三菱UFJ信託銀行に口座がある方が亡くなった場合、
「相続手続きは何から始めればいいのか分からない」と感じる方は多いのではないでしょうか。
相続手続きは、戸籍の収集や財産の調査、名義変更など、やるべきことが多く、決して簡単ではありません。
さらに、信託銀行の場合は通常の銀行と異なる点もあり、判断に迷いやすいのが特徴です。
特に多いのが、
「信託銀行に口座があるなら、そのまま任せられるのでは?」という疑問です。
しかし実際には、
三菱UFJ信託銀行の相続サポートは、口座があるだけで自動的に利用できるものではありません。
遺言信託や遺産整理業務などのサービスは、あらかじめ契約している場合に限り利用できる仕組みです。
そのため相続発生後は、
- 自分で手続きを進めるのか
- 専門家に依頼するのか
- 信託銀行のサービスを利用するのか
といった判断が必要になります。
この記事では、三菱UFJ信託銀行の相続手続きの基本を整理したうえで、
「自分でやるべきか、任せるべきか」を判断するためのポイントをわかりやすく解説します。

目次
①三菱UFJ信託銀行で相続が発生したときに最初に確認すべきこと
まず確認すべきは「サービス契約の有無」
三菱UFJ信託銀行で相続が発生した場合、最初に確認すべきなのは、
遺言信託や遺産整理業務などの相続サポートサービスを契約しているかどうかです。
これらのサービスを契約している場合は、銀行が窓口となり、相続手続きを一括して進める体制が整っているため、手続きの負担を大きく軽減できます。
一方で、契約していない場合は、相続人自身が中心となって手続きを進める必要があります。

口座があるだけでは相続手続きは代行されない
「信託銀行に口座がある=相続も任せられる」と考えてしまいがちですが、
口座の管理と相続サポートは別の仕組みです。
三菱UFJ信託銀行の相続サービスは、あくまで契約に基づくサービスであり、口座があるだけで自動的に手続きを代行してもらえるわけではありません。
相続対応の有無は「口座」ではなく「契約」で決まる点に注意が必要です。
信託銀行の相続手続きは専門家との連携で進む
三菱UFJ信託銀行の相続サポートは、銀行単独で完結するものではなく、各分野の専門家と連携して進められます。
具体的には、以下のような役割分担になります。
- 不動産の名義変更 → 司法書士
- 相続税の申告 → 税理士
- 相続トラブル対応 → 弁護士
- 遺産分割協議書の作成 → 行政書士
信託銀行はこれらの専門家をまとめる“窓口”として機能し、手続きを一括で管理する仕組みです。
つまり、信託銀行に依頼した場合でも、実際の手続き自体は専門家が担っている点は理解しておく必要があります。
自分でやるか任せるかを最初に判断する
ここまでを踏まえると、最初に考えるべきポイントは明確です。
相続手続きを「自分で行うのか」「専門家や信託銀行に任せるのか」
この選択によって、手続きの負担や費用は大きく変わります。
一般的に、
- 自分でやる → コストは低いが手間が大きい
- 専門家に直接依頼 → コストは中程度で柔軟
- 信託銀行 → コストは高めだが手間は大幅に軽減
という関係になります。
コストを抑えるか、手間を減らすか。このバランスで判断することが重要です。
また、三菱UFJ信託銀行に口座がある方は一定の資産を保有しているケースも多く、
「費用よりも手続きの確実性や負担軽減を重視する」という選択も現実的です。
相続手続きでは、まず銀行口座が凍結されることから始まります。
口座凍結の仕組みや解除方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
②三菱UFJ信託銀行の相続手続きの流れ
三菱UFJ信託銀行における相続手続きも、基本的な流れ自体は一般的な銀行と大きくは変わりません。
ただし、実際には各ステップで手間や判断が必要になる場面が多くあります。
ここでは、全体の流れとあわせて、実際につまずきやすいポイントも整理していきます。

