「突然、銀行の口座が凍結されてお金が引き出せなくなった」
「相続のことはよくわからないし、何から始めたらいいのか不安」
そんな声を、私たちは数多く耳にしてきました。
身内が亡くなったとき、避けては通れないのが銀行口座の凍結とその後の手続きです。預金は遺産として扱われるため、すぐに動かすことはできなくなります。
しかし、現実には「家賃の引き落としが止まってしまった」「葬儀費用が払えない」など、困る場面が多く発生します。
さらに、「誰が相続人になるのか」「どの書類が必要なのか」「どうやって銀行に連絡すればいいのか」、こうした情報はバラバラに存在し、理解するのがとても難しいのが実情です。
この記事では、以下のような不安を抱えている方に向けて、死亡後の銀行口座に関する手続きを網羅的に・わかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 銀行は、家族が亡くなるとどのタイミングで口座を凍結するのか
- 口座が凍結されるとどんなことができなくなるのか
- 凍結解除・相続のために必要な手続きや書類
- 遺言の有無・相続人の関係性による手続きの違い
- よくあるトラブルと、その回避のポイント
- 【ケース別】配偶者・子ども・兄弟姉妹など、相続人の立場ごとの違い
- 自分でやるべきか、専門家に依頼すべきかの判断ポイント
大切な人を失った直後の手続きは、心身ともに負担が大きいものです。
本記事が少しでも、あなたの不安を和らげ、次に進む力になれば幸いです。
目次
1. 死亡後の銀行口座、何が起こる?
銀行は「死亡」を知ると即座に口座を凍結
家族が亡くなったとき、まず多くの人が戸惑うのが「銀行口座の凍結」という事態です。
銀行は、口座名義人の死亡を確認すると、その口座をただちに凍結します。これは、預金が相続財産として扱われるため、勝手な引き出しや振込を防ぐための措置です。
凍結されると、キャッシュカードでの引き出しはもちろん、口座振替やオンラインバンキングもすべて停止されます。たとえ家族であっても、凍結後は一切の取引ができなくなるというのが基本的なルールです。
凍結されるとどうなる?(引き出し、振込不可、公共料金もストップ)
口座が凍結されると、実生活にもさまざまな影響が出てきます。
- 公共料金や家賃の引き落としができなくなる
→ 通知が来るまでに数日〜数週間あるが、支払いが遅れる可能性あり - 葬儀費用を預金から支払おうとしていたが、引き出せない
→ 実費立て替えが必要になり、家族間トラブルになることも - 長期入院中の医療費や介護サービス代の支払いができなくなる
→ 病院や施設とのやり取りに影響が出る可能性も
また、デジタルな引き落とし(サブスクやクレジットカードの決済)も止まるため、生活面での混乱が起きがちです。
銀行はどこで「死亡」を把握するのか?
「銀行って、家族が亡くなったことをどうやって知るの?」
そんな疑問を持つ方も多いですが、実は銀行が死亡を知るルートはいくつかあります。
- 遺族が銀行に連絡・届出をした場合
→ 多くはこのパターン。死亡届のコピーや除籍謄本などで確認される - 新聞のお悔やみ欄・訃報などを見た銀行職員が対応するケース
- 自治体の住民基本台帳ネットワークを通じて間接的に把握
→ 自動的ではなく、定期的な情報照会を通じてわかる場合も - 同一金融グループ内の情報共有
→ たとえばメガバンク系列の信託銀行などと情報が連携されることもある
銀行が死亡を知った瞬間、システム的に「即時凍結」されるため、タイミングが非常に重要です。
家族としては「まだ手続きの準備もできていないのに」と焦る場面もあるかもしれません。ですが、この凍結処置は預金を守るための仕組みであり、正しいステップを踏めば、順次解除や払い戻しが可能です。
次のセクションでは、具体的に「どんな流れで手続きが進むのか」を解説していきます。
2. 手続きの全体像と流れ
銀行口座が凍結されたあと、何から始めたらいいのか。
この疑問を持つ方は多いですが、死亡後の銀行手続きには一定の流れがあります。各ステップを理解し、順番に進めることで、混乱やトラブルを避けやすくなります。
ここでは、死亡後の銀行手続きの全体像をステップバイステップでご紹介します。
手続きの目的:相続財産の分配と法的整理
