遺言書を作成しようと考えたとき、気になるのが「どのくらい費用がかかるのか」という点ではないでしょうか。
遺言書は、自分で作成することも、行政書士などの専門家に作成をサポートしてもらうこともできます。また、自筆証書遺言と公正証書遺言では、必要となる費用の種類も異なります。
自分で作成すれば費用を抑えられますが、書き方や内容に不備が生じる可能性があります。一方、専門家に依頼する場合は報酬が必要になるものの、遺言書の内容を整理したり、作成に必要な準備を進めたりする負担を軽減できます。
この記事では、遺言書の作成方法ごとの費用の違い、行政書士などの専門家に依頼する場合の費用の内訳、費用を抑えるための選択肢について解説します。
ご自身に合った遺言書の作成方法を検討する際の参考にしてください。

目次
①:遺言書の作成方法によって費用はどう違う?
遺言書の作成費用は、どの方法で作成するかによって異なります。
自筆証書遺言は、ご自身で作成するため、専門家に依頼しなければ作成報酬はかかりません。一方、公正証書遺言は、公証人が作成するため、公証人手数料などが必要になります。
また、どちらの方法でも、行政書士などの専門家に作成をサポートしてもらう場合には、別途報酬が発生します。
まずは、作成方法ごとにどのような費用が必要になるのかを比較してみましょう。
| 作成方法 | 主な費用 | 特徴 |
|---|---|---|
| 自筆証書遺言 | 専門家に依頼する場合の報酬 | 自分で作成すれば費用を抑えられる |
| 自筆証書遺言+法務局保管制度 | 保管申請手数料、専門家に依頼する場合の報酬 | 紛失や改ざんのリスクを減らせる |
| 公正証書遺言 | 公証人手数料、証人費用、専門家に依頼する場合の報酬 | 公証人が関与して作成する |

公正証書遺言の費用と特徴
公正証書遺言は、自筆証書遺言より費用がかかりますが、形式不備による無効のリスクを抑えられる作成方法です。
公証人が法律で定められた方式に従って作成し、原本も公証役場で保管されるためです。また、相続開始後の家庭裁判所での検認も必要ありません。
作成時には、主に次の費用が発生します。
- 公証人手数料:財産の価額や財産を受け取る人などによって異なります。詳しくは日本公証人連合会の「公正証書遺言の作成手数料」をご確認ください。
- 証人費用:証人を外部に依頼する場合の謝礼など
- 専門家報酬:行政書士などに文案作成や公証役場との調整を依頼する場合の費用
このように、公正証書遺言の費用は、財産の内容や依頼するサポートの範囲によって異なります。
自筆証書遺言の費用と特徴
自筆証書遺言は、専門家に依頼せず、ご自身で作成すれば費用をほとんどかけずに用意できる遺言書です。
公証人を介さずに作成できるため、公証人手数料や証人費用がかかりません。ただし、法律で定められた方式を守る必要があり、書き方に不備があると無効になる可能性があります。
例えば、作成方法によって必要な費用や手続きが異なります。
- 自分で作成する場合:基本的に専門家への報酬は不要
- 行政書士などに依頼する場合:下書き作成などのサポート報酬が必要
- 自宅で保管する場合:保管費用は不要。ただし、原則として相続開始後に家庭裁判所での検認が必要
自筆証書遺言は費用を抑えやすい反面、作成時の不備や保管方法に注意が必要です。
自筆証書遺言+法務局保管制度の費用と特徴
自筆証書遺言を法務局に預ける場合は、保管申請手数料が必要ですが、紛失や改ざんのリスクを軽減できます。
法務局が遺言書の原本を保管するため、自宅で保管する場合よりも安全性が高まり、相続開始後の家庭裁判所での検認も不要になります。
主な費用と注意点は次のとおりです。
- 保管申請手数料:法務局への申請時に必要です。具体的な金額は法務局保管制度の解説記事をご確認ください。
- 専門家報酬:行政書士などに遺言書の下書き作成を依頼する場合に発生
- 内容の有効性:法務局では遺言書の内容の法的有効性までは審査しない
なお、法務局の保管制度を利用しても、遺言書の内容が必ず有効になるわけではありません。作成時には法律で定められた要件を守る必要があります。なったり争いの原因になる可能性は残ります。
遺言書は法務局に預けるだけで安心?制度の落とし穴と本当に安全な方法
結局、遺言書作成費用はいくら見ておけばいい?
