株の名義変更はどうする?相続時の手続き・必要書類・費用を行政書士が解説

親が亡くなり、株式や証券口座を相続することになったものの、「株の名義変更は何から始めればいいのか分からない」と悩む方は少なくありません。

株式の相続では、預貯金の相続とは異なり、証券会社への連絡や口座凍結、必要書類の収集、遺産分割協議など、複数の手続きを進める必要があります。また、名義変更が完了するまでは、相続した株式を自由に売却できないケースもあります。

近年はネット証券の利用も増えており、家族が証券口座の存在を把握していないケースも珍しくありません。そのため、相続発生後に初めて株式を保有していたことが分かることもあります。

さらに、株の名義変更を放置すると、配当金や株主優待を受け取れなくなったり、売却手続きを進められなくなったりする可能性があります。相続人が複数いる場合は、遺産分割をめぐってトラブルにつながるケースもあるため注意が必要です。

証券会社によって必要書類や手続きの流れが異なる場合もあり、相続人の人数や口座数によっては、想像以上に時間がかかることもあります。

この記事では、相続実務を扱う行政書士の視点から、株の名義変更の流れ、必要書類、費用、相続した株式を売却する際の注意点まで、現在の株式相続実務に沿って分かりやすく解説します。

なお、株式相続では、名義変更だけでなく、証券口座の調査や相続税、相続後の売却手続きなども問題になることがあります。

株式相続全体の流れや、証券口座の確認方法、相続税・売却時の注意点までまとめて知りたい方は、
以下の記事もあわせてご覧ください。
株式の相続手続き完全ガイド|名義変更・税金・証券口座の調べ方を解説

株式相続の手続きを6ステップで解説したインフォグラフィック。証券会社・証券口座の確認から、相続発生の連絡、相続人確定、遺産分割協議、必要書類提出、名義変更完了までの流れを、アイコン付きで横並びに整理している。
株式相続で必要となる基本的な手続きを、証券会社への連絡から名義変更完了まで順番に整理した図解です。

目次

①株の名義変更でまずやること【相続時の流れ】

株式を相続した場合、まず重要なのは「どこの証券会社に、どのような株式があるのか」を確認することです。

預貯金の相続とは異なり、株式は証券会社を通じて管理されているため、
証券会社への連絡や名義変更手続きを進めなければ、相続人名義で正式に管理・売却することができません。

また、相続が発生したことを証券会社へ伝えると、通常は被相続人名義の証券口座が凍結されます。
これは、相続人間のトラブルや不正な売却・出金を防ぐためです。

株式相続では、以下の流れで進めるのが一般的です。

※各ステップのタイトルは、詳細情報へのリンクになっています。

まずは、被相続人がどこの証券会社を利用していたのかを確認します。
郵送物や配当金計算書、スマートフォンの証券アプリなどが手がかりになることがあります。

証券会社へ連絡すると、相続手続きに必要な書類や今後の流れが案内されます。
通常は、連絡後に被相続人名義の証券口座が凍結されます。

戸籍謄本や除籍謄本を収集し、法律上の相続人を確認します。
相続人が多い場合や代襲相続がある場合は、戸籍収集に時間がかかることもあります。

相続人全員で、誰が株式を相続するのかを話し合います。
株式をそのまま引き継ぐのか、売却して現金化するのかも検討します。

必要書類を証券会社へ提出し、株式を相続人名義の証券口座へ移管します。
書類に不備があると手続きが長引くこともあるため注意が必要です。

という流れで進めるのが一般的です。

まずは全体像を把握したうえで、一つずつ進めていきましょう。

STEP-1 まずは証券会社と証券口座を確認する

株式相続では、最初に「どこの証券会社を利用していたのか」を確認する必要があります。

証券会社が分からなければ、保有株式の内容や相続手続きを進めることができないためです。

近年はネット証券の利用も増えており、家族が証券口座の存在を把握していないケースも少なくありません。
特に、ペーパーレス設定を利用している場合は、郵送物がほとんど届かないこともあります。

そのため、次のようなものを確認していきます。

  • 証券会社からの郵送物
  • 配当金計算書
  • 取引報告書
  • スマートフォンの証券アプリ
  • メール履歴
  • 確定申告書

配当金計算書や株主関連書類には、株主名簿管理人(株主情報を管理する信託銀行など。配当金計算書や株主総会関連書類の発送を行う役割もあります)が記載されていることがあり、そこから保有株式や証券会社を確認できるケースもあります。

