戸建住宅などにホームエレベーターや階段昇降機を設置する場合、工事の内容や請負金額によっては建設業許可が必要になります。
これらの設備は住宅向けの比較的小規模な工事が多いものの、機器本体の価格や据付工事費によっては、建設業許可が必要となる500万円の基準を超えることがあるためです。
例えば、住宅設備会社がホームエレベーターの販売から据付まで一括して請け負う場合や、リフォーム会社が住宅改修とあわせて階段昇降機を設置する場合などが考えられます。
この記事では、ホームエレベーター・階段昇降機の設置工事に必要な建設業許可の判断基準、機器の価格相場、許可業種、新規取得の要件について解説します。
目次
①ホームエレベーター・階段昇降機の設置工事の具体例
ホームエレベーターや階段昇降機は、住宅内の階段移動を補助するために設置される昇降設備です。
主に戸建住宅や小規模な建物で使用され、設備の種類によって設置方法や工事内容が異なります。
ホームエレベーターの新設・更新工事
ホームエレベーターは、住宅の上下階を移動するための小型エレベーターです。
新設工事では、昇降路の整備に加え、かご、ガイドレール、駆動装置、制御装置などの据付を行います。
例えば、2階建て住宅にホームエレベーターを後付けする場合、床の開口や昇降路の設置など、建物側の改修工事が必要になることがあります。
また、既存のホームエレベーターでは、老朽化した駆動装置や制御装置の更新工事が行われる場合もあります。
ホームエレベーターの設置では、昇降設備本体の据付だけでなく、建物側の改修工事も含めて施工範囲を確認することが重要です。
椅子式・車いす対応型の階段昇降機
階段昇降機は、既存の階段に沿って移動する設備で、主に椅子式と車いす対応型があります。
ホームエレベーターとは異なり、階段に沿ってレールなどを設置する方式が一般的です。
| 設備の種類 | 主な設置工事の内容 |
|---|---|
| 直線型の椅子式階段昇降機 | 直線階段へのレール取付け、椅子・駆動装置の設置 |
| 曲線型の椅子式階段昇降機 | 階段の曲がりや踊り場に合わせた専用レールの取付け |
| 車いす対応型階段昇降機 | 車いすを載せる平台、ガイドレール、駆動装置などの設置 |
例えば、2階建て住宅の直線階段に椅子式階段昇降機を取り付ける場合、階段にレールを固定し、椅子と駆動装置を設置します。
一方、階段が途中で曲がる住宅では、階段の形状に合わせた専用レールの製作・取付けが必要になることがあります。
階段昇降機の設置工事は、設備の種類や階段の形状によって施工内容が異なります。
なお、ホームエレベーターと階段昇降機では、建築基準法上の取り扱いも異なる場合があります。設置する設備の構造や用途に応じて、必要な手続きを確認することが重要です。
ホームエレベーターや固定式の階段昇降機を設置する際に、介護福祉士などの介護系資格が一律に求められるわけではありません。
ただし、設備の種類に応じた建築基準法上の規制や電気工事に関する資格、建設業許可の要否などは別途確認する必要があります。
マンションやオフィスビルなどに設置される一般的な乗用エレベーターについては、乗用エレベーターの据付・更新工事と建設業許可で詳しく解説しています。
②ホームエレベーター・階段昇降機の設置に建設業許可が必要な理由
ホームエレベーターや階段昇降機の設置工事には、専門的な施工技術と安全管理が求められます。
これらは人を運ぶ設備であり、機器の取付けや固定に不備があれば、転落や設備の故障など、重大な事故につながるおそれがあるためです。
例えば、ホームエレベーターでは、かごやガイドレール、駆動装置などを正確に設置する必要があります。また、階段昇降機では、利用者の体重や機器の荷重を支えられるよう、レールや支持部を適切に固定することが重要です。
こうした設置工事のうち、建設工事に該当するものは建設業法の対象となり、請負金額に応じて建設業許可が必要です。
建設業法は、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護することなどを目的としているためです。
そのため、昇降設備メーカーだけでなく、機器の販売と設置を行う住宅設備会社や、住宅リフォーム会社から工事を請け負う専門施工会社にも、建設業許可が必要になる場合があります。
このように、ホームエレベーターや階段昇降機の設置工事では、利用者の安全を確保するため、建設業法に基づく適切な施工体制が重要になります。
③ホームエレベーター・階段昇降機の設置に建設業許可が必要となる条件
ホームエレベーターや階段昇降機の設置工事では、1件の工事の請負代金が500万円以上(税込)であれば、原則として建設業許可が必要です。
ただし、許可の要否は据付工事費だけでなく、機器本体の代金や契約内容も含めて判断する必要があります。
