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非上場株式の相続がなぜ難しいのか?経営者・後継者が押さえるべきポイント
事業を長く続けてきた経営者にとって、「自社株(非上場株式)」は単なる資産ではなく、家族と社員、そして会社の未来をつなぐ重要なバトンです。
しかし、いざ相続という局面を迎えたとき、多くの経営者やその家族が「何をどうすればいいのかわからない」と頭を抱えることになります。
なぜなら、非上場株式の相続は普通の資産とは全く異なる論点とリスクを抱えているからです。
非上場株式は市場での価格が存在しないため、評価が非常に難しく、税務署との見解の相違も起こりやすい。また、株式の分割・取得をめぐって家族間や兄弟間で争いが起きるケースも少なくありません。さらに、相続によって会社の経営権が意図せず分散してしまい、経営に大きな支障をきたすこともあります。
特に問題になるのは「相続が発生してから初めて対処を考える」ケースです。対策がないまま相続を迎えると、時間的にも精神的にも余裕がなく、想定以上の税負担や円満な事業承継の失敗につながることがあります。
本記事でわかること
本記事では、以下のような内容を非上場株式の相続に特化して、経営者・後継者の視点でわかりやすく解説します:
- 非上場株式の基礎知識と評価方法の全体像
- 相続で起こりやすいトラブルとその背景
- トラブルを未然に防ぐための具体的な対策
- 専門家に相談すべきタイミングとポイント
- よくある質問(Q&A)
経営者自身はもちろん、将来を担う後継者やご家族にとっても、必ず役立つ内容となっています。「いつか必要」ではなく、「今知っておくべき知識」として、ぜひ最後までご覧ください。
非上場株式の相続とは?基礎から押さえる重要ポイント
非上場株式の相続は、相続財産の中でも特に複雑で慎重な判断が求められる分野です。
まずは「そもそも非上場株式とは何か?」という基本から、相続における特徴を整理していきましょう。
非上場株式とは?
「非上場株式」とは、証券取引所に上場していない企業の株式のことを指します。主に中小企業や同族会社の株式が該当し、売買市場が存在しないため、明確な「市場価格」がありません。
上場株式であれば株価が公開されており、相続評価も比較的スムーズです。しかし、非上場株式はその企業の業績・資産状況・配当実績などから「仮想的な価値」を算出する必要があり、評価方法によって金額に大きな差が生まれるのが特徴です。
非上場株式の相続における3つの大きな特徴
1. 評価が難しく、税務リスクが高い
非上場株式は、評価の前提となる数値(利益・純資産・配当など)や選択する評価方式によって大きく価値が変動します。
そのため、相続税の申告後に税務署から否認されるケースも少なくないのが現実です。
2. 経営権の移転に直結する
相続人が複数いる場合、誰がどれだけ株式を引き継ぐかによって経営の意思決定に影響が出ます。
「兄弟で株を分け合った結果、経営がまとまらない」「親族の誰かが株を売却しようとする」など、会社の存続自体に関わる問題が起きる可能性もあります。
3. 分割や納税が難しい
非上場株式は、現金のように簡単に分割したり売却して納税に充てることができません。
結果として、他の資産(不動産・預貯金)とのバランスが崩れ、兄弟間のトラブルの火種になりやすいのです。
相続の基本的な流れ(非上場株式を含むケース)
- 相続人の確定と遺産の調査
→ 株式がどこにあるか、どれだけあるかの把握 - 株式の評価(相続税評価額の算定)
→ 税理士等による専門的な評価が必要 - 遺産分割協議
→ 誰がどの株をどれだけ引き継ぐか、他の資産とどう調整するか - 相続税の申告・納税(10か月以内)
→ 納税資金が問題になるケースも - 名義変更・登記などの手続き
→ 会社法上の手続きも必要になる場合あり
まとめ:相続の難易度は「会社を持っている=高い」
非上場株式の相続は、相続財産の中でも最もトラブルが発生しやすい領域の一つです。
「うちは不動産よりも株が多いから…」というケースでは、早期の対策がそのまま家族や会社の未来を守ることにつながるとも言えるでしょう。
