親が亡くなり、実家を兄弟で相続した結果、「共有名義」になってしまった。
そんな状況に心当たりはありませんか?
「売って現金で分けたい」と考える人がいる一方で、
「思い出があるから残したい」と主張する人もいる。
あるいは、
・共有者の一人と連絡が取れない
・話し合いを持ちかけても応じてもらえない
・意見が対立して話が進まない
このように、共有名義の不動産は思った以上にスムーズに処分できないケースが多くあります。
さらに問題なのは、「とりあえずこのままでいいか」と放置してしまうことです。
共有状態を放置すると、固定資産税の負担や空き家リスクだけでなく、相続が重なることで権利関係が複雑化し、将来的に解決がより困難になる可能性があります。
では、共有名義の不動産はどのように分割すればよいのでしょうか?
また、話し合いができない場合でも、解決する方法はあるのでしょうか?
この記事では、相続によって共有名義となった不動産について、
- 分割の具体的な方法
- 進め方(何から始めるべきか)
- 話し合いができない場合の対処法
を中心に、実務的な視点でわかりやすく解説します。
「このままではまずいかもしれない」と感じている方が、
次に取るべき行動が明確になる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次
①:共有名義の分割が必要な理由とは?放置リスクを解説
共有名義の不動産は、一見すると「みんなで公平に持っている状態」に見えるかもしれません。
しかし実際には、放置することでさまざまな問題が発生しやすい状態でもあります。
ここでは、なぜ共有名義の分割が必要なのか、その理由とリスクを具体的に解説します。
1. 不動産の処分には共有者全員の同意が必要
共有名義の最大の問題は、不動産を自由に動かせないことです。
たとえば、
- 売却したい
- 賃貸に出したい
- リフォームしたい
といった場合、原則として共有者全員の同意が必要になります。
つまり、1人でも反対すれば
何も決められない状態になります。
実際によくあるのが、
「売りたい人」と「残したい人」で意見が対立し、話が止まってしまうケースです。
この状態になると、不動産は“使えない資産”になってしまいます。

持分割合によってできること・できないこと
共有名義の不動産では、持分割合に応じて「できること」と「できないこと」が明確に分かれています。
| 行為 | 必要な同意 |
|---|---|
| 自分の持分の売却 | 不要(単独で可能) |
| 固定資産税の支払い・簡単な管理 | 持分の過半数 |
| 賃貸・大規模修繕 | 原則として全員の同意 |
| 不動産の売却・担保設定 | 共有者全員の同意 |
このように、不動産全体に影響する行為ほど、強い同意が必要になるのが特徴です。
特に「売却」は全員の同意が必要なため、
1人でも反対すると前に進めなくなります。
【注意】持分が50%ずつの場合はどうなる?
ここで注意が必要なのが、共有者が2人で持分が50%ずつの場合です。
管理行為(例:維持・軽微な修繕など)は「過半数の同意」で決定できますが、
50%ずつの場合はどちらも過半数を満たさないため、単独では何も決められません。
つまり、
意見が一致しない限り、管理行為すら進められない状態になります。
このようなケースでは、
一方が何も動かない
もう一方も何もできない
という“完全な膠着状態”に陥ることもあります。
さらに問題なのは、この状態が続くことで不動産の管理が行き届かなくなる点です。
本来であれば、以下のような対応を継続して行う必要があります。
- 建物の修繕
- 設備のメンテナンス
- 定期的な管理
しかし、これらは「管理行為」にあたり、過半数の同意が必要です。
持分が50%ずつの場合は過半数が成立しないため、こうした対応すら進められないケースがあります。
その結果、不動産は徐々に悪化していきます。