500万円未満の軽微な建設工事
1件の請負代金が500万円未満(税込)の工事は「軽微な建設工事」に該当し、そのような工事のみを請け負う場合は、建設業許可を取得せずに営業できます。
例えば、既存住宅に階段昇降機を設置する工事で、機器代金と据付工事費を含む請負金額が200万円(税込)であれば、金額上は軽微な建設工事に該当します。
一方、ホームエレベーターの設置では、機器本体に加えて建物側の改修工事が必要となり、請負金額が500万円を超える場合もあります。
機器代金と据付工事費の判断
ホームエレベーターや階段昇降機の設置では、機器の販売と据付工事を一体として請け負う場合、機器代金を含めて契約の実態から請負金額を判断する必要があります。
また、メーカーや元請会社などの注文者から、工事に使用する機器・材料を支給される場合は、その市場価格や運送費を請負代金に加えて判断します。
例えば、次のようなケースです。
| 契約内容 | 金額(税込) |
|---|---|
| メーカー支給のホームエレベーター機器の市場価格 | 400万円 |
| 専門施工会社の据付工事費 | 150万円 |
| 判定上の合計額 | 550万円 |
※金額は判断方法を説明するための仮定例で、実際の市場価格ではありません。運送費が別途発生する場合は、その扱いも確認します。
この場合、専門施工会社の据付工事費は150万円でも、支給機器の市場価格を加えると550万円となり、建設業許可が必要となる金額基準を超えます。
ホームエレベーターや階段昇降機の設置工事では、工事費だけでなく、機器の販売・支給方法を含めて許可の要否を判断することが重要です。
④ホームエレベーター・階段昇降機の設置費用と許可の必要性
ホームエレベーターや階段昇降機の設置工事では、設備の種類や施工範囲によって、建設業許可が必要になるかどうかが変わります。
設備本体の価格に大きな差があり、比較的小規模な工事であっても、機器代金や建物の改修費用を含めると500万円以上になる場合があるためです。
ホームエレベーターの本体価格と設置費用
ホームエレベーターの設置費用は、本体価格と工事費を合わせて約250万〜500万円が一つの目安です。高性能な機種では600万円以上になる場合もあります。
例えば、新築住宅にホームエレベーターを設置する場合は、建物の設計段階から昇降路を確保できるため、比較的施工しやすくなります。
一方、既存住宅への後付けでは、床の開口や間取りの変更、構造補強などが必要となり、設置費用が高くなることがあります。
このように、ホームエレベーターは一般的な住宅向け設備であっても、機器の仕様や建物の改修範囲によって500万円の基準を超える可能性があります。
階段昇降機の種類別の費用目安
階段昇降機は、一般的な椅子式では500万円未満に収まるケースが多い一方、車いす対応型では500万円以上になる場合があります。
階段の形状や設備の構造によって、本体価格と設置費用が大きく異なるためです。
公開されている参考価格は、次のとおりです。
| 階段昇降機の種類 | 本体価格の目安 |
|---|---|
| 屋内・直線型の椅子式 | 80万円〜 |
| 屋内・曲線型の椅子式 | 180万円〜 |
| 屋外・直線型の椅子式 | 110万円〜 |
| 車いす対応型・直線階段 | 400万円〜 |
| 車いす対応型・曲線階段 | 650万円〜 |
2026年10月時点の参考価格。本体価格であり、標準設置工事費や追加の電気工事費などは含みません。
例えば、一般的な直線階段に椅子式階段昇降機を設置する場合、本体価格と据付工事費を合わせても500万円未満となることが考えられます。
一方、曲線階段に車いす対応型の昇降機を設置する場合は、本体価格だけで500万円を超える例があります。
同じ階段昇降機でも、椅子式と車いす対応型では、建設業許可の必要性を判断するうえで価格面の条件が大きく異なります。
住宅改修工事と一括契約する場合の注意点
ホームエレベーターや階段昇降機を住宅リフォームと一括して請け負う場合は、昇降設備の設置費用だけでなく、契約全体の工事内容を確認する必要があります。
例えば、住宅リフォーム会社がホームエレベーターの設置と、それに伴う床の改修や内装工事をまとめて受注するケースです。
| 工事内容 | 金額(税込) |
|---|---|
| ホームエレベーター本体・据付工事 | 400万円 |
| 床の開口・補強・内装工事 | 180万円 |
| 契約総額 | 580万円 |
※建設業許可の判断方法を説明するための仮定例です。実際の市場価格ではありません。
この場合、契約総額は500万円を超えています。ただし、必要な許可業種や金額基準は、実際の工事内容と契約形態によって判断します。