次章では、非上場株式の相続における最初の関門である【評価方法】について、実務のリアルも含めて詳しく解説していきます。、経営権の承継は重要な問題となります。適切な準備をしないと、会社の経営が不安定になる可能性があります。
非上場株式の評価方法と実務上の注意点|相続税申告で失敗しないために
非上場株式の相続において、最も重要でありながら多くの人がつまずくのが「株式の評価」です。
市場価格が存在しない非上場株式は、相続税評価額を専門的な方法で算出する必要があり、その金額によって相続税額が大きく変わります。
評価を誤ると、税務署から否認されて追徴課税を受けるリスクもあるため、正確かつ戦略的なアプローチが求められます。
非上場株式の主な評価方法
国税庁が示す財産評価基本通達では、非上場株式の評価には以下の3つの方法が定められています。
① 類似業種比準方式
- 上場している同業種企業の財務データをもとに評価する方法。
- 利益・配当・純資産などを基準に、対象会社を相対的に評価します。
- 規模の大きな会社や黒字企業の場合、評価額が高く出る傾向があり、相続税も高額になりやすいです。
② 純資産方式
- 会社の総資産から負債を引いた純資産額をもとに評価する方法。
- 業績が不安定な会社や休眠会社などに適用されることが多いです。
- 実態より高い評価が出ることもあり、資産の再評価や含み益にも注意が必要です。
③ 配当還元方式
- 年間配当金をもとに株価を算出する簡易的な方法。
- 基本的には少数株主や同族関係のない株主の評価時に使われます。
- 評価額が低く出やすいため、適用の可否を見極めることが重要です。
評価方法の選定は「誰が持つか」「何株か」で変わる
評価方法はケースバイケースであり、「どの方法を使うか」ではなく、「誰がどれだけ相続するか」によって選定が変わります。
- 相続人が同族関係者かどうか
- 過半数株主になるかどうか
- 業績や配当の実績
- 評価時点のバランスシートの状況
など、さまざまな要素を総合的に判断する必要があります。
実務で起きやすい注意点と失敗例
評価の仕方が甘くて税務署に否認された
→ 節税目的で安めに評価したものの、税務署が別の方式を主張し、追加の税金+延滞税が発生。
資産価値が高すぎて納税資金が足りない
→ 評価額が高くなりすぎて、相続税を払うために不動産や事業資産を売却する羽目に。
評価時に繰越欠損を過小に扱ってしまった
→ 決算書の読み方を誤り、税理士も未経験で修正申告に追い込まれた。
評価は「税理士の腕」で結果が大きく変わる
非上場株式の評価は、経験豊富な税理士でも難易度が高い業務です。
税務調査での指摘を避け、かつ正当に低く評価するためには、評価経験が豊富な専門家との連携が不可欠です。
次章では、こうした評価結果が引き金となって起こる【相続トラブル】の実例と、その回避方法について詳しく見ていきましょう。
相続時に起こるトラブル事例とリスク|非上場株式が家族・経営を揺るがす瞬間
非上場株式の相続では、株式評価の難しさ以上に、家族間や経営上の人間関係トラブルが深刻化するケースが後を絶ちません。
ここでは実際に起こりやすいトラブル事例をもとに、どこにリスクが潜んでいるのかを整理し、その背景にある構造も解説します。
事例一覧(合計6件)
- 兄弟間での株式分割トラブル
- 後継者が株を相続できず、経営権が分散
- 株価が高すぎて相続税が払えない
- 生前贈与による株式分散の失敗
- 遺留分請求で事業承継計画が崩れる
- 放置による名義不明・塩漬け株式問題
ケース1:兄弟間での株式分割トラブル
▶ 事例:後継者の長男が経営を引き継いだが、株式は法定相続分で分けた結果…
- 長男:代表取締役として経営を継承
- 次男・長女:株式を相続し、経営に関与していないのに持ち株比率が高い
- 数年後、次男が業績悪化を理由に株式の買取を要求し、調停に発展
ポイント:経営と所有の分離は、放置すれば対立の火種に。
特に「経営に関わらない相続人」が多数派になると、意思決定のスピードが落ちたり、配当要求・株式売却などのトラブルが起きやすくなります。
ケース2:後継者が株を相続できず、経営権が分散した
▶ 事例:遺言なし・事前対策なしで相続が発生した結果…
- 子ども3人に法定相続で均等に株式が分割
- 長男が社長としての意思はあったが、過半数を持てず経営に支障
- 他の兄弟が経営判断に口を出すようになり、取締役会が機能不全