まず、銀行口座の手続きは単なる「名義変更」ではなく、相続という法律行為の一環です。
つまり、名義人が亡くなったことによって、その預金は相続財産=遺産として扱われます。そのため、誰がどれだけ相続するのかを明確にしない限り、口座の解約や払い戻しはできないのが原則です。
この手続きを怠ると、あとで相続トラブルに発展するケースもあるため、正しい流れに沿って進めることが重要です。
手続きの基本フロー(6ステップ)
以下が、死亡後の銀行手続きの一般的な流れです。
まずは市区町村役場に死亡届を提出し、除籍謄本(戸籍の記録)を取得します。
並行して、銀行に死亡の事実を伝えましょう(電話や来店)。銀行側はこの連絡を受け、正式に口座の凍結処理を行います。
銀行から、凍結口座の確認と、相続手続きに必要な書類一覧が通知されます。
この時点で、取引履歴や残高証明書の請求を行うケースもあります。
被相続人の出生から死亡までの戸籍をすべて収集し、相続人を法的に確定します。
相続人が複数いる場合、それぞれの身分証明書や印鑑証明書が必要になります。
相続人全員で、どの財産を誰が引き継ぐかを話し合い、遺産分割協議書を作成します。
これには相続人全員の署名と実印が必要です。
※遺言書がある場合は、このステップが不要なこともあります(後述)。
必要な書類(戸籍、印鑑証明、遺産分割協議書など)を銀行に提出します。
書類に不備がなければ、預金の解約払戻しまたは名義変更(相続口座への移行)が実行されます。
払い戻された金額は、遺産分割協議書に沿って各相続人へ分配されます。
また、相続税が発生する場合は10ヶ月以内に申告・納付が必要です。
銀行によって異なるルールに注意
銀行の手続きはおおむね共通していますが、必要書類や対応の細かい部分は金融機関ごとに異なります。
- メガバンクは書類の提出に厳格/審査期間が長め
- 地方銀行は支店単位で柔軟に対応してくれることも
- ゆうちょ銀行は独自のルールや必要帳票がある
そのため、必ず口座がある銀行のWebサイトや窓口で最新の情報を確認するようにしましょう。
ここまでのステップを理解しておくことで、「何を・いつ・どう進めるべきか」がクリアになります。次は、よくあるトラブルや、注意すべきポイントについて解説していきます。
3. よくあるトラブルと注意点
銀行の相続手続きは、流れを知っていても思わぬところでトラブルになるケースが多いものです。
この章では、よくある事例をもとに、注意すべきポイントをわかりやすくまとめます。
相続人の1人が音信不通…手続きが進まない
もっとも多いトラブルの1つが、「相続人の誰かと連絡が取れない」というケースです。
- 離れて暮らしている兄弟と10年以上会っていない
- 海外に住んでいて連絡先が不明
- 家族関係が悪く、そもそも協力する意思がない
このような場合、遺産分割協議書を作成することができず、銀行口座の払い戻しが止まってしまうことがあります。
対応策
- 相続人の所在を「戸籍の附票」や「住民票除票」などで調査
- 内容証明郵便で連絡・協力依頼を送付
- 家庭裁判所に「不在者財産管理人の選任」や「調停申立て」を行う
スムーズな手続きを望むなら、死亡後すぐに全相続人を把握し、連絡を取るのが鉄則です。
「遺言がある場合」と「ない場合」の手続きは大きく違う
遺言書があるかどうかで、銀行手続きの流れも変わります。
- 遺言書がある場合
→ 原則、遺言内容に従って手続きが可能。ただし「自筆証書遺言」は家庭裁判所の検認が必要。 - 遺言書がない場合
→ 相続人全員の同意が必要。遺産分割協議書の作成が必須。
ポイント
自筆の遺言書は有効性や内容の不備で手続きが止まるリスクもあるため、専門家への確認をおすすめします。
公正証書遺言があれば、スムーズに銀行手続きが進められる可能性が高くなります。
揉めやすいパターンTOP3とその回避法
相続にまつわる人間関係のトラブルは、避けられないこともあります。
特に、以下のような状況では注意が必要です。
① 特定の相続人だけが預金を引き出してしまった
- 凍結前にATMで全額引き出す → 他の相続人とトラブルに
- 後から「不当利得」として返還請求される可能性あり
対策:通帳とキャッシュカードは速やかに回収・保管。相続開始時点の残高証明を取っておく
② 相続分でもめる(「自分の方が多くもらうべき」など)
