の有無と金額が家族に知らされていなかった
  • 遺言書がなく、相続分に対する不満が爆発
  • 贈与か“使い込み”かで見解が分かれた

結果

話し合いがこじれて、相続手続きが数年ストップ。家庭裁判所での調停の末、法定相続分よりも細かい条件をつけてようやく合意。

教訓

生前贈与も含め、財産の「見える化」と遺言による補足説明が重要。贈与記録や意図を明記することで、後の誤解を防げる。

事例⑤:介護を担った長女が「見返りがなかった」と激怒

状況


母親の介護を10年以上一手に担っていた長女。母親の死後、法定相続通りの分配になったことに納得がいかず、「私は介護してきたのに」と他の兄弟を責める。

争点

  • 長女の「寄与分」が認められるべきか
  • 遺言書も、母の気持ちを代弁する記録もなかった
  • 他の兄弟は「介護は好きでやったんだろう」と反論

結果

家庭裁判所で寄与分を一部認められたが、兄弟間の亀裂は修復されず。長女は「遺言書さえあれば…」と悔やんだという。

教訓


介護の貢献は遺言で言語化しておくことが大切。家族の感謝が可視化されないと、不満と誤解が生まれる。

事例⑥:内縁関係のパートナーが遺産トラブルに巻き込まれた

状況

父親が長年事実婚状態だった女性と同居していたが、法的な婚姻関係はなし。
父の死後、子どもたちが「この人には相続権はない」と主張し、家を追い出そうとした。

争点

  • 法的には内縁関係者には相続権がない
  • 父の生前の「この人に家を残したい」という口約束は証拠にならなかった
  • 遺言書がなければ、想いは実現できない

結果

パートナー女性は住んでいた家を退去し、泣く泣く引っ越し。父の気持ちを知る人間はいても、法的には無力だった。

教訓

法律で守られない関係でも、遺言があれば希望は叶えられた。「言ったつもり」では家族も本人も守れない。

まとめ:事例から学べる家族のリアル

6つの事例に共通するのは、

  • 遺言書がなかったこと
  • 判断能力が失われていたために、故人の意思が証明できなかったこと
  • 誤解や疑念、感情の衝突がエスカレートしたこと

つまり、争族はお金の問題であると同時に、準備の不足から起きているのです。

次のセクションでは、こうしたトラブルを未然に防ぐためにできる、4つの具体的な対策をご紹介します!

では、「じゃあ今から何ができるのか?」を具体的に紹介していきます!

セクション4:親がまだ元気なうちにやっておくべき4つの対策

「争族」は、事前のたった一歩で防げる

これまでの事例から分かる通り、相続トラブルの多くは「準備不足」から生まれます。

逆に言えば、たった一歩の備えで、ほとんどの争いは未然に防ぐことができるのです。

ここでは、親がまだ元気なうちに取り組んでおくべき「4つの具体的な対策」をご紹介します。

対策①:自筆証書遺言より公正証書遺言を選ぶ理由

遺言書にはいくつかの方式がありますが、特に信頼性が高いのが「公正証書遺言」です。

公正証書遺言のメリット

  • 公証人(法律のプロ)が作成・確認するため、形式不備がない
  • 遺言者の意思をきちんと聞き取り、記録に残す
  • 原本が公証役場に保管されるので、改ざん・紛失の心配がない
  • 相続時に「検認」が不要で、スムーズに手続きできる