ポイント:非上場会社では、株式の分散=経営の分裂につながるリスク大。
事業承継は「誰が社長になるか」だけでなく、「誰がどれだけ株を持つか」が極めて重要です。
ケース3:株価が高すぎて相続税が払えない
▶ 事例:黒字企業で株価が高騰。相続人が税金を支払えず…
- 評価額:1株あたり20万円、持ち株数:5,000株 → 評価総額1億円
- 相続税だけで数千万円の負担
- 現預金が不足しており、事業資産や不動産を売却して納税
ポイント:評価額が高いと、それだけで納税リスクが生まれる。
株式は現金化が難しいため、納税資金対策(生命保険・貸付金整理・分割方法など)も重要になります。
⚠️ ケース4:親が複数回贈与した結果、株式がバラバラに…
▶ 事例:事業承継のつもりで贈与をしていたが…
- 父が長男に一部の株式を生前贈与
- その後、次男・長女にも「公平に」と別のタイミングで株式を贈与
- 結果、誰も過半数を持たず、株式が分散状態に
- 会社の重要事項を決められず、定款変更も困難に
ポイント:生前贈与も「戦略なく行う」と逆効果に。
贈与は1回きりでなく、全体の保有比率と意思決定権を見据えて設計する必要があります。
ケース5:遺留分請求で事業承継計画が崩壊
▶ 事例:父の遺言で長男に株式を集中させたが…
- 遺言で「長男にすべての株式を渡す」と明記
- 相続後、他の兄弟が「遺留分侵害」として請求
- 株式の一部を取り戻すことになり、過半数を割ってしまう
- 長男の経営体制が不安定に
ポイント:遺言があっても、遺留分請求は防げない。
遺留分を侵害しないように事前に代償財産を用意するなど、遺言+対策のセット設計が必要です。
ケース6:相続発生後の放置で株式が「塩漬け」に
▶ 事例:相続登記や株式名義変更をしなかった結果…
- 相続はされたが、名義変更や遺産分割協議を後回しに
- 時間が経過する中で相続人が高齢・死亡し、二次相続が発生
- 誰が株主なのか分からなくなり、会社の登記も不備だらけに
- 融資や許認可の更新にも支障が出始める
ポイント:相続手続きを放置すると、手続きが雪だるま式に複雑化。
特に中小企業では、「代表者=株主=意思決定者」という構造が崩れることで、経営上のリスクが一気に表面化します。
なぜ非上場株式でトラブルが起きやすいのか?
- 評価額が見えづらく「損得」が見えない
- 会社の経営権=株式の比率という現実
- 相続人それぞれの立場や関心が違う(経営したい人、換金したい人、相続権を主張したい人)
こうした要素が複雑に絡み合うため、非上場株式は「資産」であると同時に「権力」や「人間関係」を左右する存在でもあるのです。
次の章では、こうしたリスクを未然に防ぐために必要な【対策方法】を、具体的に紹介していきます。
自社株承継に向けた対策の選択肢|争いと混乱を防ぐためにできること
前章で見てきたように、非上場株式の相続は、評価・税金・経営権・家族関係といった複数の問題が複雑に絡み合う領域です。
そのため、「相続が発生してから考える」のでは遅く、事前の計画と対策が極めて重要です。
この章では、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな事業承継を実現するための具体的な対策手法を紹介します。
対策一覧(合計6件)
対策1:生前贈与を活用して株式の集中を図る
- 後継者(通常は長男や現役の取締役)に株式を段階的に贈与することで、計画的に株式を集中させる方法
- 相続時にはすでに経営権が明確になっている状態を作れる
- 贈与税の負担を抑えるには、年110万円の非課税枠や、事業承継税制の活用も選択肢
注意点:贈与後に関係性が悪化するケースも。贈与は撤回できないため、信頼関係と計画性が必須。
対策2:遺言書を作成して株式の承継を明記する
- 遺言書がないと、法定相続割合による株式の分割となりやすく、経営権が分散する危険性がある
- 「誰に株式を相続させるか」を遺言で明示することで、承継の意思を法的に保護できる
- 公正証書遺言が推奨され、無効リスクを防ぎやすい
注意点:遺言だけでは遺留分請求を防げない。後述する「代償分割」などと組み合わせる必要あり。
対策3:種類株式の活用
- 「議決権はあるが配当はない株式」や「配当はあるが議決権はない株式」などを設計して発行することで、経営と分配を分けられる
