自筆証書遺言の書き方テンプレート|コピペできる記入例付きフォーマットを解説

「自筆証書遺言を自分で作りたいけれど、どう書けばいいかわからない…」
「まずは使えるテンプレートを見ながら作成したい」
と考えている方も多いのではないでしょうか。

自筆証書遺言は、公証人を利用せず、自分で作成できる遺言書です。

ただ、実際に作成しようとすると、
不動産はどこまで詳しく書けばいいのか、ゆうちょ銀行はどう記載するのか、車や高級腕時計も遺言に書けるのかなど、迷うポイントが少なくありません。

そこで本記事では、まずはシンプルな自筆証書遺言のひな型を紹介したうえで、不動産・預貯金・証券口座・車・高級腕時計・貴金属など、財産ごとに使えるテンプレートを「記入例あり」「コピペ用テンプレ」の両方でまとめています。

必要な条項だけを追加・削除しながら、ご自身の状況に合わせて遺言書を整理できる構成になっていますので、ぜひ参考にしてください。

なお、本記事では、まずパソコンで下書きを整理し、内容が固まったあとに自筆で清書する方法を前提に解説しています。

自筆証書遺言を作成する日本人の高齢男性。机の上にノートパソコン、通帳、不動産書類、印鑑、高級腕時計が並び、完成した手書きの遺言書が置かれている落ち着いた家庭風景。
財産資料を整理しながら自筆証書遺言を作成している様子

目次

①【まずはこれ】シンプルな自筆証書遺言のひな型

A4用紙に手書きで作成された自筆証書遺言と印鑑を描いたシンプルなイラスト。配偶者へ全財産を相続させる内容が記載されており、白背景で清潔感のあるデザイン。
配偶者へ全財産を相続させる内容を記載した自筆証書遺言のイメージ

遺言書

遺言者 山田太郎(昭和20年1月1日生)は、次のとおり遺言する。

第1条
遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、妻 山田花子 に相続させる。

付言事項

家族の幸せを願っています。

令和○年○月○日

住所 東京都○○区○○1丁目1番1号

山田太郎 印

遺言書というと難しく感じるかもしれませんが、このようなシンプルな遺言でも有効です。

不動産や預貯金を個別に指定したい場合は、次から紹介する条項テンプレートを追加しながら、ご自身の内容に合わせて整理していきます。

②テンプレートを使う前に知っておきたいポイント

まずはパソコンで下書きを整理する

自筆証書遺言は、最終的には自筆で作成する必要があります。

ただし、最初から手書きで作成すると、修正や書き直しが多くなりやすいため、まずはパソコンで下書きを整理するのがおすすめです。

本記事のテンプレートをコピーしながら、

  • 誰に何を相続させるか
  • どの財産を記載するか
  • 不要な条項はどれか

を整理したうえで、最後に自筆で清書するとスムーズです。

最終的には自筆で清書する

自筆証書遺言は、財産目録など一部を除き、基本的に遺言者本人が自筆で作成します。

そのため、パソコンで作成した下書きをそのまま印刷して署名するだけでは、自筆証書遺言としては認められません。

内容が固まったら、便箋やA4用紙などに自筆で清書しましょう。

どのような用紙に書くのが最適かは、以下の記事で紹介しています。
遺言書に使う紙に決まりはある?便箋・コピー用紙・A4サイズ

不要な条項は削除してOK

本記事では、不動産・預貯金・証券・車・高級腕時計など、さまざまな財産に対応できるよう、条項を多めに掲載しています。

ただし、すべての条項を使う必要はありません。

ご自身の財産内容に合わせて、不要な項目は削除しながら使用してください。

自筆証書遺言の特徴や、公正証書遺言との違いを詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
自筆証書遺言とは?特徴やメリット・デメリットを解説

③必要に応じて追加できる条項テンプレート

不動産、預貯金、証券、自動車、高級腕時計などの財産項目カードを組み合わせて、自筆証書遺言を作成している様子を表現したイラスト。
財産ごとのテンプレートを組み合わせて遺言書を作成するイメージ図

第1条|不動産(土地・建物・区分マンション)