自筆証書遺言のデメリット

  • 書式の不備で無効になるリスク
  • 本人の意思が疑われやすい
  • 家庭内で隠されたり、破棄されたりする可能性
    といった課題もあります。

「公正証書遺言+公証人の立ち会い」こそが、意思と信頼性を確保する最善の手段です。

対策②:親の意思確認を動画や録音で残す

法的には遺言書が基本ですが、本人の意思を証明する補助的な手段として、動画や録音の活用が注目されています。

特に、認知症の初期などで判断能力が疑われる可能性がある場合には、

  • 「私はこの内容で納得している」
  • 「誰かに強制されて書いているわけではない」

という言葉を、映像や音声で残しておくことで、遺言能力を証明する有力な材料になることもあります。

もちろん、動画自体に法的効力はありませんが、遺言の有効性を巡る争いが起きたときに、補助証拠として強く機能します。

「遺言能力」を後から証明するための自衛策として、動画記録は効果的です。

対策③:成年後見制度の限界を知っておく

認知症が進行した後のサポート制度として、「成年後見制度」があります。

これは、家庭裁判所が選任した後見人が、本人に代わって財産を管理したり、契約手続きを行ったりする制度です。

ただし、こんな限界も

  • 後見人は財産の管理はできても、分配や遺言のような本人の意思は代弁できない
  • 財産の使い方に厳格な制限がある(裁判所の許可が必要)
  • 家族間で後見人をめぐる不信感が生じるケースも多い

つまり、「後見人をつけたから安心」ではなく、そもそも“判断能力があるうちに意思表示=遺言をしておく必要があるのです。

成年後見制度はあくまで補完的な制度。本音と希望を残せるのは遺言書だけです。

対策④:専門家に相談することで見落としを防ぐ

遺言書の作成、認知症リスクの判断、相続対策…

どれも非常に繊細で、法律・税金・家族感情が絡む複雑な領域です。だからこそ、専門家の力を借りることが、最も確実で安心な道です。

相談すべき専門家の一例

  • ✅ 行政書士:遺言書の文案作成、公正証書遺言の手続き、遺産分割協議書の作成
  • ✅ 司法書士:不動産の名義変更(登記)、相続登記手続き
  • ✅ 弁護士:相続争いの防止、調停や訴訟対応
  • ✅ 税理士:相続税対策、節税プランの提案

専門家は、単に「書類を作る人」ではありません。

家族の関係や背景も含めて、最も角が立たない形を提案してくれる存在です。

「法律の話を感情に合わせて翻訳してくれる」のが、良い専門家の力です。

まとめ:遺言は「想い」と「備え」の両方を支える

これら4つの対策は、いずれも難しいことではありません。

しかし、「まだ大丈夫」と思っているうちは、なかなか行動に移されにくいのが現実です。

だからこそ、

  • 「元気な今のうち」に
  • 「家族みんなの未来のため」に
  • 「親の想いをきちんと残すため」に

まず一歩、動き出してみてください。

セクション5:遺言と認知症に関するよくある質問

認知症と遺言書に関しては、「そもそもどうなの?」「こんなケースは?」といった疑問が非常に多いテーマです。

ここでは、よく寄せられる質問をピックアップし、専門的な視点でわかりやすくお答えしていきます。

Q1:認知症と診断されたら、もう遺言は作れないのですか?

A:必ずしもそうではありません。

認知症と診断されていても、遺言書作成時に判断能力が残っていれば、有効な遺言書を作ることは可能です。医師の診断書や、意思確認の記録(動画・音声など)があると、トラブル防止につながります。

ただし、判断能力がどの程度残っているかは専門家や医師でも判断が難しいため、少しでも早い段階で準備することが理想的です。

Q2:遺言書があっても、家族が納得しなければ無意味ですか?

A:遺言書は法的に強い効力がありますが、「納得感」は別問題です。

たとえば、公正証書遺言で法的に完璧だったとしても、

  • なぜこの人に多く残したのか
  • どうしてこの財産は除外されたのか

などの説明がないと、家族間の感情的な対立を招く可能性はあります。

だからこそ、内容だけでなく「説明」と「共有」が大切です。専門家と相談しながら、家族にもある程度の意図を伝えることが理想です。

Q3:親が「遺言なんて書かなくても、家族で話し合えばいい」と言っています…

A:その気持ちはわかりますが、現実には話し合いが難しいケースが多数です。

相続が絡むと、

  • 金額が大きくなる
    -感情や過去の不満が引きずられる
    -「公平」と「平等」のズレが生じる

といった理由で、冷静な話し合いが困難になることが多いです。

特に、本人がいなくなったあとでは「何を望んでいたのか」が確認できないため、遺言書という明文化された意思が重要になります。

Q4:親が書いた自筆証書遺言がありますが、これで安心ですか?