- 例:後継者に議決権株式を集約し、他の相続人には配当目的の優先株式を渡す
メリット:兄弟間の公平性を保ちつつ、経営の一体性を確保できる
対策4:信託を使った株式の管理
- 自社株を信託化し、特定の人(受託者)に管理を任せることで、所有と運用を分離できる
- 認知症リスクや突然の相続にも強く、柔軟な承継設計が可能
信託の活用例:親が信託設定 → 子が受益者 → 株式は父の意志に沿って管理・運用される
対策5:自社株買い・持株会社の設立
- 自社で株式を買い取ることで、相続人間の争いを抑える
- 持株会社を設立し、そこに株式を集約することで、承継後の経営の一本化・グループ管理がしやすくなる
注意点:自社株買いは資金力が必要。持株会社には税務リスクや費用もあるため専門家の関与が不可欠。
対策6:納税資金対策もセットで考える
- 相続税が払えない問題に備え、生命保険の活用・会社からの退職金支給・不動産の組み換えなども併せて準備
- 株式評価が高くなってからでは、資金調達が困難になる場合も
まとめ:複数の対策を「組み合わせて設計」するのが成功のカギ
非上場株式の承継対策は、単体の施策では不十分です。
重要なのは、「株式評価・相続税対策・経営権の設計・家族間の合意形成」といった複数の視点から、オーダーメイドでプランを組み立てることです。
そのためにも、専門家の力を借りながら早期に動き出すことが成功への第一歩です。
次章では、「なぜ早めの対策が重要なのか?」という視点から、成功例・失敗例も交えて解説していきます。
非上場株式の相続対策はなぜ「早め」がカギなのか?|成功と失敗を分ける決定的な違い
「まだ相続は先の話だから」「元気なうちは考えなくていい」と思っていませんか?
非上場株式の相続において、早めに動くかどうかがすべてを左右すると言っても過言ではありません。
この章では、対策のタイミングが与える影響や、実際の成功・失敗の分岐点をわかりやすく解説します。
対策が遅れると、何が起きるのか?
1. 株式の評価額が上がり、相続税が増える
会社の業績が良くなると、それに比例して株価(評価額)も上昇します。
早めに承継対策を講じていれば、比較的低い株価で贈与や分割が可能だったのに、数年後には相続税が倍以上に膨らむことも。
2. 相続人が高齢化し、手続きが複雑化
代表者の死亡後、相続人が高齢・認知症などの場合、遺産分割協議自体が困難になるケースがあります。
また、二次相続(二代目の死亡)に突入すると、関係者が急増し、名義変更も困難に。
3. 経営権や社員のモチベーションに悪影響
株式の扱いが不透明なままだと、後継者の権限が曖昧になり、社内に不安感が広がります。
結果として社員の離職や、金融機関の融資ストップなど、外部への信用にも影響を及ぼします。
早めに動いた人の成功パターン
▶ ケースA:60代の社長が贈与+信託で株式を集中
- 後継者に段階的に贈与しつつ、信託で管理体制を整備
- 生前に社内外に「後継者は○○だ」と明言し、スムーズな事業承継を実現
- 株価が上がる前に移転できたため、相続税の圧縮にも成功
▶ ケースB:遺言と種類株で家族の対立を防止
- 自身の死後、後継者に議決権株、他の相続人には配当優先株を分配
- それぞれの立場が尊重され、遺留分請求も発生せず円満に相続完了
対策を怠った人の失敗パターン
▶ ケースC:70代で急逝、遺言も贈与もなし
- 株式は兄弟3人で均等に分割 → 誰が社長か決められず経営混乱
- 結果、社員が大量離職 → 数年で廃業
▶ ケースD:贈与を先送りした結果、株価が急上昇
- 生前贈与を「来年やろう」と保留 → 業績が急伸し、株価も3倍に
- 相続時に税金負担が大きくなり、不動産売却で納税資金を確保する羽目に
では、「いつから動けばいいのか?」
結論から言えば、事業承継・相続対策は、60代前半から動き始めるのが理想です。
- 経営の意思決定ができるうちに、承継の方向性を明確化
- 株価が上がる前に、計画的に株式を移転
- 後継者との関係性構築、社員・金融機関への周知など、準備期間を確保
早めに対策を始めることで、家族・会社・財産の3つすべてを守る道が拓けるのです。
次の章では、読者の不安や疑問に直接答える「Q&Aセクション」をご用意しています。
よくある相談を事前に解決しておくことで、より安心して行動に移せるようになります!