遺言書の作成費用を比較する際は、作成方法だけでなく、専門家に依頼する範囲も確認することが大切です。
同じ自筆証書遺言でも、自分で作成する場合と、行政書士などに下書き作成を依頼する場合では費用が異なります。
主な違いを整理すると、次のようになります。
| 重視すること | 向いている方法 | 主な費用 |
|---|---|---|
| 費用をできるだけ抑えたい | 自筆証書遺言を自分で作成 | 基本的に作成報酬は不要 |
| 紛失や改ざんを防ぎたい | 自筆証書遺言+法務局保管制度 | 保管申請手数料 |
| 文章の作成を専門家に任せたい | 自筆証書遺言+行政書士のサポート | 専門家報酬 |
| 公証人に作成してもらいたい | 公正証書遺言 | 公証人手数料・証人費用・必要に応じて専門家報酬 |
具体的なサポート内容と料金は、以下のページでご案内しています。
自筆証書遺言を検討している方
下書き作成のサポート内容と料金をご案内しています。
公正証書遺言を検討している方
公証役場との調整を含むサポート内容と料金をご案内しています。
②:遺言書を安く済ませたい人が失敗する3つの理由
遺言書は、作成費用を抑えることだけを優先すると、相続開始後に問題が生じる可能性があります。
法律で定められた方式を満たしていなかったり、財産の分け方が曖昧だったりすると、遺言者の希望どおりに財産を引き継げない場合があるためです。
特に注意したいのは、次の3つです。
- 書き方の不備で遺言書が無効になる
- 遺言書が見つからず、相続手続きに使えない
- 遺言書の内容が原因で家族間のトラブルになる
それぞれのケースを確認していきましょう。

(1)書き方のミスで無効になる
自筆証書遺言は、書き方に不備があると、遺言書そのものが無効になる可能性があります。
法律で定められた方式を満たす必要があり、本人の意思が明確であっても、形式上の不備によって効力が認められない場合があるためです。
例えば、次のようなケースです。
- 日付が「令和○年○月吉日」と記載されている
- 遺言者本人の署名や押印がない
- パソコンで作成した本文を印刷して署名している
費用を抑えて自分で作成する場合でも、法律で定められた方式を正しく理解しておくことが重要です。という事態になります。
(2)遺言書が見つからない・使えない
自筆証書遺言は、正しく作成しても、保管方法によっては相続開始後に活用できない場合があります。
自宅で保管していると、家族が遺言書の存在や保管場所を知らず、発見できない可能性があるためです。
例えば、次のようなケースです。
- 遺言書を引き出しに保管していたが、家族が存在を知らなかった
- 遺品整理の際に、重要な書類と気づかず処分してしまった
- 遺言書が見つかっても、紛失や改ざんをめぐって疑いが生じた
こうしたリスクを減らす方法として、法務局の自筆証書遺言書保管制度があります。
(3)内容が原因で家族トラブルになる
遺言書は、法律で定められた方式を満たしていても、内容によっては相続人同士のトラブルにつながる場合があります。
財産の分け方が曖昧だったり、特定の相続人に財産が偏っていたりすると、遺言者の意思とは異なる解釈や不満が生じる可能性があるためです。
例えば、次のようなケースです。
- 「長男に自宅を相続させる」と記載したが、対象となる不動産が明確でない
- 特定の子どもにすべての財産を残したことで、他の相続人との間で遺留分をめぐる問題が生じた
- 財産の分け方は決めたものの、遺言書に記載されていない財産が残ってしまった
こうした問題を防ぐには、財産を正確に把握し、誰に何を残すのかを明確にしておくことが重要です。
失敗の共通点は「安さ優先」
遺言書の作成では、費用を抑えること自体が問題なのではなく、費用だけを基準に作成方法を選ぶことに注意が必要です。
遺言書は、法律上有効であることに加え、相続開始後に遺言者の意思を実現できる内容になっていることが重要だからです。
例えば、自分で作成して費用を抑えられても、財産の記載が曖昧だったり、遺言書が発見されなかったりすれば、希望どおりの相続が実現しない可能性があります。
作成費用だけでなく、内容の正確さや保管方法も含めて判断することが大切です。
遺言書の作成費用は何のために必要?