また、確定申告書に配当所得や譲渡所得が記載されている場合は、株式取引を行っていた可能性があります。

確認時に使えるチェックリストについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
保有資産・口座情報を一覧化「証券口座・金融商品管理表(記入例・テンプレート)

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STEP-2 証券会社が分かったら、相続が発生したことを連絡します。

一般的には、被相続人が亡くなった事実を証券会社へ伝えることで、相続手続きに必要な書類一式が案内されます。

また、相続発生を連絡すると、通常は被相続人名義の証券口座が凍結されます。口座凍結後は、原則として株式の売却や出金はできなくなります。

これは、一部の相続人による無断売却や不正な資金移動を防ぐためです。そのため、遺産分割の方針が決まっていない段階で、被相続人名義の口座を操作することは避けるべきです。

なお、証券会社によって、必要書類や提出方法、手続き完了までの期間が異なる場合があります。また、相続人が証券口座を保有していない場合は、新たに口座開設が必要になるケースもあります。

相続手続きが完了するまでには一定の期間がかかるため、その間に株価が変動する可能性もあります。特に価格変動の大きい銘柄を保有している場合は、早めに全体の流れを整理しておくことが大切です。

証券会社ごとの相続手続きや必要書類の違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
証券会社別の株式相続手続きまとめ|必要書類・口座凍結・名義変更の流れ

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STEP-3 戸籍謄本などを収集し相続人を確定する

株式も法律上は相続財産であるため、誰が相続人になるのかを確定する必要があります。

通常は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本を収集し、法定相続人を確認していきます。

相続人が多い場合や、代襲相続(本来の相続人が先に亡くなっている場合に、その子どもなどが相続人になること)が発生している場合は、戸籍収集だけでも時間がかかることがあります。

また、証券会社によっては、戸籍関係書類の提出範囲が細かく指定されているケースもあるため注意が必要です。

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STEP-4 遺産分割協議で株式の分け方を決める

遺言書がある場合は、原則としてその内容に従って株式相続を進めます。

一方、遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰が株式を相続するのかを決めなければなりません。

株式は預貯金とは異なり、日々価格が変動する財産です。

そのため、特定の相続人がそのまま引き継ぐのか、売却して現金化するのか、あるいは売却代金を分配するのかによって、相続人間で意見が分かれることもあります。

実務上は、株式を売却して現金で分配する「換価分割(相続財産を売却して現金化し、その代金を分配する方法)」が選ばれるケースも少なくありません。

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STEP-5 必要書類を提出して名義変更・移管を行う

遺産分割協議がまとまった後は、証券会社へ必要書類を提出し、株式の名義変更(相続人名義への移管)を進めます。

一般的には、

  • 戸籍謄本
  • 遺産分割協議書
  • 印鑑証明書
  • 本人確認書類
  • 証券会社所定の依頼書

などが必要になります。

ただし、必要書類や提出方法は証券会社によって異なる場合があります。

また、相続人が証券口座を持っていない場合は、移管先となる証券口座の開設が必要になるケースもあります。

書類に不備があると、手続きが差し戻され、名義変更完了まで時間がかかることもあります。特に、証券会社が複数ある場合は、同じような書類を何度も提出するケースもあるため注意が必要です。

※ステップ図に戻る

②株の名義変更とは?

株の名義変更とは、株主名簿に記載されている株主の名義を変更する手続きのことです。

相続が発生した場合、被相続人名義の株式は自動的に相続人へ移るわけではありません。
証券会社で相続手続きを行い、株式を相続人名義の証券口座へ移管することで、正式に名義変更が完了します。

上場株式は、現在では証券会社の口座を通じて電子的に管理されています。

そのため、実務上は「株券を書き換える」というよりも、
「被相続人の証券口座から相続人名義の証券口座へ株式を移管する」というイメージに近い手続きです。

また、株の名義変更を行わなければ、相続人が正式な株主として扱われないため、株式の売却や各種手続きを進められない場合があります。

株主名簿の名義を書き換える手続き

株式は、株主名簿(企業が株主情報を管理するための帳簿)によって、誰が株主であるかを管理しています。

相続によって株式を取得した場合でも、株主名簿上の名義変更が完了していなければ、証券会社や発行会社では正式な株主として扱われません。

そのため、相続手続きを通じて、被相続人名義の株式を相続人名義へ変更する必要があります。

なお、上場株式では、証券会社や株主名簿管理人(株主情報を管理する信託銀行など。配当金計算書や株主総会関連書類の発送を行う役割もあります)が連携しながら名義管理を行っています。