よくある質問Q&A|非上場株式の相続に関する不安・疑問を徹底解説!
非上場株式の相続は専門的な領域であり、初めての方にとっては不安や疑問が尽きないものです。
このセクションでは、実際によく寄せられる質問をピックアップし、明確かつ実務的な視点でわかりやすく回答していきます。
Q1. 非上場株式の相続税評価は、誰がどうやって決めるの?
A. 国税庁の「財産評価基本通達」に基づき、主に税理士が評価方法を選定し、必要な数値をもとに評価額を算出します。
評価方法には「類似業種比準方式」「純資産方式」「配当還元方式」などがあり、会社の状況や株主構成によって最適な方法が選ばれます。
Q2. 株式を兄弟で平等に分ければトラブルは防げますか?
A. 必ずしも防げるとは限りません。
株式を平等に分けると、経営権が分散して意思決定ができなくなるリスクがあります。
むしろ、「経営はこの人」「財産分配は別の方法で公平に」といった役割分担を明確にした設計の方がトラブル回避につながります。
Q3. 相続税が払えない場合、どうすればよいですか?
A. 以下のような選択肢があります。
- 延納・物納の制度を活用する(要件あり)
- 生命保険を活用して納税資金を確保しておく
- 会社から退職金や弔慰金を受け取る方法も検討可能
ただし、これらはすべて事前準備がカギとなるため、「発生してから」ではなく「起きる前」に対策が必要です。
Q4. 生前贈与と相続、どちらが得ですか?
A. ケースバイケースですが、株価が低いうちに生前贈与を行うことで、相続税よりも総負担を抑えられる場合があります。
また、生前贈与には「事業承継税制」などの特例制度も活用可能なので、計画的な贈与が有効です。
一方で、贈与税の方が高くなるケースや、家族関係への影響を考慮する必要もあるため、専門家とのシミュレーションが重要です。
Q5. 株式の評価を税務署に否認されることってあるんですか?
A. はい、あります。
特に「評価方法の選定ミス」「前提数値の誤り」「時価との乖離が大きすぎる」などがあると、税務調査で否認され、追徴課税になることがあります。
信頼できる税理士と連携して、文書化・根拠の明確化・評価資料の整備を徹底することでリスクを減らせます。
Q6. 株式を後継者だけに渡すと、他の家族から反発されませんか?
A. 十分にあり得ます。
そのため、株式を集中させる場合は、代償分割(株以外の資産を他の相続人に渡す)や、遺留分への配慮が必須です。
さらに、生前から家族への説明・対話を積み重ねることが、感情的なトラブルを防ぐうえでとても重要です。
Q7. 自社株の承継について相談するなら、どこに頼めばいい?
A. 非上場株式の相続には、以下の専門家が関わります:
- 税理士:株式評価・相続税対策の中心
- 弁護士:遺言や争族リスク、契約関係の整備
- 司法書士:登記や不動産名義変更手続き
- 行政書士:遺言書作成補助や相続関連書類の整備
これらを一括して相談できる窓口(ワンストップ)があると非常にスムーズです。
Q&Aまとめ
よくある疑問は、「早めに準備していれば避けられる」ものばかりです。
問題が大きくなってからでは、選択肢も減り、コストや労力が増大します。
今のうちに正しい知識を得て、信頼できる専門家と一緒にプランを立てることが、家族と会社の未来を守るカギです。
専門家の活用と相談のタイミング|そのうちでは手遅れになる理由
非上場株式の相続は、評価・税務・法律・家族間の感情など、多角的な視点での対応が求められる極めて専門的な領域です。
ここでは、どのような場面で誰に相談すべきか、そして「今」動き出すべき理由について解説します。
自分だけで進めることのリスク
「相続は一度きり」「ネットで調べればわかる」と考えてしまいがちですが、非上場株式の相続では以下のようなリスクが現実にあります。
- 評価方法の誤りによる追徴課税や否認リスク
- 家族間の合意形成に失敗し、長期的な対立に発展
- 遺言や贈与の法的な不備による相続無効や訴訟
- 名義変更・登記漏れによる経営混乱や法務リスク
これらは「事前に専門家が関与していれば防げた」というケースが大半です。
専門家別|それぞれの役割と得意領域
■ 税理士
- 株式の評価、贈与・相続税の試算
- 事業承継税制の適用判断
- 納税資金対策の設計
選ぶポイント:非上場株式の評価実績が豊富かどうかが重要!