- 建物の老朽化が進む
- 空き家状態が長引く
- 近隣トラブルや安全リスクが高まる
このように、共有名義の不動産は
何もできないまま価値だけが下がっていく状態に陥りやすいのです。
そのため、持分が均等に分かれている共有名義は、特にトラブルになりやすい構造といえます。りやすい構造といえます。
2. 固定資産税や維持費の負担で揉めやすい
共有名義の不動産では、固定資産税や修繕費、管理費などの各種費用を、持分割合に応じて分担するのが原則です。
しかし実務上は、この費用負担がスムーズにいかないケースも少なくありません。
特に問題になるのが、一部の共有者が費用を支払わない場合です。
費用の支払いが滞ると、必要な支出であっても誰かが負担しなければならず、結果として他の共有者が立て替える形になります。
その状態が続けば、
「なぜ自分だけが負担しているのか」という不満が強まります。
やがて、費用負担をめぐる対立が深まり、共有者同士の関係が悪化していきます。
また、修繕や管理が後回しになることで、建物の劣化が進むおそれもあります。
固定資産税の支払いが遅れれば、延滞金が発生したり、差押えのリスクにつながる可能性もあります。
このように、費用を支払わない共有者がいる状況は、
不動産の管理・価値・人間関係すべてに影響する問題へと発展します。
3. 相続によって共有者が増え、さらに複雑化する
共有名義の状態を放置していると、
時間の経過とともに問題はさらに大きくなります。
たとえば、共有者の一人が亡くなった場合、その持分は相続されます。
するとどうなるかという
共有者がさらに増える
結果として、
- 誰が共有者なのか分からない
- 連絡が取れない人が出てくる
- 合意形成がほぼ不可能になる
といった状態に陥ることもあります。
こうなると、分割どころか現状維持すら難しくなるケースも珍しくありません。
4. 空き家化・資産価値の低下リスク
話し合いが進まず放置された不動産は、空き家になることも多くあります。
空き家になると
- 建物の老朽化
- 景観悪化や近隣トラブル
- 不法侵入・倒壊リスク
といった問題が発生し、結果的に資産価値が下がる可能性が高いです。
本来は価値があったはずの不動産が、
「売れない・使えない資産」になってしまうのは大きな損失です。

共有名義は「時間が経つほど不利になる構造」
ここここまで見てきた通り、共有名義の問題は、放置しても自然に解決することはほとんどありません。
むしろ時間が経つほど、
- 相続によって共有者の数が増える
- 共有者同士の関係が悪化し、話し合いが困難になる
- 不動産の管理が行き届かず、資産価値が低下する
といった形で、状況は確実に悪化していきます。
特に深刻なのは、共有者が増えることによって意思決定がほぼ不可能になるケースです。
相続が繰り返されると、面識のない親族同士で共有状態になることもあり、連絡すら取れない状況に陥ることもあります。
こうなると、分割のための話し合いはもちろん、売却や活用といった基本的な判断すら進められなくなります。
さらに、関係の悪化や連絡不能といった問題が重なることで、
事実上「解決できない状態」に近づいていくのが共有名義の怖いところです。
だからこそ、問題が小さいうちに動くことが重要です。
共有名義は、時間が経てば経つほど選択肢が減り、解決のハードルが上がっていきます。
後になればなるほど、費用も時間も余計にかかる可能性が高くなります。
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②:共有名義の分割方法【3つの基本】

共有名義の不動産を解消する方法はいくつかありますが、基本となる分割方法は次の3つです。
- 現物分割
- 代償分割
- 換価分割
それぞれ特徴や向いているケースが異なるため、自分の状況に合った方法を選ぶことが重要です。