相続で株の名義変更が必要になる理由

株式は現金や預貯金と同じく、法律上の相続財産に含まれます。

相続が発生すると、株式は相続人全員の共有状態となるため、
特定の相続人が自由に売却したり処分したりできるわけではありません。

そのため、遺産分割協議によって誰が株式を相続するのかを決めたうえで、
証券会社で名義変更手続きを進める必要があります。

また、名義変更が完了するまでは、被相続人名義の証券口座が凍結されるのが一般的です。
そのため、相続後すぐに株式を売却したい場合でも、まずは相続手続きを進めなければなりません。

名義変更をしないと起こる問題

株の名義変更をしないまま放置すると、さまざまな問題が発生する可能性があります。

例えば、名義変更が完了していなければ、相続した株式を売却できないケースがあります。また、証券会社からの通知や配当金関連書類が被相続人宛てのままとなり、相続後の管理が煩雑になることもあります。

さらに、相続人名義の証券口座へ移管されていない状態では、株式の管理や資産把握がしづらくなる場合があります。

そのため、相続が発生した場合は、できるだけ早めに名義変更手続きを進めることが大切です。

③株の名義変更で必要な書類

株式の名義変更では、証券会社へ相続関係を証明する書類を提出する必要があります。

必要書類は証券会社によって異なる場合がありますが、一般的には、

  • 戸籍謄本・除籍謄本
  • 遺産分割協議書
  • 印鑑証明書
  • 本人確認書類
  • 証券会社所定の相続手続書類

などが求められます。

また、相続人が証券口座を保有していない場合は、新たに証券口座の開設が必要になるケースもあります。

書類に不備があると、相続手続きが差し戻されることもあるため、事前に必要書類を確認したうえで準備を進めることが大切です。

戸籍謄本・除籍謄本

戸籍謄本や除籍謄本は、法律上の相続人を確認するために必要となる書類です。

一般的には、被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集し、相続関係を証明します。

相続人が多い場合や、転籍(本籍地の変更)が多い場合は、複数の自治体から戸籍を取得しなければならないこともあります。

また、代襲相続(本来の相続人が先に亡くなっている場合に、その子どもなどが相続人になること)が発生している場合は、追加で戸籍収集が必要になるケースもあります。

遺言書または遺産分割協議書・印鑑証明書

株式相続では、誰が株式を相続するのかを証明するために、遺言書または遺産分割協議書が必要になります。

遺言書がある場合は、原則としてその内容に従って相続手続きを進めます。
一方、遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、その内容を書面化した「遺産分割協議書」を作成します。

遺産分割協議書には、誰が株式を相続するのかを明確に記載します。

また、遺産分割協議書には、原則として相続人全員が実印を押印し、あわせて印鑑証明書を提出する必要があります。
印鑑証明書は、遺産分割協議書に押印された実印が、本人のものであることを証明するための書類です。
なお、証券会社によっては、印鑑証明書の有効期限や必要通数が異なる場合があります。

さらに、必要書類は証券会社によって異なる場合があり、遺言書による相続なのか、遺産分割協議による相続なのかによって、追加書類や提出書類の内容が変わるケースもあります。

本人確認書類

相続人本人であることを確認するため、本人確認書類の提出も必要になります。

一般的には、

  • 運転免許証
  • マイナンバーカード
  • パスポート

などが利用されます。

以前は本人確認書類として運転免許証が用いられるケースが多くありましたが、
近年ではマイナンバーカードの提示を求められる場面が増えています。

特に、相続税申告など税務に関わる手続きでは、
マイナンバー(個人番号)の記載や本人確認が必要になるため、
マイナンバーカードを本人確認書類として利用するケースが一般的になっています。