- 「面倒を見ていたから多くもらいたい」 vs 「法定相続分で分けたい」
- 感情論が絡みやすく、泥沼化しやすい
対策:事前に相続人同士で冷静に話す機会を設ける。第三者(専門家)を交えることも有効
③ 手続きが遅れてしまい、税務面で不利益に
- 相続税の申告期限(10ヶ月)を過ぎてしまう
- 税務調査で延滞税や過少申告加算税が発生
対策:預金だけでなく、不動産・株式・保険など相続全体を見渡す視点が必要です。状況に応じて早めに税理士と連携する。
手続きの準備や話し合いは、精神的にも体力的にも大きな負担です。
ですが、「何がトラブルになりやすいか」を事前に知っておくことで、回避できる確率は大幅に上がります。
次の章では、実際に銀行で必要になる「書類一式」について、くわしく見ていきましょう。
4. 銀行手続きに必要な書類リスト
銀行での相続手続きをスムーズに進めるためには、必要な書類を過不足なく準備することが何より重要です。
「これだけそろえれば基本はOK」という共通書類リストと、銀行ごとの違い、さらに書類取得の注意点までを整理していきます。
必要書類一覧(基本パターン)
多くの銀行で共通して求められる書類は、以下のとおりです。
すべての書類がそろって初めて、口座の解約や払い戻しが可能になります。
基本的な必要書類(全銀行共通のベース)
書類名 | 用途 | 説明 |
---|---|---|
死亡診断書または火葬許可証 | 死亡の証明 | コピーで可な場合も |
戸籍謄本(被相続人の出生〜死亡まで) | 相続人の確定 | 続柄・相続関係を証明 |
相続人全員の戸籍謄本 | 続柄の確認 | 同じく身分関係の確認用 |
相続人全員の印鑑証明書 | 実印の確認 | 発行から3ヶ月以内が望ましい |
遺産分割協議書 | 誰が何を相続するか | 全員の署名・実印押印が必要 |
被相続人の通帳・キャッシュカード | 口座確認 | 原本を求められることが多い |
相続手続依頼書(銀行指定の用紙) | 手続きの指示 | 銀行窓口で交付されることが多い |
補足で求められることがある書類
- 遺言書:公正証書遺言がある場合は原本+写し
- 残高証明書の取得依頼書:相続税申告などで必要になることも
- 相続関係説明図:戸籍の内容を図式化したもの(司法書士が作成することも)
- 委任状:代表相続人が他の相続人の代理をする場合に必要
銀行ごとの違い・具体例
銀行によって、フォーマットや提出書類の細かい要件が異なることがあります。
以下、主要な金融機関ごとの特徴を紹介します。
ゆうちょ銀行
- 専用の「相続手続請求書」の提出が必要(窓口または郵送)
- 一部の支店では、予約制での相談を推奨
- 通帳・印鑑が手元にない場合の「喪失届」も同時提出
三井住友銀行・三菱UFJ銀行などメガバンク
- 相続手続は本部集中処理型:支店では受付のみ、対応には日数がかかる
- 「遺産整理業務」を有料で代行するプランあり
- 銀行によっては、ネット上で相続手続の流れを確認&仮登録できるサービスも
地方銀行(地銀)
- 支店ごとに柔軟な対応をしてくれる場合が多い
- 手続きの際に相続人全員の来店を求められるケースもあるので注意
- 書類の不備があっても窓口で丁寧にサポートしてくれることが多い
書類の取り寄せ方と注意点
書類の取得には想像以上に時間と労力がかかることがあります。以下の点に注意してください。
1. 戸籍は「本籍地の役所」でしか取れない
- 被相続人の戸籍は、「出生から死亡まで」すべて必要
- 役所の合併や転籍があると、複数の自治体から取り寄せる必要があることも
- 郵送請求には1週間以上かかる場合あり
2. 印鑑証明書の発行期限に注意
- 多くの銀行が「発行から3ヶ月以内」と規定
- 提出時に期限が切れていると、再提出を求められる
3. 書類のコピー可否は銀行ごとに異なる
- 戸籍や遺言書などは原本提出が必要な場合もある
- 一部銀行では「原本提示+コピー提出」で対応可能
書類が1枚でも足りなかったり、不備があると再来店・手続きやり直しになることもあります。
不安な場合は、あらかじめ銀行窓口に確認したり、チェックリストを作っておくことがおすすめです。
次のセクションでは、特に重要な「ケース別:相続人の立場によって異なる手続き」について詳しく解説します!