これらは少し聞き慣れない言葉かもしれませんが、内容自体はそれほど難しくありません。
このあと、ひとつずつわかりやすく解説していきます。
1. 現物分割|不動産を物理的に分ける方法
現物分割とは、不動産を複数に分け、それぞれを単独で所有できる状態にする方法です。
たとえば土地の場合、分筆(1つの土地を複数に分けて登記する手続き)を行い、その後、それぞれの土地を各共有者が単独で所有する形にします。
(※分筆しただけでは共有状態は解消されず、所有権の分配まで行ってはじめて現物分割となります)
さらに重要なのが、最終的に登記(名義変更)まで行う必要がある点です。
登記を行わなければ、対外的には共有状態のままと扱われる可能性があるため、注意が必要です。
具体的には、
- Aが東側の土地を単独所有
- Bが西側の土地を単独所有
といった形で整理し、それぞれの名義に登記を行うことで、正式に共有状態が解消されます。
この方法のメリットは、共有状態を完全に解消できることです。
それぞれが自由に売却や活用を行えるようになります。
ただし、注意点もあります。
- 建物は構造上、分けられないケースが多い
- 土地も形状や面積によっては分筆が難しい
- 分け方によっては資産価値が下がることもある
そのため、現実的には利用できるケースが限られる方法です。
2. 代償分割|一人が取得し、他の人にお金を払う方法
代償分割とは、共有者のうち一人が不動産を取得し、他の共有者に対して持分に応じた金銭(代償金)を支払う方法です。
たとえば、兄弟2人で共有している場合、
一方が家を取得し、もう一方に半分の価値に相当するお金を支払う形です。
この方法のメリットは、不動産を残したまま共有状態を解消できることです。
実家に住み続けたい場合や、不動産を売却せずに保有したい場合に適した方法といえます。
一方でデメリットは、まとまった資金が必要になることです。
また、代償金の金額をめぐって揉めるケースも少なくありません。
さらに注意したいのが、代償分割は法律上明確に定型化された方法というより、当事者間の合意によって成立する実務上の解決手段である点です。
そのため、
- 代償金の金額が適正かどうか
- 支払い方法や期限
- 不払いがあった場合の対応
などを曖昧にしたまま進めると、後からトラブルになるリスクがあります。
特に、合意内容を口約束のままにしてしまうと、
「支払われない」「金額に納得できない」といった問題に発展する可能性があります。
このようなリスクを避けるためにも、合意内容は必ず書面に残しておくことが重要です。
さらに確実性を高めるのであれば、行政書士や弁護士に依頼して公正証書として作成しておくことも有効な方法といえます。
3. 換価分割|売却して現金で分ける方法
換価分割とは、不動産を売却して得たお金を持分割合に応じて分配する方法です。
もっともシンプルでトラブルが少ない方法であり、実務上も多く選ばれています。
この方法のメリットは、公平性が高く、話がまとまりやすいことです。
全員が現金を受け取る形になるため、不公平感が生じにくく、比較的合意に至りやすい傾向があります。
一方で、不動産を手放す必要があるため、思い出のある実家などの場合には心理的なハードルが高くなることがあります。
また、注意したいのは売却価格の問題です。
不動産の状態や立地によっては、いわゆる「売りにくい物件」となり、想定よりも低い価格でしか売却できないケースもあります。
その結果、
受け取れる現金が想定よりも少なくなり、不満やトラブルにつながる可能性があります。
さらに、売却を進めるには共有者全員の同意が必要となるため、
話し合いができない状態では、この方法自体を選択できないケースもあります。
そのため、換価分割を検討する場合には、事前に不動産の価値を適切に把握し、共有者全員で売却方針について合意を形成しておくことが重要です。
どの方法を選ぶべきか?