■ 弁護士
- 遺言書作成の法的チェック
- 相続人間の紛争対応・調停
- 種類株式や株主間契約の構築支援
選ぶポイント:相続・事業承継に強い弁護士か確認を。
■ 司法書士
- 株式の名義変更手続き
- 登記関連(代表取締役変更など)
- 信託設定の書類作成
選ぶポイント:会社法や信託に明るい司法書士がベスト。
■ 行政書士
- 遺言書の作成サポート
- 相続関係図や協議書の作成
- 役所関係の手続き代行
選ぶポイント:士業連携が取れる事務所なら◎。
ワンストップ対応のメリット
非上場株式の相続では、複数の士業が連携しながら対応するのが理想的です。
例えば、評価は税理士、遺言は弁護士、登記は司法書士がそれぞれ分担します。
そのため、「誰に何を頼めばいいかわからない」となる前に、ワンストップで相談できる専門家窓口を活用することで、以下のようなメリットがあります:
- 手続きがスムーズに進む
- コミュニケーションのロスが少ない
- 対策が総合的に設計される
※当サイトでも、相続・評価・登記・承継対策をまとめてご相談いただけます。
相談すべき「ベストなタイミング」とは?
最適なタイミングは、「社長がまだ元気なうち」「会社が安定しているうち」です。
つまり――今が一番良いタイミングです。
特に以下に当てはまる方は、すぐにでも専門家へ相談すべきです。
- 後継者は決まっているが、株式の移転方法が未定
- 相続税がいくらかかるのか、試算をしたことがない
- 兄弟間で株式をどう分けるか、漠然とした不安がある
- 自社株の評価がここ数年で上がっている
まとめ:専門家に頼ることはコストではなくリスク回避の投資
「専門家に頼むとお金がかかる」と思われがちですが、対策が遅れた場合の税負担や訴訟コスト、廃業リスクの方がはるかに高額です。
早めに信頼できる専門家とつながることで、家族も社員も安心できる未来を作ることができます。
まとめ|放置せず、今すぐ動くことが将来の安定に
非上場株式の相続は、資産の問題であると同時に、経営・家族・未来すべてに関わる重要テーマです。
複雑だからこそ後回しにしがちですが、「何も対策をしない」ことこそが最大のリスクです。
本記事でお伝えした主なポイント
- 非上場株式は評価が難しく、税務・経営・家族関係のリスクが複雑に絡み合う
- 相続時には、経営権の分散・納税資金の不足・兄弟間トラブルが現実的に起こり得る
- 生前贈与・遺言・種類株式・信託などを活用することで、対策は十分可能
- 評価額が上がる前、関係が悪化する前に、早めの対策が何より重要
- 専門家に早期に相談することで、費用対効果の高いプランニングができる
経営者・後継者へのメッセージ
社長の代でどれだけ準備をしておくかが、次の世代、そして会社の未来を決める。
それが非上場株式の相続です。
何も行動しなければ、株式は分割され、経営は不安定になり、社員や取引先も不安を抱えることになります。
逆に、今から動けば、「承継がスムーズで、家族も社員も安心した」という未来を作ることができます。
まずは、信頼できる専門家に「今の状態」を相談してみてください
相続対策は、「いつ何をするか」で結果が大きく変わります。
特に非上場株式は会社と家族の中核にある資産だからこそ、早期の可視化・対策が絶対に必要です。
当サイトでは、非上場株式の評価・相続・承継に強い専門家が、初回無料でご相談に対応しています。
「まだ何も決まっていない」という状態でもOKです。まずはお気軽にご相談ください。
早めに動く人が、未来を守る人です。
会社を守る。家族を守る。
あなたのその一歩が、すべてを変えていきます。