まず最初に行うのが、相続人の確定です。
被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集し、法定相続人を確定させます。
詰まりやすいポイント
- 戸籍をさかのぼって取得する必要がある
- 本籍地が複数あると取り寄せが煩雑
- 古い戸籍は読みづらく、解釈が難しい
この段階で想定以上に時間がかかるケースは少なくありません。
次に、どのような財産があるのかを調査します。
預貯金・不動産・有価証券など、すべての相続財産を把握する必要があります。
詰まりやすいポイント
- どの金融機関に口座があるか分からない
- 休眠口座や見落としが発生する
- 不動産の把握に時間がかかる
財産の全体像が見えないと、その後の手続きが進められません。
遺言書がない場合は、相続人全員で遺産の分け方を決めます。
合意内容は遺産分割協議書として書面化します。
詰まりやすいポイント
- 相続人同士で意見がまとまらない
- 連絡が取れない相続人がいる
- 書面の不備で手続きが進まない
この段階でトラブルになると、手続き全体が長期化する可能性があります。
決定した内容に基づき、各財産の名義変更や解約手続きを行います。
詰まりやすいポイント
- 金融機関ごとに必要書類が異なる
- 不動産の登記には専門知識が必要
- 書類不備で差し戻しになることがある
手続きの数が多く、最も負担を感じやすい工程です。
相続財産が一定額を超える場合は、相続税の申告・納付が必要になります。
期限は「相続開始から10か月以内」です。
詰まりやすいポイント
- 申告期限がある(延長できない)
- 評価方法が複雑
- 専門知識がないと正確な申告が難しい
期限があるため、他の手続きと並行して進める必要があります。
ここまでの流れを見ると分かる通り、相続手続きは一つひとつはシンプルでも、全体としては手間がかかるのが特徴です。
「自分で対応できる範囲なのか」「専門家に任せた方がよいのか」を、この段階で考えておくことが重要です。

③相続手続きが大変と言われる理由
相続手続きは、一つひとつの作業自体は特別に難しいわけではありません。
しかし、実際に進めてみると「思ったより大変だった」と感じる方が多いのも事実です。
ここでは、その理由を整理していきます。
手続きの範囲が広く、複数の対応が必要になる
相続手続きでは、
- 戸籍の取得(役所)
- 預貯金の解約(金融機関)
- 不動産の名義変更(法務局)
といったように、複数の機関に対して手続きを行う必要があります。
それぞれ窓口や必要書類が異なるため、同時並行で進める負担が大きくなりやすいのが特徴です。
必要書類が多く、準備に時間がかかる
相続手続きでは、戸籍謄本や住民票、印鑑証明書など、多くの書類が必要になります。
さらに、
- 取得に時間がかかる
- 有効期限がある書類もある
- 不備があると再提出になる
といった点もあり、スムーズに進まないことも少なくありません。
「書類を揃えるだけで想定以上に時間がかかる」というケースは多く見られます。
専門知識が求められる場面がある
相続手続きの中には、専門知識が必要になる場面もあります。
例えば、
- 不動産の登記手続き
- 相続税の申告
- 遺産分割協議書の作成
などは、内容によっては判断が難しいケースもあります。
内容を正しく理解しないまま進めると、後から修正が必要になる可能性もあります。
相続人間の調整が必要になることもある
遺言書がない場合、相続人全員で遺産の分け方を決める必要があります。
この際、
- 意見がまとまらない
- 感情的な対立が生じる
- 手続きが止まってしまう
といったケースもあります。
手続きそのものよりも「人間関係の調整」が負担になることもあります。
ここまで見てきたように、相続手続きは
「作業量の多さ」と「調整の難しさ」が重なることで、負担が大きくなりやすい手続きです。
そのため、すべてを自分で対応するのか、専門家や信託銀行のサポートを活用するのかを早めに検討することが重要になります。
手続き全体の流れを把握しておくことで、やり直しを防ぐことができます。
相続手続きの流れと必要書類をまとめて確認したい方はこちら
④三菱UFJ信託銀行の相続サポートサービス
三菱UFJ信託銀行では、相続に関する手続きをサポートするための各種サービスが用意されています。
これらを利用することで、相続手続きの負担を軽減できる可能性があります。
ここでは代表的なサービスの概要を整理します。