例えば、相続税申告では、申告書へマイナンバーを記載したうえで、
マイナンバーカードの写しを添付して提出します。

株式相続でも、相続税申告や金融機関手続きと並行して進めるケースが多いため、
実務上はマイナンバーカードを準備しておくと手続きを進めやすくなります。

なお、住所変更が未了の場合などは、追加書類を求められるケースもあります。ます。

証券会社所定の相続手続書類

株式相続では、証券会社ごとに用意されている相続手続書類の提出が必要になります。

例えば、

  • 相続届
  • 名義変更依頼書
  • 残高証明書発行依頼書

など、証券会社独自の書類提出を求められるケースがあります。

また、必要書類や提出方法、手続きの流れは証券会社によって異なる場合があります。

例えば、

  • 戸籍の提出範囲
  • 印鑑証明書の有効期限
  • 書類への押印方法
  • 原本提出の要否

などが異なるケースがあります。

さらに、ネット証券では郵送手続きが中心になる一方、対面型証券会社では店頭での手続きが必要になる場合もあります。

そのため、相続手続きを進める際は、事前に証券会社ごとの必要書類や手続き方法を確認しておくことが重要です。

証券会社ごとの相続手続きや必要書類について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

SBI証券の相続手続き

野村證券の相続手続き

SMBC日興証券の相続手続き

大和證券の相続手続き

株式相続の名義変更にかかる費用の目安をまとめたインフォグラフィック。戸籍謄本450円、除籍謄本750円、改製原戸籍750円、印鑑証明書300円などの取得費用を一覧表示し、中央に「総額イメージ:数千円〜1万円程度」と大きく表示している。
株式相続の名義変更で必要となる主な書類取得費用や手数料の目安を、分かりやすく一覧化した図解です。

④株式の名義変更費用はいくら?

株式の名義変更にかかる費用は、一般的には数千円〜1万円程度になるケースが多くあります。

上場株式の相続では、証券会社自体の名義変更手数料が無料となっていることも多く、主な費用は戸籍謄本や印鑑証明書などの取得費用です。

例えば、被相続人が本籍地を2回変更している場合は、

  • 戸籍謄本
  • 除籍謄本
  • 改製原戸籍

などを複数取得する必要があり、戸籍収集だけで3,000円〜6,000円程度かかるケースもあります。

さらに、

  • 印鑑証明書(1通300円程度)
  • 住民票(1通300円程度)

などの取得費用も発生します。

また、行政書士などの専門家へ依頼する場合は、戸籍収集や遺産分割協議書作成などを含め、数万円〜十数万円程度の費用が発生することがあります。

なお、相続税や株式売却時の譲渡所得税が別途発生するケースもあります。

証券会社の手数料

上場株式の相続では、証券会社側の名義変更手数料が無料となっているケースも多くあります。

ただし、証券会社によっては、

  • 残高証明書の発行
  • 特定書類の再発行
  • 郵送対応

などで費用が発生する場合があります。

また、相続人名義の証券口座を新たに開設する必要があるケースもありますが、一般的な口座開設自体は無料で行えることがほとんどです。

なお、必要書類や手続き方法は証券会社によって異なる場合があります。

戸籍謄本・印鑑証明書などの取得費用

株式相続では、戸籍謄本や除籍謄本、印鑑証明書などの取得費用が発生します。

戸籍の交付手数料は、おおむね全国一律で定められており、主な費用は以下のとおりです。

戸籍の種類手数料
戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)1通450円
戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)1通450円
除籍謄本(除籍全部事項証明書)1通750円
改製原戸籍謄本1通750円

特に、被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集する場合は、複数の自治体へ請求が必要になることもあります。
相続人が多い場合は、印鑑証明書や本人確認書類の準備にも時間と費用がかかるケースがあります。

また、郵送請求を行う場合は、戸籍交付手数料の支払いに定額小為替(ていがくこがわせ)を使用します。
切手や収入印紙では受け付けてもらえないため注意が必要です。

なお、相続手続きでは追加戸籍が必要になるケースもあるため、郵送請求時には3〜4通分程度の定額小為替を準備しておくと安心です。

専門家へ依頼した場合の費用

株式相続では、相続人が多い場合や証券会社が複数ある場合など、手続きが複雑になるケースがあります。

そのため、

  • 戸籍収集
  • 遺産分割協議書作成
  • 相続関係説明図作成
  • 証券会社対応

などを、行政書士などの専門家へ依頼するケースもあります。

専門家へ依頼した場合の費用は、相続人の人数や証券会社数、相続財産の内容によって異なります。

特に、複数の証券会社がある場合は、同じような書類提出を何度も求められるケースもあるため、
実務負担が大きくなることがあります。

【参考】相続税や譲渡所得税が発生

株式も相続財産に含まれるため、相続財産全体の金額によっては相続税が発生する場合があります。

また、相続した株式を売却する場合は、譲渡所得税が発生するケースもあります。

株式相続に関係する税金について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
株式相続の税金を解説|相続税・譲渡所得税・取得費の注意点