遺言書の作成費用は、単に書類を作るためだけでなく、作成時の負担や将来のリスクを減らすための費用でもあります。
専門家のサポートを受けることで、財産の整理や遺言書の文案作成を任せられるほか、公正証書遺言では公証人が関与することで形式不備のリスクを抑えられるためです。
例えば、行政書士に自筆証書遺言の下書き作成を依頼すれば、希望する財産の分け方を文章にまとめる負担を軽減できます。
費用を比較する際は、金額だけでなく、どこまでサポートを受けられるのかを確認することが大切です。
次の章では、「自分で作るべきか?専門家に依頼すべきか?」について、具体的な判断基準をわかりやすく解説していきます。
失敗しない遺言の書き方|自筆・公正証書の違いと文例・チェックリスト付き
③:自分で作る?専門家に依頼?判断基準をわかりやすく解説
遺言書を自分で作るか、専門家に依頼するかは、費用だけでなく、財産や家族の状況に応じて判断することが大切です。
自筆証書遺言は費用を抑えやすい一方、法律で定められた方式に従って作成する必要があります。専門家に依頼すれば、内容の整理や文案作成などのサポートを受けられます。
例えば、次のようなケースが考えられます。
- 自分で作成する:財産や家族関係が比較的シンプルで、書き方を理解している
- 行政書士に依頼する:財産の分け方は決まっているが、遺言書の文章を作るのが難しい
- 弁護士に相談する:相続人との間で争いが生じている、または法的な紛争が予想される
それぞれの方法が向いているケースを詳しく見ていきましょう。

自分で自筆証書遺言を作成するのが向いているケース
財産や家族関係が比較的シンプルで、遺言書の書き方を理解している方は、自分で作成する方法も選択肢になります。
自筆証書遺言は、公証人や専門家に依頼せずに作成できるため、費用を抑えられるからです。
例えば、次のようなケースです。
- 財産が預貯金中心で、分け方が明確になっている
- 相続人が少なく、家族関係が複雑ではない
- 法律で定められた作成方式を理解し、自分で文章を作成できる
ただし、家族関係がシンプルでも、書き方や内容に不備があれば問題が生じる可能性があります。費用だけで判断せず、遺言書を正しく作成できるか確認することが大切です。
法務局保管制度の利用が向いているケース
自筆証書遺言を作成し、紛失や改ざんのリスクを減らしたい方には、法務局の自筆証書遺言書保管制度が向いています。
法務局が遺言書の原本を保管し、相続開始後の家庭裁判所での検認も不要になるためです。
例えば、次のようなケースです。
- 自宅で遺言書を保管することに不安がある
- 遺言書の紛失や改ざんを防ぎたい
- 相続開始後の家族の手続き負担を減らしたい
ただし、法務局では遺言書の内容の法的有効性までは審査しません。保管制度を利用する場合も、遺言書の内容や書き方には注意が必要です。
専門家への依頼が向いているケース
遺言書の内容を自分でまとめることが難しい場合や、家族関係・財産の状況が複雑な場合は、専門家への相談が向いています。
専門家のサポートを受けることで、遺言書の文案作成や必要な情報の整理を進めやすくなるためです。
例えば、次のようなケースです。
- 誰に何を残すか決まっているが、遺言書の文章を作れない
- 不動産や預貯金など、複数の財産を整理する必要がある
- 相続人が誰になるのか分からず、調査が必要
- 家族関係が複雑で、遺留分などの問題が心配
なお、専門家によって対応できる業務は異なります。遺言書の下書き作成や相続人調査は行政書士に相談できますが、相続人間の紛争に関する法律相談や交渉が必要な場合は、弁護士への相談が適切です。
判断に迷ったときのシンプルな基準
遺言書の作成方法に迷った場合は、「自分でどこまで準備できるか」を基準に考えると選びやすくなります。
作成方法によって、必要な費用だけでなく、専門家に任せられる範囲や自分で行う手続きが異なるためです。
例えば、次のように整理できます。
- 自分で文章を作成できる:自筆証書遺言を検討する
- 文章の作成を任せたい:行政書士による下書き作成サポートを検討する
- 公証人に作成してもらいたい:公正証書遺言を検討する
- 相続人間の争いが心配:弁護士への相談を検討する
費用だけでなく、自分に必要なサポートを見極めることが大切です。