住宅リフォーム会社が元請となる場合でも、住宅改修という名称だけで建築一式工事に該当するわけではありません。専門工事として請け負う場合は、原則として500万円の基準が適用されます。
また、工事を複数の契約に分けた場合でも、正当な理由のない契約分割については、原則として請負金額を合算して判断します。
住宅向けの昇降設備では、機器本体の価格、建物の改修範囲、元請・下請の契約内容を確認し、建設業許可の要否を判断することが重要です。
⑤ホームエレベーター・階段昇降機で検討する建設業許可の業種
ホームエレベーターや階段昇降機の設置工事では、機械器具設置工事業が主な検討対象となります。
国土交通省の建設工事の業種区分では、機械器具設置工事業の「運搬機器設置工事」に昇降機設置工事が含まれるためです。ただし、設備本体の据付に伴う電気工事や住宅の改修工事については、実際の施工内容によって必要な許可業種が異なります。
主な工事と関連する許可業種は、次のとおりです。
| 建設業許可の業種 | 工事内容の例 |
|---|---|
| 機械器具設置工事業 | ホームエレベーター本体や階段昇降機のレール・駆動装置などの設置工事 |
| 電気工事業 | 昇降設備への電源供給、専用回路や配線などの電気設備工事 |
| 大工工事業 | ホームエレベーター設置に伴う木造住宅の床開口、下地や木造部分の補強工事 |
| 内装仕上工事業 | 設置に伴う壁・天井・床仕上げなどの内装工事 |
例えば、既存の木造住宅にホームエレベーターを後付けする場合、設備本体の据付に加え、床の開口や補強、電気配線、内装の復旧などが必要になることがあります。
この場合、住宅設備会社やリフォーム会社が、関連するすべての業種の建設業許可を取得する必要があるとは限りません。
主たる機械器具設置工事に伴う大工工事や電気工事などが「附帯工事」に該当する場合は、機械器具設置工事業の許可で一体として請け負うことができます。
例えば、ホームエレベーターの設置を主たる工事として請け負い、附帯する床の補強工事や電気工事を、それぞれの専門業者に外注する方法があります。
ただし、附帯工事に該当しない独立した工事については、原則としてその業種の許可が必要です。また、附帯工事を自社で施工する場合にも、工事内容に応じて専門技術者の配置や電気工事に関する資格などが求められます。
ホームエレベーターや階段昇降機の設置に伴う電源工事や配線工事については、電気工事業の建設業許可と取得条件で詳しく解説しています。
一方、住宅リフォーム会社が元請となる場合は、住宅改修全体の工事内容を確認する必要があります。リフォーム工事という名称だけで建築一式工事業に該当するわけではありません。
ホームエレベーターや階段昇降機の設置工事では、自社が請け負う工事の範囲と、専門業者への外注を含む施工体制から、必要な許可業種を判断することが重要です。
建設工事の業種区分については、建設業許可29業種の選び方でも解説しています。
⑥ホームエレベーター・階段昇降機の設置会社が建設業許可を取得するための要件
ホームエレベーターや階段昇降機の設置工事で新規に建設業許可を取得するには、建設工事の経営経験、営業所技術者等の配置、財産的基礎などの要件を満たす必要があります。
これらの要件は、昇降設備メーカーだけでなく、住宅設備会社や販売施工会社、リフォーム会社から工事を請け負う専門施工会社にも適用されます。
経営業務の管理体制
建設業許可を取得するには、建設工事の経営を適切に管理できる体制が必要です。
代表的な要件として、法人では常勤役員のうち1人が、建設業に関して5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有することが挙げられます。このほかにも、一定の経営経験と補佐体制を組み合わせる方法などがあります。
例えば、住宅設備会社の代表者が、ホームエレベーターの販売だけでなく、据付工事の請負についても継続して経営管理を行ってきた場合、その経験を要件の確認に利用できる可能性があります。
重要なのは、設備の販売実績や会社の経営年数だけでなく、建設工事の経営に関する経験があるかどうかです。
営業所技術者等の資格と実務経験
建設業許可を取得するには、許可を受ける営業所ごとに、取得する業種に対応した資格や実務経験を持つ「営業所技術者等」を専任で配置する必要があります。
一般建設業許可では、国家資格や指定学科の学歴などによる要件を利用しない場合、原則として取得する業種に関する10年以上の実務経験が必要です。
例えば、ホームエレベーターの据付工事や階段昇降機の設置工事について、施工や施工管理に長年携わってきた技術者は、実際の工事内容によって、その経験を営業所技術者等の要件に利用できる可能性があります。