ここまで見てきた通り、どの分割方法にもそれぞれメリットとデメリットがあります。
そして実際の現場では、「どの方法が最適か」以上に重要になるのが、共有者同士で話し合いができるかどうかです。
話し合いができる状態であれば、それぞれの希望や事情を踏まえながら、現物分割・代償分割・換価分割といった選択肢の中から柔軟に解決方法を選ぶことができます。
一方で、意見が対立している場合や、そもそも連絡が取れないといった状況では、こうした方法をスムーズに進めることは難しくなります。
結果として、現実的に選べる手段が大きく制限されてしまうのです。
このように、話し合いができない状態に陥ると、通常の分割方法では解決が困難になるケースも少なくありません。
そのような場合に検討すべきなのが、次に解説する「話し合いができない場合の対処法」です。
③:共有名義の分割ができない場合の対処法【話し合いできないとき】

共有名義の不動産は、原則として共有者同士の話し合いによって分割方法を決めていきます。
しかし実際には、その話し合いが思うように進まないケースも少なくありません。
たとえば、意見が対立している、連絡が取れない共有者がいる、あるいは話し合いそのものを拒否されてしまうといった状況です。
このような状態では、通常の分割方法を前提とした解決は難しくなります。
そのため、状況に応じて別のアプローチを検討する必要があります。
ここでは、話し合いができない場合に現実的に取り得る対処法について解説します。
1. まずは「合意形成の余地」がないか確認する
まずは、話し合いの余地が本当にないのかを見極めることが重要です。
たとえば、感情的になっているだけで冷静に話せていない場合や、価格や分け方などの条件が合っていないだけというケースもあります。
このような場合には、第三者を交えることで解決できる可能性があります。
行政書士や弁護士などの専門家に間に入ってもらうことで、感情的な対立を整理し、現実的な落としどころを見つけられることもあります。第三者の立ち会いのもとで話すことで、感情的な対立が和らぎ、解決に向けた合意形成が進みやすくなります。
通常、共有者同士の話し合いは、自宅や喫茶店などで当事者だけで行われることが多いですが、感情的な対立がある場合には、こうした場では冷静な議論が難しくなることもあります。
そのような場合には、行政書士事務所や弁護士事務所などの場を利用して話し合いを行うことも有効です。
2. 内容証明などで意思表示を行う
話し合いに応じてもらえない場合は、正式な形で意思を伝えることも有効です。
口頭やLINEではなく、内容証明郵便などを使って、分割を求めていることや話し合いを希望していることを明確に伝えることで、相手の対応が変わるケースもあります。
「放置できない状況だ」と認識させる効果が期待できます。
もっとも、内容証明郵便は単なる連絡手段ではなく、法的な手続きを見据えた強い意思表示と受け取られることが一般的です。
そのため、これを送付したにもかかわらず相手から何ら反応がない場合には、記載した内容に沿って次の対応(法的手続きなど)に進むことを前提とした状況になります。
言い換えれば、内容証明郵便の送付は、交渉の最終段階に位置づけられる手段ともいえます。
そのため、まだ話し合いの余地がある段階で安易に使用するのではなく、「これ以上は通常の交渉では解決が難しい」と判断した段階で検討することが重要です。
実務上は、専門家に文面作成を依頼することで、より効果的に意思を伝えることができます。
3. 自分の持分だけを売却する(現実的な選択肢)
どうしても合意が取れない場合、自分の持分だけを売却するという方法もあります。
法律上は可能ですが、注意点もあります。
- 持分のみでは買い手がつきにくい
- 市場価格より安くなる傾向がある
- 見知らぬ第三者が共有者になるリスクがある
このように、他の共有者にとっても大きな影響を与える可能性がある方法です。
また、第三者が共有者として入ることで、これまで以上に関係が複雑化し、解決が難しくなるケースもあります。
その意味で、この方法は共有関係を事実上手放すことに近い選択ともいえます。
そのため、まだ交渉の余地がある段階で安易に選択すべきではなく、
話し合いによる解決が困難であると明確に判断できた段階で検討するべき方法です。
4. 最終手段|共有物分割請求を行う
話し合いによる解決がどうしても難しい場合、
裁判所に「共有物分割請求」を行うことができます。
これは法律で認められた権利であり、
他の共有者の同意がなくても分割を求めることが可能です。
裁判では、状況に応じて次のような形で分割が決定されます。
- 現物分割
- 代償分割
- 換価分割(売却)
一般的には、まず現物分割が可能かどうかが検討され、分筆などによって合理的に分けられる場合には現物分割が選択されます。
一方で、物理的に分けることが難しい場合には、不動産を売却して代金を分ける「換価分割」が選ばれるケースが多くなります。
また、特定の共有者が不動産の取得を希望し、かつ他の共有者に対して適切な代償金を支払うことが可能な場合には、代償分割が認められることもあります。