土地、一戸建て住宅、区分マンション、登記事項証明書を並べ、不動産相続と自筆証書遺言の記載例を分かりやすく説明したイラスト。
不動産の種類と登記事項証明書をもとにした遺言書記載イメージ

記入例あり

第1条
遺言者は、下記不動産を妻 山田花子 に相続させる。

【土地】
所在 東京都大田区○○
地番 1番1
地目 宅地
地積 100.00㎡

【建物】
所在 東京都大田区○○1番地1
家屋番号 1番1
種類 居宅
構造 木造2階建
床面積 1階50.00㎡
    2階40.00㎡

【区分マンション】
一棟の建物の表示
所在 東京都新宿区○○
建物の名称 ○○マンション

専有部分の建物の表示
家屋番号 ○○番○
種類 居宅
床面積 70.00㎡

コピペ用テンプレ

第1条
遺言者は、下記不動産を ○○ ○○ に相続させる。

【土地】
所在
地番
地目
地積

【建物】
所在
家屋番号
種類
構造
床面積

【区分マンション】
一棟の建物の表示
所在
建物の名称

専有部分の建物の表示
家屋番号
種類
床面積

不動産を記載する場合は、固定資産税納税通知書や登記事項証明書を確認しながら記載すると整理しやすくなります。

また、配偶者へすべて相続させる場合や、子どもごとに不動産を分ける場合など、ケース別の記載例を確認したい方は、関連記事も参考にしてください。

第2条|銀行預金・ゆうちょ銀行

日本の銀行通帳、ゆうちょ銀行の通帳、証券口座の書類を整理しながら、自筆証書遺言のための財産確認を行っているイメージイラスト。
通帳や証券書類を整理しながら財産内容を確認するイメージ

記入例あり

第2条
遺言者は、次の預貯金を長男 山田一郎 に相続させる。

【銀行預金】
○○銀行
○○支店
普通預金
口座番号 1234567

【ゆうちょ銀行】
記号 12340
番号 12345671

コピペ用テンプレ

第2条
遺言者は、次の預貯金を ○○ ○○ に相続させる。

【銀行預金】
銀行名
支店名
預金種別
口座番号

【ゆうちょ銀行】
記号
番号

預貯金を記載する場合は、銀行名・支店名・口座番号などをできるだけ具体的に記載しておくと整理しやすくなります。

また、銀行口座や証券口座が多い場合は、別紙で財産目録を作成した方が管理しやすいケースもあります。

第2条|銀行預金・ゆうちょ銀行

日本の銀行通帳、ゆうちょ銀行の通帳、証券口座の書類を整理しながら、自筆証書遺言のための財産確認を行っているイメージイラスト。
通帳や証券書類を整理しながら財産内容を確認するイメージ

記入例あり

第2条
遺言者は、次の預貯金を長男 山田一郎 に相続させる。

【銀行預金】
○○銀行
○○支店
普通預金
口座番号 1234567

【ゆうちょ銀行】
記号 12340
番号 12345671

コピペ用テンプレ

第2条
遺言者は、次の預貯金を ○○ ○○ に相続させる。

【銀行預金】
銀行名
支店名
預金種別
口座番号

【ゆうちょ銀行】
記号
番号

預貯金を記載する場合は、銀行名・支店名・口座番号などをできるだけ具体的に記載しておくと整理しやすくなります。

また、銀行口座や証券口座が多い場合は、別紙で財産目録を作成した方が管理しやすいケースもあります。

第3条|証券会社・株式・投資信託

記入例あり

第3条
遺言者は、次の有価証券その他金融資産を長女 山田良子 に相続させる。

【証券口座】
○○証券 ○○支店
口座番号 12345678

【保有商品】
・トヨタ自動車株式会社 株式 100株
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・個人向け国債

コピペ用テンプレ

第3条
遺言者は、次の有価証券その他金融資産を ○○ ○○ に相続させる。

【証券口座】
証券会社名
支店名
口座番号

【保有商品】


証券口座を記載する場合は、証券会社名・支店名・口座番号を整理しておくと管理しやすくなります。

また、複数の証券会社や投資商品を保有している場合は、別紙で財産目録を作成した方が整理しやすいケースもあります。

第4条|その他資産(車・高級腕時計・貴金属・美術品)