5. ケース別:相続人の立場によって異なる手続き
相続手続きで最も混乱しやすいのが、「誰が相続人になるか」「その立場によって何が違うか」という点です。
ここでは代表的な5つのケースに分けて、手続きの違いや注意点を解説します。
【ケース1】配偶者が手続きを行う場合
特徴
- 配偶者は常に相続人となる(法定相続人の第一順位)
- 家計の管理者であることが多く、生活資金や支払いに直結
注意点
- 口座凍結により、光熱費・家賃・生活費の支払いが止まるリスク
- 預金の一部を早急に動かすには、葬儀費用の領収書等が必要な場合も
- 未成年の子が相続人に含まれる場合は、特別代理人の選任が必要になることもある
アドバイス
- 凍結前に生活費を一部引き出すのはグレーゾーンですが、必要最小限にとどめること
- 公正証書遺言があれば手続きが一気にスムーズに
【ケース2】子どもが手続きを行う場合(親の預金)
特徴
- 親の死後、相続手続きを担う立場に
- 兄弟姉妹が相続人となるため、分配を巡る対立が起きやすい
注意点
- 相続人が複数いる場合は、遺産分割協議が必須
- 「1人で全部やってしまおう」とすると、他の相続人の不信を招く
アドバイス
- 相続人全員の合意を重視し、協議書は必ず書面で残す
- 葬儀費用や入院費を立て替えた場合は、証明資料を揃えて「特別受益」扱いにならないよう注意
【ケース3】兄弟姉妹が相続人となる場合(子どもがいないケース)
特徴
- 配偶者なし・子どもなしの場合、法定相続人は兄弟姉妹またはその子(甥・姪)
- 被相続人と疎遠なことも多く、連絡や協力が難航しやすい
注意点
- 戸籍調査が非常に複雑(兄弟姉妹の数が多く、本籍地がバラバラ)
- 「代襲相続(甥・姪が相続人になる)」が発生するケースでは戸籍の精査が特に重要
アドバイス
- 相続関係説明図を作成して、関係性を視覚化すると手続きが進めやすい
- 疎遠な相続人とは、内容証明郵便で意思確認するのが確実
【ケース4】相続人が複数いる(配偶者+子ども など)
特徴
- 最も一般的なケース。相続人間での合意形成がカギ
- 感情や事情が絡み合い、公平性の確保が難しいことも
注意点
- 1人が勝手に預金を引き出すと、法的トラブルの火種に
- 分割協議が長引くと、凍結されたまま預金が使えない期間が続く
アドバイス
- 遺産分割協議は「対面」ではなく書面・オンラインで進めることで冷静に
- 行政書士・司法書士など、第三者の関与でスムーズに進むことが多い
【ケース5】法定相続人がいない/相続放棄がされた場合
特徴
- 相続人がいない、または全員が相続放棄した場合、預金はどうなる?