専門家への依頼費用はサポート内容によって異なる
遺言書の作成を専門家に依頼する場合、費用は依頼する業務の範囲によって異なります。
遺言書の下書き作成だけを依頼する場合と、相続人調査や公証役場との調整まで任せる場合では、必要な作業が異なるためです。
例えば、行政書士に依頼する場合、次のようなサポートがあります。
- 下書き作成:希望する財産の分け方を遺言書の文章にまとめる
- 相続人調査:戸籍謄本等を取得し、推定相続人を確認する
- 公正証書遺言の作成支援:文案作成や公証役場との調整を行う
専門家を選ぶ際は、料金だけでなく、必要なサポートが含まれているかを確認することが大切です。
次の章では、行政書士・司法書士・弁護士それぞれの業務内容と、依頼費用の違いについて解説します。
「遺言書は紙で、心はデジタルで」法的に有効な遺言と想いの伝え方完全ガイド
④:遺言書の作成を依頼する専門家と費用の違い
遺言書の作成を専門家に依頼する場合は、費用だけでなく、それぞれの専門家が対応できる業務を確認することが大切です。
行政書士・司法書士・弁護士では、対応できる業務や依頼するサポートの範囲が異なるため、必要な費用にも違いが生じます。
例えば、遺言書の下書き作成を依頼する場合、不動産の相続登記まで相談する場合、相続人同士の紛争について相談する場合では、適した依頼先が異なります。
ここからは、専門家ごとの特徴と依頼費用の違いを解説します。

行政書士に依頼する場合の費用とサポート内容
行政書士への依頼費用は、遺言書の種類やサポート内容によって異なります。
自筆証書遺言の下書き作成だけでなく、相続人調査や公正証書遺言の作成支援など、依頼する業務の範囲によって必要な作業が変わるためです。
例えば、次のようなサポートがあります。
- 自筆証書遺言の下書き作成:本人の希望を遺言書の文章にまとめる
- 相続人調査:戸籍謄本等を取得し、推定相続人を確認する
- 公正証書遺言の作成支援:文案作成や公証役場との調整を行う
なお、行政書士の報酬は事務所ごとに異なります。依頼する際は、料金だけでなく、どこまでの業務が含まれているかを確認しましょう。ょうどよい選択肢といえるでしょう。
司法書士に依頼する場合の費用とサポート内容
遺言書に不動産を記載する場合は、司法書士への相談も選択肢になります。
司法書士は登記の専門家であり、不動産の登記情報や権利関係の確認を依頼できるためです。
例えば、次のようなケースです。
- 遺言書に記載する土地や建物の登記情報を確認したい
- 不動産の所有者や共有持分を確認したい
- 抵当権などの権利関係を確認したい
なお、遺言書の作成支援については、事務所ごとに対応範囲や報酬が異なるため、事前に確認しましょう。
弁護士に依頼する場合の費用とサポート内容
遺言書の作成にあたり、法的な問題が予想される場合は、弁護士への相談が適しています。
弁護士は法律問題全般を扱う専門家であり、遺言内容の法的な検討や、紛争を見据えた助言を受けられるためです。
例えば、次のようなケースです。
- 遺留分への配慮:特定の人に財産を多く残したい場合
- 複雑な家族関係:再婚や前婚の子どもがいる場合
- 紛争の予防:遺言内容をめぐる争いが予想される場合
弁護士への依頼費用は、相談内容や必要な対応によって異なります。依頼する際は、サポート範囲と報酬を確認しましょう。ます。
公正証書遺言で専門家報酬とは別に必要な費用
公正証書遺言を作成する場合、行政書士などの専門家報酬とは別に、公証人手数料や証人費用が必要です。
公正証書遺言は公証人が作成し、原則として証人2名の立ち会いが必要になるためです。
主な費用は次のとおりです。
- 公証人手数料:財産の価額や財産を受け取る人などによって異なる
- 証人費用:証人を外部に依頼する場合の謝礼
- 公証人の出張費用:病院や自宅などへの出張を依頼する場合に発生
公証人手数料の詳しい内容は、日本公証人連合会の「公正証書遺言の作成手数料」をご確認ください。
証人になれる人の条件や、家族に依頼できるかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
遺言公正証書の証人は家族でもOK?リスクと専門家に頼む理由を徹底解説
遺言書の作成はどの専門家に依頼すればよい?