遺産整理業務とは
遺産整理業務とは、相続発生後の手続きをまとめて代行するサービスです。
具体的には、
- 相続人の確認
- 財産の調査
- 遺産分割に関する手続き
- 預貯金や有価証券の名義変更
など、相続に関する一連の手続きをサポートします。
複数の手続きをまとめて任せられる点が大きな特徴です。
遺言信託とは
遺言信託は、生前に契約しておくことで、
- 遺言書の作成サポート
- 遺言書の保管
- 相続発生後の遺言執行
までを一括して任せることができるサービスです。
あらかじめ準備しておくことで、相続発生後の手続きをスムーズに進めやすくなります。
信託銀行のサービスは専門家と連携して進められる
これらの相続サポートサービスは、銀行単独で完結するものではありません。
実際には、
- 司法書士(不動産登記)
- 税理士(相続税申告)
- 弁護士(トラブル対応)
- 行政書士(書類作成)
といった専門家と連携して進められます。
信託銀行は窓口として全体を管理し、各専門家と連携して手続きを進める仕組みです。
利用するためには契約が必要
重要なポイントとして、これらのサービスは
あらかじめ契約している場合、または相続発生後に別途依頼した場合に利用できるものです。
口座があるだけで自動的に適用されるわけではないため、注意が必要です。
三菱UFJ信託銀行の相続サポートサービスは、
手続きを一括で任せられる点が大きなメリットです。
一方で、
- 専門家との連携が前提となる仕組み
- 契約が必要
- コストがかかる
といった特徴もあります。
そのため、「手間を減らしたいのか」「コストを抑えたいのか」という視点で、自分に合った方法を選ぶことが重要です。
⑤注意点|三菱UFJ信託のサービスは万能ではない
三菱UFJ信託銀行の相続サポートサービスは、手続きをまとめて任せられる便利な仕組みです。
しかし、すべてのケースにおいて最適とは限らず、いくつか注意すべきポイントがあります。
ここでは、利用を検討するうえで押さえておきたい点を整理します。

口座があるだけではサービスは利用できない
繰り返しになりますが、最も重要なのはこの点です。
三菱UFJ信託銀行の相続サポートは、口座があるだけで自動的に利用できるものではありません。
遺言信託や遺産整理業務などは、あくまで契約に基づくサービスであり、
利用するためには事前または相続発生後に別途手続きが必要になります。
サービスは「銀行単独」ではなく専門家との連携で成り立つ
三菱UFJ信託銀行の相続サポートは、銀行がすべての手続きを行うわけではありません。
銀行は窓口として全体を管理し、実際の手続きは各分野の専門家が担う仕組みです。
このような構造になっているため、
銀行への手数料に加えて、専門家への報酬も発生する点には注意が必要です。になっています。
そのため、同じ業務内容であれば、専門家に直接依頼する方がコストを抑えられるケースも多くなります。
コストは高くなりやすい構造
この仕組み上、費用についても理解しておく必要があります。
三菱UFJ信託銀行のサービスは、銀行への手数料に加えて専門家への報酬も発生するため、全体のコストが高くなりやすい傾向があります。
一方で、
専門家に直接依頼する場合は、必要な業務だけを個別に依頼できるため、コストを抑えやすいのが特徴です。
そのため、
コスト面だけで見ると、専門家へ直接依頼した方が安くなるケースが多いと考えられます。
それでも利用される理由は「手間の軽減」
ここまで見ると、信託銀行のサービスは割高に感じるかもしれません。
しかし実際には、
「手続きをまとめて任せられる」というメリットを重視して選ばれるケースも多くあります。
- 複数の専門家に個別に依頼する必要がない
- 手続きの進行管理を任せられる
- 全体を一括で把握できる
いわば「手間をお金で解決するサービス」と考えると分かりやすいでしょう。
ここまでを整理すると、結論はシンプルです。
三菱UFJ信託銀行の相続サービスは「便利だが万能ではない」
コストは高くなりやすいが、その分手続きの負担を大きく減らせる
重要なのは「良い・悪い」で判断するのではなく、自分にとって必要な範囲かどうかで選ぶことです。