ただし、どの分割方法が選ばれるかは個別の事情によって判断されるため、必ずしも自分の希望通りの結果になるとは限りません。
また、共有物分割請求は裁判手続きである以上、解決までに時間と費用がかかるほか、共有者同士の関係がさらに悪化する可能性もあります。
こうした点を踏まえると、共有物分割請求はあくまで最終手段と位置づけ、できる限り話し合いによる解決を目指したうえで検討することが重要です。。
共有名義の分割は、話し合いができるかどうかで難易度が大きく変わります。
しかし、話し合いができない場合でも、まったく手段がないわけではありません。
重要なのは、
状況に応じて適切な手段を選び、段階的に対応していくことです。
④:共有名義の分割手順|何から始めるべきかを解説

共有名義の分割は、やみくもに進めても上手くいきません。
重要なのは、状況を整理しながら適切な順序で進めることです。
ここでは、実務上の流れに沿って、何から始めるべきかを解説します。
1. 共有者と持分の状況を正確に把握する
まず最初に行うべきなのは、誰がどのくらいの持分を持っているのかを確認することです。
相続の場合、登記が古いままになっていることも多く、実際の権利関係と現状が一致していないケースもあります。
不動産の所有権は、売買契約や相続などによって当事者間では移転しますが、第三者に対してその権利を主張するためには登記が必要とされています。
そのため、実務上は登記の内容をもって現在の権利関係を確認することが重要になります。
この状態を曖昧にしたまま話し合いを進めると、後からトラブルになる可能性があります。
そのため、登記事項証明書などを取得し、現在の共有者と持分割合を正確に把握することが出発点になります。
2. 不動産の価値を把握する
次に重要なのが、不動産の価値を把握することです。
その不動産が実際にいくらで売れるのか、また代償分割を行う場合にはどの程度の代償金が必要になるのかが分からなければ、話し合いを具体的に進めることはできません。
特に価格に対する認識が共有者ごとに大きく異なると、それだけで対立の原因になることもあります。
そのため、不動産会社の査定などを利用し、客観的な価格の目安を把握したうえで共有者全員で認識を揃えることが重要です。
3. 分割方針を決める(売却か・保有か)
次の段階では、売却して現金で分けるのか、誰か一人が不動産を取得して代償金を支払うのか、あるいは現物として分けられるのかといった大きな方向性を決めることになります。
この段階では、共有者それぞれの希望や事情がぶつかりやすく、意見の相違が生じることも少なくありません。たとえば、早く売却して現金化したい人もいれば、実家に住み続けたい人や、不動産を手放したくないと考える人もいます。
そのため、感情だけで結論を急ぐのではなく、各共有者の意向を丁寧に確認しながら、現実的に実現可能な選択肢に絞っていくことが重要です。ここで判断を誤ると、その後の話し合いが大きくこじれるおそれもあるため、方向性は慎重に決める必要があります。
4. 共有者間で協議し、合意を形成する
方向性が定まったら、次は具体的な条件について話し合いを進めていきます。
たとえば、売却する場合の価格設定や、代償分割であれば代償金の金額、さらに支払い方法や支払期限といった点を一つひとつ詰めていく必要があります。
これらの条件が曖昧なまま進んでしまうと、後になって認識のズレが生じ、トラブルに発展する可能性が高くなります。
そのため、この段階では細かい点であっても曖昧にせず、誰が見ても分かる形で条件を明確にしておくことが重要です。す。
5. 合意内容を書面化し、必要に応じて登記を行う
合意ができたら、それで終わりではありません。
口約束のままでは、後になって「言った・言わない」といった争いに発展する可能性が高いため、必ず書面として残しておくことが重要です。
また、売却を前提とする場合でも、想定していた金額で売却できない可能性があるため、あらかじめ条件や対応方針を整理しておくことがトラブル防止につながります。
さらに、現物分割や代償分割の場合には、登記(名義変更)まで行って初めて法的に整理された状態になります。
加えて、合意内容の確実性を高めるためには、単なる書面にとどまらず、公正証書として作成しておくことも有効です。
公正証書にしておくことで、将来的な紛争リスクを大きく下げることができます。
この手順で進めることの重要性
共有名義の分割は、進め方を誤ると話し合いがまとまらず、不公平感が生まれ、結果としてトラブルが長期化する原因になります。
特に、事前の整理や条件設定が不十分なまま話し合いを進めてしまうと、途中で意見が対立し、解決が難しくなるケースも少なくありません。
一方で、ここまで解説してきた手順に沿って進めることで、論点を整理しながら話し合いを進めることができ、無用な対立を避けつつ現実的な解決に近づくことができます。
共有名義で片方が死亡するとどうなる?相続・名義変更・放置リスク
⑤:共有名義の分割に関するよくある質問(Q&A)
Q1:共有名義の持分だけを売ることはできますか?