A:形式が整っていれば有効ですが、検認が必要で、リスクもあります。

自筆証書遺言は費用がかからず手軽ですが、

  • 書き方に不備があると無効になる
  • 偽造や改ざんのリスク
  • 検認(家庭裁判所での手続き)が必要で時間がかかる

などの注意点があります。

さらに、「法務局の保管制度」を利用していない場合、相続人が勝手に破棄・隠匿してしまう可能性もゼロではありません。

より確実でスムーズな手続きのためには、公正証書遺言を検討しましょう。

Q5:相続税対策も一緒に考えたほうがいいの?

A:はい、遺言と相続税は密接に関係しています。

相続税は、「誰が」「何を」「どれだけ」相続するかによって、税額・控除・特例の適用が大きく変わります。遺言書によって財産分けを指示することは、相続税の節税にも直結する可能性があるのです。

遺言作成と同時に、税理士など専門家と連携して相続対策を進めることがベストです。

Q6:認知症が進行する前に、家族でやっておいたほうがいいことは?

A:以下の3つを優先的におすすめします。

  1. 遺言書の作成(できれば公正証書で)
  2. 財産の把握と一覧化(通帳、不動産、借入など)
  3. 家族内での話し合いの場づくり(最低限の意志共有)

この3つがそろえば、たとえ今後認知症が進行しても、「故人の意思」と「家族の行動」が一致した相続」が可能になります。

まとめ:疑問の放置が争いの種になる

遺言や相続、認知症の話は、誰もが最初はよくわからなくて当然です。

ですが、そのままにしておくと、あとで取り返しがつかない後悔につながることも。

だからこそ、

  • 疑問が出てきたらすぐに調べる
  • 必要であれば専門家に聞く
  • 家族と少しずつでも共有する

こうした一歩一歩の積み重ねが、「争族の回避」へとつながっていきます。

次のセクションでは、本記事のまとめと、最後にあなたに伝えたいメッセージをお届けします。

セクション6:いま行動すれば、家族の未来は守れる

「まだ大丈夫」と思っているうちに、手遅れになる

相続や遺言の話は、「元気なうちに話題にするのは気が引ける」「タイミングが難しい」と後回しにされがちです。

ですが、現実はそのときはある日突然やってくるのです。そして、いざ親が認知症を発症してしまえば、法的にも感情的にも、「意思確認」ができなくなります。

そのとき家族は、

  • あのとき話し合っておけばよかった
  • きちんと遺言書を残してもらえばよかった
  • せめて専門家に一度だけでも相談していれば…

と、後悔と葛藤の中で、複雑な相続手続きを進めることになります。

遺言書は「家族へのラストメッセージ」

遺言書は、単なる財産分けの道具ではありません。

それは、親が子へ、家族へ、「ありがとう」「これからも仲良く」「迷惑かけたね」という、言葉にならない想いを形にするメッセージでもあります。

だからこそ、

  • 争いを防ぐ
  • 家族の関係を守る
  • 親の人生を締めくくる“選択”にする

ためにも、遺言書はできるだけ早く、確実に、準備しておくべきなのです。

あなたにできる今すぐの一歩とは?

難しいことをいきなり始める必要はありません。今日、これを読んだ今この瞬間から、できることがあります。

  • まずは、親に「今のうちに話しておかない?」と声をかける
  • 財産や相続について、家族でざっくりと情報を共有する
  • 専門家(行政書士・司法書士など)に無料相談してみる

どんな一歩でも、あなたが踏み出せば、家族の未来は確実に変わります。

まとめ

  • 認知症になると、遺言書の作成が難しくなる
  • 判断能力があるうちに遺言書を準備することが何より重要
  • 多くの争族は、たった1枚の遺言書で防げる
  • 公正証書遺言+動画記録+専門家の関与で、より安全に
  • 後悔しないために、今この瞬間から動き出そう

最後に

相続の準備とは、「家族を守るための愛ある行動」です。

それは親のためであり、兄弟のためであり、そして未来の自分のためでもあります。不安や面倒を先延ばしにせず、今日から一歩踏み出してみてください。


あなたのその行動が、きっと家族の笑顔と安心につながるはずです。