遺言書の作成を専門家に依頼する場合は、費用だけでなく、相談したい内容に合った専門家を選ぶことが大切です。
専門家によって対応できる業務や得意分野が異なるためです。
例えば、次のように整理できます。
- 行政書士:遺言書の下書き作成や公正証書遺言の作成準備を依頼したい場合
- 司法書士:遺言書に記載する不動産の登記情報や権利関係についても確認したい場合
- 弁護士:遺言内容について法的な争いが予想される場合
遺言書の作成支援が目的であれば、まずは行政書士への相談が選択肢になります。紛争に関する法律相談が必要な場合は、弁護士への相談を検討しましょう。
専門家への依頼費用を比較する際のポイント
専門家への依頼費用は、金額だけでなく、必要なサービスが含まれているかで判断することが大切です。
同じ遺言書作成サポートでも、文案作成だけの場合と、相続人調査や公証役場との調整まで含む場合では、業務内容が異なるためです。
例えば、依頼前には次の点を確認しましょう。
- 文案作成:遺言書の下書き作成が含まれるか
- 相続人調査:戸籍の取得や推定相続人の確認が含まれるか
- 公証役場との調整:公正証書遺言の作成手続きをサポートしてもらえるか
- 追加費用:別途報酬や実費が発生する条件は何か
料金とサポート内容をあわせて確認することで、自分に合った依頼先を選びやすくなります。
次の章では、実際にどのくらいの費用になるのかを、具体的なケース別にシミュレーションしながら解説していきます。
【遺言公正証書の費用】内訳と抑制ポイントを徹底解説
⑤:実際いくらかかる?リアルな費用シミュレーション
遺言書の作成費用は、財産の内容や家族構成、選択する作成方法によって異なります。
特に公正証書遺言では、財産の価額や財産を受け取る人によって公証人手数料が変わり、専門家に依頼する場合は別途報酬が必要になるためです。
ここでは、次の3つのケースをもとに費用を比較します。
- ケース(1):財産3,000万円・シンプルな家族構成
- ケース(2):財産2,000万円・子どもがいない場合
- ケース(3):財産4,000万円・不動産が中心の場合
※以下の金額は一般的な費用を想定したシミュレーションであり、当事務所のサービス料金ではありません。実際の費用は個別の条件によって異なります。

ケース(1):財産3,000万円・シンプルな家族構成の場合
財産3,000万円を配偶者と子ども2人に残すケースを考えます。
【想定条件】
- 財産:預貯金と自宅で合計3,000万円
- 家族:配偶者と子ども2人
- 財産の配分:配偶者に2,000万円、子ども2人にそれぞれ500万円
自筆証書遺言の場合
自分で作成すれば、専門家への報酬はかかりません。ただし、作成方式や遺言内容には注意が必要です。
法務局保管制度を利用する場合
自筆証書遺言の保管申請手数料が必要です。法務局で保管されるため、紛失や改ざんのリスクを軽減できます。
公正証書遺言の場合
上記の配分を前提とすると、公証人手数料は次のようになります。
| 内訳 | 手数料 |
|---|---|
| 配偶者(2,000万円) | 26,000円 |
| 子ども①(500万円) | 13,000円 |
| 子ども②(500万円) | 13,000円 |
| 遺言加算 | 13,000円 |
| 合計 | 65,000円 |
※2025年10月1日施行の手数料制度に基づく試算です。証書の枚数等による追加手数料、証人謝礼、専門家報酬などは含みません。
専門家に作成支援を依頼する場合は、別途報酬が必要になります。
ケース(2):財産2,000万円・子どもがいない(兄弟相続)の場合
財産2,000万円を配偶者と兄弟に残すケースを考えます。
【想定条件】
- 財産:預貯金を中心に合計2,000万円
- 家族:配偶者と兄1人(子ども・直系尊属はいない)