記入例あり

第4条
遺言者は、次の動産その他資産を長女 山田良子 に相続させる。

【自動車】
車種:トヨタ プリウス(2021年式)
登録番号:品川300さ12-34
車台番号:ZVW51-1234567

【高級腕時計】
ブランド:ROLEX
モデル:デイトナ
型番:116500LN
保管場所:自宅寝室の金庫
付属品:保証書・箱あり

【貴金属】
品目:K18ネックレス
重量:50g
保管場所:自宅クローゼット内ジュエリーボックス

【美術品】
作品名:棟方志功 木版画「女人観世音」
保管場所:リビング

コピペ用テンプレ

第4条
遺言者は、次の動産その他資産を ○○ ○○ に相続させる。

【自動車】
車種:
登録番号:
車台番号:

【高級腕時計】
ブランド:
モデル:
型番:
保管場所:
付属品:

【貴金属】
品目:
重量:
保管場所:

【美術品】
作品名:
保管場所:

車・高級腕時計・貴金属・美術品などを記載する場合は、できるだけ具体的に記載しておくと整理しやすくなります。

特に、高級腕時計や貴金属などは、ブランド名・型番・保管場所なども併せて整理しておくと、相続時の確認がスムーズになります。

第5条|その他一切の財産

記入例あり

第5条
遺言者は、本遺言に記載のないその他一切の財産を、妻 山田花子 に相続させる。

コピペ用テンプレ

第5条
遺言者は、本遺言に記載のないその他一切の財産を、○○ ○○ に相続させる。

遺言書には記載していない財産があとから見つかることもあります。

そのため、このような「その他一切の財産」に関する条項を入れておくことで、記載漏れがあった場合でも整理しやすくなります。

第6条|遺言執行者

記入例あり

第6条
遺言者は、本遺言の遺言執行者として、長男 山田一郎(昭和50年1月1日生)を指定する。

コピペ用テンプレ

第6条
遺言者は、本遺言の遺言執行者として、○○ ○○(生年月日:昭和○年○月○日生)を指定する。

遺言執行者とは、遺言内容を実際に手続きする人のことです。

必ず指定しなければならないわけではありませんが、不動産の名義変更や預貯金の解約などを進めやすくなるため、あらかじめ指定しておくケースも多くあります。

④付言事項の記入例

付言事項とは、財産の分け方とは別に、家族への感謝や想いなどを記載する部分です。

法的効力を持つものではありませんが、遺言書とあわせて記載されることも多くあります。

家族へ感謝を伝える場合

付言事項

家族のみなさんへ。

これまで長年支えてくれてありがとうございました。
今後も家族で協力し合い、仲良く過ごしてください。

配偶者へ感謝を伝える場合

付言事項

妻 ○○へ。

これまで長い間支えてくれて本当にありがとう。
これからも体に気をつけて、穏やかに過ごしてください。

子どもへ想いを伝える場合

付言事項

子どもたちへ。

財産の分け方については、私なりに考えて決めました。
どうか争うことなく、協力して過ごしてください。

介護への感謝を伝える場合

付言事項

長男 ○○へ。

これまで長年にわたり支えてくれてありがとう。
感謝の気持ちを込めて、この内容を決めました。

シンプルに記載する場合

付言事項

家族みなさんの幸せを願っています。

⑤すべてのテンプレートをまとめてダウンロードしたい方へ

ここまで紹介したテンプレートをまとめて整理したい方は、ダウンロード用ファイルも活用してみてください。

記事内では、

  • 不動産
  • 預貯金
  • 証券口座
  • 高級腕時計
  • 貴金属
  • 遺言執行者
  • 付言事項

などを項目ごとに分けて紹介していますが、ダウンロード版では「記入例あり」「コピペ用テンプレ」をまとめて確認できます。

まずはパソコンで下書きを整理し、必要な条項だけを組み合わせながら、ご自身の内容に合わせて調整してみてください。

⑥財産が多い場合は「財産目録」の作成も検討

財産目録を作成する日本人高齢者が、銀行通帳、不動産資料、証券資料、車の書類、貴金属リストを机の上で整理しているイラスト。
相続財産を一覧化しながら整理している様子