共有名義の不動産であっても、自分の持分だけを売却することは法律上可能です。
ただし、持分のみの売却は買い手が見つかりにくく、一般的には市場価格よりも低い価格になる傾向があります。
また、第三者が新たな共有者として入ることで、関係がより複雑になる可能性もあります。
そのため、持分売却は最終手段として慎重に検討すべき方法といえます。
Q2:共有名義は強制的に分割できますか?
共有者同士で話し合いがまとまらない場合でも、「共有物分割請求」を行うことで、裁判所を通じて分割を求めることが可能です。
これは法律で認められた権利であり、他の共有者の同意がなくても手続きを進めることができます。
ただし、裁判には時間や費用がかかるほか、希望通りの結果になるとは限らないため、あくまで最終手段として検討すべき方法です。
Q3:共有名義の分割にはどのくらいの費用がかかりますか?
費用は選択する方法や状況によって大きく異なります。
たとえば、
- 話し合いで解決する場合:書面作成費用や専門家報酬
- 売却する場合:仲介手数料や測量費用
- 裁判になる場合:訴訟費用や弁護士費用
などが発生します。
そのため、一概にいくらとは言えませんが、状況が複雑になるほど費用も高くなる傾向があります。
早い段階で整理することが、結果的にコストを抑えることにもつながります。
Q4:共有名義を放置するとどうなりますか?
共有名義の不動産を放置すると、時間の経過とともに問題が深刻化していきます。
たとえば、共有者の一人が亡くなると相続によって権利関係がさらに複雑になり、共有者の数が増えていきます。
その結果、誰が共有者なのか分かりにくくなったり、連絡が取れない人が出てきたりして、話し合い自体が困難になるケースもあります。
また、管理や修繕が行われないまま放置されることで、不動産の資産価値が下がるおそれもあります。
このように、共有名義は放置しても解決することはなく、むしろ時間が経つほど解決が難しくなる傾向があります。
そのため、できるだけ早い段階で分割や整理を検討することが重要です。

まとめ
共有名義の不動産は、一見すると公平な状態に見えますが、実際には意思決定が難しく、トラブルに発展しやすい構造を持っています。
特に、相続によって共有状態になった不動産は、時間の経過とともに権利関係が複雑化し、話し合いそのものが困難になるケースも少なくありません。
分割方法としては、現物分割・代償分割・換価分割といった選択肢がありますが、どの方法を選ぶにしても、まずは共有者同士で話し合いを行い、状況を整理することが出発点となります。
一方で、話し合いができない場合でも、内容証明郵便の送付や持分売却、最終的には共有物分割請求といった手段を検討することが可能です。
重要なのは、問題を放置しないことです。
共有名義は時間が経つほど状況が悪化し、解決の難易度も高くなっていきます。
そのため、早い段階で現状を整理し、適切な手順で対応していくことが、トラブルを最小限に抑えるためのポイントとなります。
また、分割の方法や合意内容によっては専門的な判断が必要になる場面も多くあります。
行政書士や弁護士などの専門家に相談することで、スムーズかつ確実に手続きを進めることが可能になります。
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