⑥自分でやる?任せる?判断のポイント
ここまで見てきたように、相続手続きにはいくつかの選択肢があります。
- 自分で手続きを進める
- 専門家に依頼する
- 信託銀行のサービスを利用する
それぞれにメリット・デメリットがあるため、状況に応じて選ぶことが重要です。
ここでは、具体的な判断の目安を整理します。
自分で相続手続きを進めてもよい人
以下のようなケースであれば、自分で対応することも現実的です。
- 相続人が少なく、関係がシンプル
- 財産が預貯金中心で分かりやすい
- 平日に動ける時間がある
- 手間がかかっても費用を抑えたい
「時間と手間をかけてでもコストを抑えたい人」は、自分での対応が向いています。
専門家に依頼した方がよい人
一方で、以下のような場合は専門家への依頼を検討した方がよいでしょう。
- 手続きに不安がある
- 不動産や複数の金融機関がある
- 相続人同士の関係に不安がある
- 仕事や家庭で時間が取れない
「確実に進めたい」「ミスやトラブルを避けたい人」は、専門家への依頼が適しています。
三菱UFJ信託銀行のサービスが向いている人
三菱UFJ信託銀行の相続サービスは、次のような方に向いています。
- すでに遺言信託や遺産整理業務を契約している
- 手続きを一括で任せたい
- 複数の専門家とのやり取りを一本化したい
- コストよりも手間や負担の軽減を重視したい
「手間を減らし、全体をまとめて任せたい人」は信託銀行の活用が有力な選択肢です。
コストと手間のバランスで考える
相続手続きの選択は、シンプルに整理すると次の通りです。
- 自分でやる → コストは低いが手間が大きい
- 専門家に直接依頼 → コストと手間のバランスが取れる
- 信託銀行 → コストは高めだが手間は大幅に軽減
「手間を減らすほどコストは上がる」これが基本的な構造です。
一般的に、同じ業務内容であれば、専門家へ直接依頼した方がコストを抑えられるケースが多いと考えられます。
一方で、
信託銀行は窓口が一本化されるため、手続きの負担を大きく軽減できるというメリットがあります。
最終的な判断基準
ここまでを踏まえると、判断基準はシンプルです。
「コストを優先するか」「手間や確実性を優先するか」
特に、三菱UFJ信託銀行に口座がある方は、一定の資産規模があるケースも多く、
「費用よりも手続きの負担や確実性を重視する」という選択も現実的です。
相続手続きに正解はなく、自分の状況に合った方法を選ぶことが重要です。
迷った場合は、一度専門家に相談し、全体を整理したうえで判断するのが現実的な進め方といえるでしょう。
⑦よくある質問(FAQ)
Q1:三菱UFJ信託銀行の相続手続きはどこに相談すればいいですか?
三菱UFJ信託銀行に口座がある場合は、まずは該当の支店や担当窓口に問い合わせるのが一般的です。
ただし、相続サポートサービスを利用していない場合は、自分で手続きを進めるか、専門家に相談する必要があります。
Q2:口座があるだけで相続手続きを代行してもらえますか?
いいえ、代行してもらえるわけではありません。
三菱UFJ信託銀行の相続サポートは、あらかじめ契約している場合、または別途依頼した場合に限り利用できるサービスです。
Q3:相続手続きにはどれくらいの期間がかかりますか?
一般的には、数か月〜半年程度かかるケースが多いです。
ただし、
- 相続人の数
- 財産の内容
- 手続きの進め方
によって大きく変わるため、一概には言えません。
Q4:信託銀行と専門家、どちらに依頼するべきですか?
目的によって異なります。
- 手続きをまとめて任せたい → 信託銀行
- コストを抑えつつ柔軟に対応したい → 専門家
コストと手間のどちらを優先するかで判断するのがポイントです。
Q5:専門家に直接依頼した方が安いですか?
一般的には、専門家に直接依頼した方がコストを抑えられるケースが多いと考えられます。
信託銀行は専門家との連携を前提とした仕組みのため、全体の費用が高くなりやすい傾向があります。
手続き全体の流れを把握しておくことで、やり直しを防ぐことができます。
相続手続きの流れと必要書類をまとめて確認したい方はこちら
銀行によって相続手続きの流れや注意点は微妙に異なります。
他の銀行のケースも確認しておくことで、全体像をより正確に把握できます
三井住友銀行の相続手続き・凍結後の流れを詳しく知りたい方はこちら
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まとめ|三菱UFJ信託銀行の相続は「状況に応じた判断」が重要
三菱UFJ信託銀行の相続手続きは、基本的な流れ自体は他の金融機関と大きく変わりません。
しかし、
- 相続サポートサービスは契約が前提であること
- 専門家との連携で成り立つ仕組みであること
- コストと手間のバランスを考える必要があること
といった点は、理解しておく必要があります。
特に重要なのは、「口座がある=任せられる」わけではないという点です。
そのうえで、
- 自分で進めるのか
- 専門家に依頼するのか
- 信託銀行を利用するのか
を状況に応じて判断することが大切です。
相続手続きは「何を選ぶか」ではなく、「自分にとって過不足のない方法を選べているか」が重要です。
もし、
- 「信託銀行のサービスって結局どうなの?」
- 「遺言信託って使うべき?」
と迷っている場合は、こちらの記事も参考にしてください
遺言信託とは?家族信託との違いと失敗しない選び方
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