処理の流れ
- 財産は「相続財産法人」となり、家庭裁判所が管理
- 最終的には国庫に帰属(国のもの)となる
- 被相続人の世話をしていた人(内縁関係、知人など)は、「特別縁故者」として財産分与を受けられる可能性あり(申立てが必要)
アドバイス
- 法定相続人がいないことが明らかなら、速やかに家庭裁判所へ相談を
- 特別縁故者の認定はハードルが高いため、専門家のサポートがほぼ必須
このように、相続人の立場によって必要な書類や進め方、注意点が大きく異なります。
「自分はどのケースに当てはまるのか?」を最初に明確にすることが、最短での手続きへの第一歩です。
次のセクションでは、よく寄せられるQ&A形式での疑問・誤解をまとめて解消していきます!
6. Q&A:よくある質問
ここでは、銀行口座の相続に関して、実際によく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。
「これ、自分も気になってた!」という疑問がきっと見つかるはずです。
Q1. 死亡した人の口座からお金を引き出しても大丈夫?
A. 原則NGです。凍結前でも後でも、法的には“相続前の勝手な処分”と見なされる可能性があります。
たとえば、葬儀費用などで「家族のために使うつもりだった」としても、他の相続人から「不当利得」として返還請求されるリスクがあります。
対策
- 引き出す前に、他の相続人と合意を取り、可能であれば書面に残しておく
- 領収書・使途の記録を残し、「共通の費用であった」と後から証明できるようにする
Q2. 銀行に死亡を報告しなかったらどうなるの?
A. 報告しなくても、いずれ銀行側が死亡情報を把握し、凍結されます。
また、意図的に隠すと「隠匿」「背任」として法的問題に発展する可能性もあります。
- 残高を他の口座に移す
- 引き出して自由に使う
などの行為は、後日トラブルになりやすく、相続人間の信頼関係を崩す原因にも。
正しい対応は、死亡が確認できた時点で、速やかに銀行へ報告することです。
Q3. 遺言がある場合でも遺産分割協議は必要?
A. 基本的には不要です。ただし、遺言の内容によっては協議が必要になる場合もあります
公正証書遺言があり、預金の配分が明確に指定されていれば協議不要で手続きが可能です。
一方、自筆証書遺言では
- 内容が曖昧(例:財産の全体像が不明)
- 記載されていない財産がある
などの場合、相続人間で話し合って協議書を作成する必要があることも。
Q4. 相続放棄した人がいても手続きは進められる?
A. はい、進められます。ただし、相続放棄が確定している証明書類が必要です。
家庭裁判所が発行する「相続放棄受理証明書」を用意し、銀行に提出することで、その相続人を除外した手続きが可能になります。
注意点として、放棄しても最初は相続人と見なされるため、「手続きの対象から除外するには、放棄の正式書類が必須」という点にご注意を。
Q5. 預金以外に相続する財産がない場合でも手続きは必要?
A. はい、必要です。預金が少額であっても、法律上の相続財産として扱われます。
一部の銀行では、相続金額が一定額以下(例:100万円未満など)であれば、簡略化された「少額相続手続制度」を使える場合もあります。
とはいえ、必要書類や相続人全員の同意は依然として必要なことが多いため、「金額が小さい=簡単」と油断せず、きちんと確認することが大切です。
Q6. 専門家に依頼するのはいつがいい?
A. 書類の集め方や手続きの流れに不安がある時、できるだけ早く相談するのがおすすめです。
特に以下に該当する場合は、行政書士・司法書士・弁護士などの専門家のサポートが有効です。
- 相続人の数が多い or 連絡が取れない相続人がいる
- 自筆の遺言書が出てきたが、どう扱えばいいかわからない
- 預金以外に不動産・株なども相続対象になっている
初回相談は無料の事務所も多く、トラブルや再提出を防ぐコストとして見れば、むしろ効率的です。
読者の「困っている今」に応えるこのQ&Aが、少しでも不安を和らげる助けになれば幸いです。
次のセクションでは、実際に専門家に依頼するかどうかを迷っている方のために、判断基準や費用感をさらに詳しく解説していきます。
7. 専門家に相談すべきか?