- 財産の配分:配偶者に1,500万円、兄に500万円
自筆証書遺言の場合
自分で作成すれば、専門家への報酬はかかりません。ただし、誰にどの財産を残すのか、遺言書の内容を明確にする必要があります。
法務局保管制度を利用する場合
保管申請手数料が必要です。紛失や改ざんのリスクは軽減できますが、遺言内容の法的有効性が保証されるわけではありません。
公正証書遺言の場合
上記の配分を前提とすると、公証人手数料は次のようになります。
| 内訳 | 手数料 |
|---|---|
| 配偶者(1,500万円) | 26,000円 |
| 兄(500万円) | 13,000円 |
| 遺言加算 | 13,000円 |
| 合計 | 52,000円 |
※2025年10月1日施行の手数料制度に基づく試算です。証書の枚数等による追加手数料、証人謝礼、専門家報酬などは含みません。
専門家に作成支援を依頼する場合は、別途報酬が必要になります。
遺言書作成にかかる行政書士費用を徹底解説|費用相場と依頼のメリットとは?
ケース(3):財産4,000万円・不動産が中心の場合
自宅不動産を中心とする財産4,000万円を、配偶者と子ども2人に残すケースを考えます。
【想定条件】
- 財産:自宅不動産3,000万円、預貯金1,000万円
- 家族:配偶者と子ども2人
- 財産の配分:配偶者に自宅不動産3,000万円、子ども2人に預貯金をそれぞれ500万円
自筆証書遺言の場合
自分で作成すれば、専門家への報酬はかかりません。ただし、不動産を正確に特定するため、登記情報などを確認する必要があります。
法務局保管制度を利用する場合
保管申請手数料が必要です。紛失や改ざんのリスクを軽減できますが、不動産の記載内容や遺言の法的有効性が保証されるわけではありません。
公正証書遺言の場合
上記の配分を前提とすると、公証人手数料は次のようになります。
| 内訳 | 手数料 |
|---|---|
| 配偶者(3,000万円) | 26,000円 |
| 子ども①(500万円) | 13,000円 |
| 子ども②(500万円) | 13,000円 |
| 遺言加算 | 13,000円 |
| 合計 | 65,000円 |
※2025年10月1日施行の手数料制度に基づく試算です。不動産の価額は手数料計算上の評価額と仮定しています。証書の枚数等による追加手数料、証人謝礼、専門家報酬などは含みません。
専門家に作成支援を依頼する場合は、別途報酬が必要になります。
シミュレーションからわかること
遺言書の作成費用は、財産の総額だけで決まるわけではありません。
公正証書遺言では、財産を受け取る人ごとの価額に応じて公証人手数料が計算されるためです。
今回の3つのケースを比較すると、次のようになります。
| ケース | 財産総額 | 公証人手数料 |
|---|---|---|
| ① 配偶者と子ども2人 | 3,000万円 | 65,000円 |
| ② 配偶者と兄1人 | 2,000万円 | 52,000円 |
| ③ 配偶者と子ども2人(不動産中心) | 4,000万円 | 65,000円 |
ケース①と③では、財産総額に1,000万円の差がありますが、公証人手数料は同じです。
また、専門家に作成支援を依頼する場合は、サポート内容に応じた報酬が別途必要になります。
遺言書の作成費用を検討する際は、財産の総額だけでなく、財産の配分方法や依頼するサービスの範囲も確認しましょう。
IT行政書士事務所では、自筆証書遺言と公正証書遺言、それぞれの作成をサポートしています。
サービス内容と具体的な料金は、以下のページでご確認いただけます。
自筆証書遺言を検討している方
公正証書遺言を検討している方
⑥:遺言書作成費用に関するよくある質問(Q&A)