また、指定学科を卒業している場合は、学歴に応じて必要な実務経験が3年または5年に短縮されることがあります。対象となる国家資格等によって要件を満たす方法もあります。
ただし、機器の販売や保守・点検だけの経験は、原則として建設工事の実務経験には含まれません。
実際に担当した設置工事の内容と経験期間を確認することが重要です。
資格・学歴・実務経験の証明方法については、営業所技術者等の要件を証明する資料で詳しく解説しています。
財産的基礎・営業所・社会保険などの要件
建設業許可の取得には、経営経験や営業所技術者等の配置に加え、財産的基礎や営業所などの要件も満たす必要があります。
東京都知事・一般建設業許可では、主に次の事項を確認します。
| 確認項目 | 主な要件 |
|---|---|
| 財産的基礎 | 自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力など |
| 営業所 | 建設工事の請負契約に関する営業活動を行う実体のある営業所 |
| 社会保険 | 健康保険・厚生年金保険・雇用保険への法令に応じた適切な加入 |
| 誠実性 | 請負契約に関して不正・不誠実な行為をするおそれがないこと |
| 欠格要件 | 建設業法に定める欠格要件に該当しないこと |
例えば、既存の住宅設備会社が建設業許可を取得する場合、現在の事務所が建設業法上の営業所としての要件を満たしていれば、新たに建設業専用の事務所を設ける必要はありません。
また、小規模な階段昇降機の設置会社でも、必要な経営経験や技術者を確保し、その他の要件を満たせば建設業許可を取得できます。
新規許可の取得を検討する際は、経営者の経験、技術者の資格・実務経験、営業所や財産的基礎を確認し、不足する要件を整理することが重要です。
⑦ホームエレベーター・階段昇降機の設置会社が新規許可を取得するときの注意点
ホームエレベーターや階段昇降機の設置会社が新規に建設業許可を取得する際は、過去の設置工事の実績と、その経験を証明できる資料を確認することが重要です。
特に、機器の販売と据付を一括して行う住宅設備会社や、メーカーの協力会社として設置工事を請け負う専門施工会社では、契約内容と実際の施工実績を区別して整理する必要があります。
住宅設備会社・販売施工会社の工事実績
住宅設備会社や販売施工会社が建設業許可を取得する場合、機器の販売実績だけでは、建設工事の経験として認められません。
建設業許可では、設備を販売した実績と、建設工事に該当する設置工事の実績を区別するためです。
例えば、階段昇降機を10年間販売してきた会社でも、機器の販売だけを行い、据付工事はすべて別会社が直接請け負っていた場合、販売実績だけでは建設工事の経験を証明できません。
一方、ホームエレベーターの販売と据付工事を一括して請け負い、施工を専門業者に外注していた場合は、元請としての工事請負実績を経営経験の証明に利用できる可能性があります。
ただし、元請としての経営経験と、個々の技術者の実務経験は別々に確認する必要があります。
メーカーの協力会社と実務経験の証明資料
メーカーの協力会社として行った設置工事も、建設工事に該当する施工内容と経験期間を証明できれば、許可申請に必要な実績として利用できる可能性があります。
例えば、住宅設備メーカーからホームエレベーターの据付工事を継続して受注していた会社や、階段昇降機のレール取付け・機器設置を担当していた施工会社などが考えられます。
過去の経験を確認するためには、主に次の資料を使用します。
| 確認する資料 | 確認する内容 |
|---|---|
| 工事請負契約書 | 工事内容、契約当事者、契約時期 |
| 注文書・請書 | 設置工事の受注内容や時期 |
| 請求書・入金確認資料 | 工事の取引実績、入金状況 |
| 工事内訳書・施工記録 | 実際に施工した工事の内容 |
| 登記事項証明書・在籍資料等 | 経営経験や技術者の在籍期間 |
特に注意したいのは、機器の納品・販売と、建設工事に該当する据付作業を区別することです。
例えば、階段昇降機の納品や利用方法の説明だけを担当していた場合、その業務を建設工事の実務経験として利用することはできません。
一方、階段へのレール固定や駆動装置の取付けなどを継続して行っていた場合は、施工内容に応じて実務経験として認められる可能性があります。
新規許可の申請では、工事実績の有無だけでなく、実際に担当した作業と経験期間を資料で確認できるかが重要です。
東京都知事許可の申請で必要となる確認資料については、東京都「建設業許可申請の手引」をご確認ください。
⑧ホームエレベーター・階段昇降機の設置工事と建設業許可についてよくある質問
Q:ホームエレベーターの設置には建設業許可が必要ですか?