死亡後の銀行手続きは、「自分でできるのかな?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
確かに、相続手続きは戸籍の収集や協議書の作成など、やることが多く、法律的な知識も求められる場面があります。
このセクションでは、どんな場合に専門家に相談すべきか、そして相談するならどの専門家が適しているのかを整理していきます。
自分でできる範囲/専門家に任せるべき境界線
自分でできるケース
- 相続人が1人だけ
- 遺言が明確で、内容に争いがない
- 預金額が少なく、他に財産がない
- 書類の取得・提出に慣れている
専門家に相談すべきケース
- 相続人が複数いて意見が合わない
- 自筆遺言が出てきた/有効かわからない
- 相続人が海外にいる or 行方不明
- 相続財産が多岐にわたる(不動産・株・保険など)
- 手続きを急ぎたい、仕事が忙しくて動けない
上記に1つでも当てはまる場合は、専門家への早期相談がトラブル回避の近道です。
専門家の種類と役割の違い
行政書士
- 書類作成・手続き代行が中心
- 相続人調査・相続関係説明図・遺産分割協議書の作成なども対応
- 【銀行手続きに強い】
相続額がそこまで多くなく、「手続きだけを任せたい」人におすすめ。
司法書士
- 登記(不動産相続)に強い
- 相続関係説明図の作成や法定相続証明情報の取得も可能
- 不動産相続がある場合に頼れる存在
弁護士
- 相続争い(遺留分・異議申し立てなど)に対応可能
- 調停・訴訟も視野に入るケースで必須
トラブルになりそうな場合や、既に揉めている場合は弁護士がベスト。
税理士
- 相続税の申告・節税対策に強い
- 相続財産が多額/事業承継がある場合はマスト
費用の目安(あくまで一例です)
専門家 | 費用相場(目安) | 備考 |
---|---|---|
行政書士 | 5〜15万円 | 書類作成・銀行手続き代行等 |
司法書士 | 10〜20万円 | 不動産登記含む場合は+α |
弁護士 | 30万円〜(着手金+成功報酬) | 相続争いなど複雑な案件向き |
税理士 | 10〜50万円 | 相続財産の1〜2%が目安 |
専門家選びで後悔しないために
- 相続手続きの実績があるかを確認
- 地元の銀行・市役所との連携に慣れているか
- 説明が丁寧で、費用が明確なところを選ぶ
- 可能なら複数社で相見積もり・無料相談を試す
「全部自分でやらなきゃ」と思い込む必要はありません。不安を感じた時点で、すでに誰かの力を借りるタイミングです。
次のセクションでは、これまでの内容を振り返りながら、読者が落ち着いて行動できるよう背中を押すまとめパートをお届けします。
8. まとめ
家族の死は、精神的にも現実的にも、多くのことを一度に抱えなければならない出来事です。
その中でも、銀行口座の凍結と相続手続きは避けて通れない重要なステップです。
まず知っておいてほしいこと
- 銀行口座は、死亡と同時に凍結される
- 引き出しや振込ができなくなり、生活に支障が出ることもある
- 正しい手続きを踏めば、凍結解除や払い戻しは可能
- 相続人の関係性・人数によって、手続きの難易度が大きく変わる
この基本を知っておくだけで、不安はぐっと軽くなります。
順番にやれば、必ず前に進めます
死亡後の銀行手続きには、明確なステップがあります。
- 銀行に死亡を連絡する
- 必要書類を集める(戸籍・印鑑証明など)
- 相続人を確定する
- 協議書を作成する(または遺言に従う)
- 銀行に提出して、口座を解約・払い戻し
複雑に見えても、1つずつ進めれば必ずゴールにたどり着けます。
専門家の力を借りてもいい
「自分で全部やらなきゃ」と思う必要はありません。
行政書士・司法書士・弁護士など、手続きのプロに相談することは、立派な選択肢です。
- 時間がない
- 書類の集め方がわからない
- 相続人と連絡が取りづらい
そんなときは、ためらわずに専門家に声をかけてください。
そして、あなたに伝えたいこと
この記事にたどり着いたあなたは、きっと不安や戸惑いを抱えていたと思います。
でもここまで読んでいただいたということは、次の一歩を踏み出す準備が整っているということです。
どうか焦らず、ゆっくりでも構いません。このページが、あなたの行動を少しでも支える「ガイド」になれたら幸いです。