遺言書の作成費用については、専門家への依頼費用だけでなく、保管や作成後の手続きに関する疑問もあります。
ここでは、遺言書の作成を検討している方からよく寄せられる質問について解説します。
Q. 遺言書は何歳から作れますか?
遺言書は、満15歳から作成できます。
民法第961条により、15歳に達した人は遺言をすることが認められているためです。
例えば、未成年者でも15歳以上で遺言能力があれば、親権者の同意を得ずに作成できます。ただし、年齢にかかわらず、作成時には遺言の内容や結果を理解できる能力が必要です。
Q. 遺言書は書き直すことができますか?
遺言書は、何度でも書き直すことができます。
遺言者は生前、法律で定められた方式に従って、遺言の全部または一部を撤回できるためです。
例えば、財産の内容や家族構成が変わった場合には、新たな遺言書を作成できます。新旧の遺言内容が抵触する部分については、原則として後の遺言が優先されます。
Q. 自筆証書遺言の検認費用はいくらかかりますか?
家庭裁判所での検認には、収入印紙や郵便切手などの費用が必要です。
検認の申立手数料は遺言書1通につき収入印紙800円で、郵便切手代は家庭裁判所によって異なります。
なお、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合は、家庭裁判所での検認は不要です。
Q. 公正証書遺言の証人費用はいくらですか?
公正証書遺言の証人費用は、証人を誰に依頼するかによって異なります。
公正証書遺言には原則として証人2名の立ち会いが必要ですが、謝礼の金額が法律で一律に定められているわけではないためです。
例えば、証人になれる知人に無償で協力してもらう場合と、専門家や公証役場を通じて紹介された証人に依頼する場合では、費用が異なります。
Q. 法務局で遺言書を保管すると安心ですか?
法務局の保管制度を利用すると、遺言書の紛失や改ざんのリスクを軽減できます。
法務局が遺言書の原本を保管し、家庭裁判所での検認も不要になるためです。
ただし、法務局では遺言内容の法的有効性までは審査しません。保管制度を利用しても、遺言書の内容や書き方には注意が必要です。
Q. 専門家には相談だけでもできますか?
遺言書の作成を正式に依頼する前に、専門家へ相談することもできます。
相談だけを受け付けている事務所や、初回相談を無料としている事務所もあります。
例えば、「自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらがよいか」「専門家に依頼するとどのような費用が必要か」といった疑問を相談できます。
ただし、無料相談の有無や相談時間、対応範囲は事務所によって異なるため、事前に確認しましょう。

まとめ|遺言書作成費用で失敗しないために
遺言書の作成費用は、金額の安さだけでなく、自分に必要なサポートとのバランスで判断することが大切です。
自筆証書遺言は費用を抑えやすい一方、公正証書遺言は公証人が関与するため、形式不備による無効のリスクを軽減できます。
作成方法を選ぶ際は、次の点を確認しましょう。
- 費用を抑えたい場合:自筆証書遺言を検討する
- 文章の作成に不安がある場合:行政書士などの作成支援を検討する
- 公証人に作成してもらいたい場合:公正証書遺言を検討する
- 紛争が予想される場合:弁護士への相談を検討する
遺言書は、作成することだけが目的ではありません。ご自身の意思を適切に残せる方法を選ぶことが重要です。
遺言書の作成をお考えの方へ
IT行政書士事務所では、自筆証書遺言と公正証書遺言の作成をサポートしています。
ご希望に合ったサービスの内容・料金をご確認ください。
自筆証書遺言を検討している方
公正証書遺言を検討している方
※当サイトの事例紹介は、お客様のプライバシー保護および守秘義務遵守のため、過去の一般的な相談傾向をもとに構成した架空のモデルケース(フィクション)であり、特定の個人・法人の実例ではございません。