財産が多い場合は、遺言書本文にすべてを書き込むのではなく、別紙で「財産目録」を作成した方が整理しやすいケースもあります。

特に、

  • 負債(住宅ローン・借入金など)がある
  • 銀行口座と証券口座を合わせて3つ以上ある
  • 不動産・車・貴金属など、財産の種類が多い

場合は、財産目録を併用した方が管理しやすくなります。

負債がある場合

住宅ローンや借入金などの負債がある場合は、プラスの財産だけでなく、負債も含めて整理しておくことが重要です。

財産目録を作成しておくことで、相続人が全体像を把握しやすくなります。

銀行口座・証券口座が多い場合

銀行口座や証券口座が複数ある場合、遺言書本文だけで整理しようとすると、記載量が多くなりやすくなります。

そのため、口座数が多い場合は、別紙で財産目録を作成して整理する方法も検討してみてください。

不動産・車・貴金属など財産種類が多い場合

不動産・自動車・高級腕時計・貴金属・美術品など、財産の種類が多い場合も、財産目録を活用した方が整理しやすくなります。

財産目録の作成方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
【記載例付き】遺言書の財産目録の書き方|不動産・預貯金・負債の記載例を解説

⑦このテンプレにない内容を記載したい場合

本記事では、不動産・預貯金・証券・車・高級腕時計など、一般的によく利用される財産項目をテンプレート化して紹介しています。

一方で、

  • 相続人以外へ財産を残したい
  • 再婚家庭で相続関係が複雑
  • 共有不動産が多い
  • 事業承継を予定している
  • 海外資産がある

などの場合は、内容を個別に整理した方がよいケースもあります。

相続について専門家へ相談している日本人夫婦と、遺言書や不動産資料を説明する専門家を描いた法律相談イラスト。
遺言書や財産資料をもとに相続相談をしている様子

相続人以外へ財産を残したい場合

相続人以外の個人へ財産を残したい場合は、「遺贈」という形で記載します。

また、内縁の配偶者・孫・知人だけでなく、NPO法人や各種団体などへ寄付することも可能です。

通常の相続とは記載方法が異なるため、内容に応じて整理しながら作成しましょう。

再婚家庭・共有不動産など複雑なケース

前婚の子どもと、再婚後の子どもは、法律上の相続割合に違いはありません。

ただし、実際には「現在の配偶者や再婚後の子どもへ多く財産を残したい」と考えるケースも少なくありません。

その場合は、誰にどの財産を相続させるのかを具体的に指定しながら整理していくことになります。

また、不動産の共有割合を指定したい場合なども、内容を慎重に整理した方がよいケースがあります。

遺留分に配慮が必要なケース

本記事のテンプレートは一般的な記載例を紹介するものであり、遺留分への配慮までは考慮していません。

相続割合を大きく変更する場合や、一部の相続人へ財産を集中して残したい場合などは、遺留分との関係を含めて内容を整理した方がよいケースもあります。

内容に迷う場合は、専門家へ相談しながら整理することも検討してみてください。

なお、自筆証書遺言の基本ルールや正式な書き方を詳しく確認したい方は、以下の記事も参考にしてください。
自筆証書遺言の書き方・作成手順を詳しく見る

まとめ

自筆証書遺言は、必ずしも最初から複雑に作成する必要はありません。

まずはシンプルなひな型をベースにしながら、必要に応じて、

  • 不動産
  • 預貯金
  • 証券口座
  • 高級腕時計
  • 貴金属

などの条項を追加していくことで、ご自身の状況に合わせた遺言書を整理していけます。

本記事では、「必要な条項だけを組み合わせて使う」ことを前提にテンプレートを紹介しています。

まずはパソコンで下書きを整理し、内容が固まったあとに自筆で清書しながら、少しずつ形にしてみてください。

また、財産内容や家族関係が複雑な場合は、財産目録の活用や、専門家へ相談しながら整理することも検討してみましょう。

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特定行政書士 野中雅敏(IT行政書士事務所)

  • 国家資格:行政書士(登録番号:25080391)
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