ホームエレベーターの設置工事では、1件の工事の請負代金が500万円以上(税込)となる場合、原則として建設業許可が必要です。
例えば、ホームエレベーター本体の販売と据付工事を一括して請け負い、契約金額が550万円となる場合は、許可が必要となる金額基準を超えます。
ただし、建物の改修を伴う場合は、工事内容に応じて必要な許可業種も確認する必要があります。
Q:階段昇降機の取付けは機械器具設置工事業に該当しますか?
階段昇降機の設置は、機械器具設置工事業が主な検討対象となります。
ただし、すべての階段昇降機の取付けが一律に同業種へ区分されるわけではありません。
例えば、階段にレールや駆動装置を固定する工事と、建物の床・壁を改修する工事では、施工内容が異なります。
設置する設備の構造と実際の工事内容から、必要な許可業種を判断することが重要です。
Q:設置費用が500万円未満なら許可は不要ですか?
建設工事に該当する設置工事でも、1件の請負代金が500万円未満(税込)であれば、原則として軽微な建設工事に該当し、建設業許可は不要です。
例えば、椅子式階段昇降機の本体代金と据付工事費を合わせて150万円で請け負う場合が考えられます。
ただし、注文者から支給される機器の市場価格など、加算すべき金額がある場合は、それらも含めて判断する必要があります。
Q:住宅リフォーム会社が一括受注する場合はどうなりますか?
住宅リフォーム会社がホームエレベーターの設置と住宅改修をまとめて請け負う場合は、契約全体の工事内容や請負金額を確認する必要があります。
例えば、ホームエレベーターの設置400万円と、床の開口・補強・内装工事180万円を一括して請け負う場合、契約総額は580万円です。
この場合、工事内容が専門工事に該当すれば、原則として500万円の基準で判断します。
住宅リフォームという名称だけで、建築一式工事の金額基準が適用されるわけではありません。
Q:メーカー支給の機器代金も500万円の基準に含まれますか?
注文者から工事に使用する機器・材料を支給される場合は、その市場価格や運送費を請負代金に加えて判断します。
例えば、メーカー支給のホームエレベーター機器の市場価格が400万円、据付工事費が150万円であれば、判定上の合計額は550万円となります。
そのため、専門施工会社が受け取る据付工事費だけで、許可の要否を判断しないことが重要です。
Q:階段昇降機の設置経験で営業所技術者等になれますか?
階段昇降機の設置工事について、取得する許可業種に該当する実務経験を証明できれば、営業所技術者等の要件を満たせる可能性があります。
一般建設業許可では、資格や指定学科の学歴などによる要件を利用しない場合、原則として10年以上の実務経験が必要です。
例えば、階段昇降機のレール固定や駆動装置の設置工事に長年従事していた技術者は、実際の施工内容と経験期間を確認する必要があります。
ただし、機器の販売や納品、利用方法の説明だけでは、建設工事の実務経験として認められません。
まとめ|ホームエレベーター・階段昇降機の設置工事で建設業許可を取得するために
ホームエレベーターや階段昇降機の設置工事では、工事内容や請負金額によって、機械器具設置工事業などの建設業許可が必要になります。
住宅向けの小規模な設置工事では、500万円未満となり、建設業許可が不要な場合もあります。一方、ホームエレベーターの設置や車いす対応型階段昇降機の工事では、機器本体の価格や建物の改修費用によって500万円以上になることがあります。
また、住宅リフォーム会社が一括受注する場合や、メーカーから機器を支給される場合には、契約内容や支給機器の市場価格なども確認する必要があります。
新規に建設業許可を取得する際は、建設工事の経営経験、営業所技術者等の資格・実務経験を確認し、それぞれの要件を資料で証明することが重要です。
ホームエレベーターや階段昇降機の設置を請け負う事業者は、自社の施工範囲と契約内容を整理し、建設業許可の必要性を確認しておきましょう。
ホームエレベーター・階段昇降機の設置工事で建設業許可をご検討の方へ
IT行政書士事務所では、東京都知事・一般建設業許可の新規申請をサポートしています。
住宅設備会社や昇降設備の販売施工会社、メーカーの協力会社などを対象に、工事内容や請負金額、経営経験、技術者の資格・実務経験を確認し、許可取得に必要な要件を整理します。
建設業許可の取得をご検討の方は、サービス内容をご確認ください。
※当サイトの事例紹介は、お客様のプライバシー保護および守秘義務遵守のため、過去の一般的な相談傾向をもとに構成した架空のモデルケース(フィクション)であり、特定の個人・法人の実例ではございません。