相続した株式を売却するまでの流れを5ステップで解説したインフォグラフィック。相続発生から証券口座凍結、遺産分割協議、名義変更を経て、最終的に株式売却が可能になるまでを矢印付きで整理している。
相続した株式は、すぐに売却できるわけではありません。証券口座凍結から名義変更完了までの基本的な流れを整理した図解です。

⑤相続した株は売却できる?

相続した株式は売却できます。

ただし、相続が発生した直後は、被相続人名義の証券口座が凍結されるため、
すぐに自由に売却できるわけではありません。

一般的には、遺産分割協議によって誰が株式を相続するのかを決めたうえで、
証券会社で名義変更手続きを行い、相続人名義の証券口座へ移管した後に売却を行います。

そのため、まずは相続手続きを進める必要があります。

名義変更前は売却できないことが多い

相続が発生すると、株式は相続人全員の共有状態となります。
そのため、特定の相続人だけの判断で株式を売却することはできません。

また、証券会社へ相続発生を連絡すると、通常は被相続人名義の証券口座が凍結されます。
口座凍結後は、原則として株式の売却や出金はできなくなるため、まずは相続手続きを進める必要があります。

なお、相続人全員が合意している場合でも、証券会社所定の相続手続きが完了するまでは売却できないケースが一般的です。

名義変更後に売却する流れ

株式を売却する場合は、まず相続人名義への変更手続きを完了させます。

その後、相続した株式を相続人名義の証券口座で管理できる状態になってから、
通常の株式売却手続きを行います。

なお、証券会社によっては、相続人名義の証券口座開設が必要になるほか、
株式移管の手続き方法や、実際に売却できるようになるまでの期間が異なる場合があります。

また、株価は日々変動するため、相続手続き中に価格が大きく変動する可能性もあります。

特に価格変動の大きい銘柄を保有している場合は、相続手続き全体のスケジュールも考慮しながら進めることが大切です。

⑥株の名義変更を放置するとどうなる?

株の名義変更をしないまま放置すると、後になって相続手続きが複雑になる可能性があります。

特に、相続発生から長期間が経過すると、当初の相続人にも新たな相続が発生し、関係者が増えてしまうケースがあります。

その結果、戸籍収集の範囲が広がったり、相続関係が複雑になったりすることで、必要書類が増え、手続き負担が大きくなることがあります。

また、長期間放置している間に、証券会社側で登録情報の確認や追加書類提出を求められるケースもあります。

そのため、株式相続では、できるだけ早めに名義変更手続きを進めておくことが重要です。

⑦株の名義変更で手続きが止まりやすいポイント

株式相続では、預貯金の相続と比べて手続きが複雑になりやすく、途中で思わぬトラブルが発生するケースもあります。

特に、証券会社が複数ある場合や、相続人が多い場合は、必要書類の収集や調整に時間がかかることも少なくありません。

ここでは、株の名義変更で実際によくあるトラブルを紹介します。

相続人が多く、遺産分割協議がまとまらない

株式は価格が変動する財産であるため、「売却するのか」「そのまま保有するのか」で相続人間の意見が分かれるケースがあります。

また、遺産分割協議では、株式だけではなく、

  • 現金
  • 預貯金
  • 投資信託
  • 不動産
  • 金(ゴールド)
  • その他の金融資産

なども含め、被相続人が保有していた遺産全体をどのように分けるのかを協議する必要があります。

そのため、「不動産は長男が取得する代わりに、株式は別の相続人が取得する」といった形で調整を行うケースもあります。

また、相続人の人数が多い場合は、遺産分割協議書への署名・押印を集めるだけでも時間がかかることがあります。

特に、相続人の中に遠方居住者がいる場合や、連絡が取りづらい相続人がいる場合は、手続きが長期化するケースもあります。

そのため、まずは相続財産全体を整理したうえで、誰がどの財産を取得するのかを早めに調整しておくことが重要です。必要に応じて、専門家を交えて進めることで、手続き負担を軽減できる場合もあります。

続きの差し戻しを防ぎやすくなります。

必要書類に不備があり手続きが進まない

株式相続では、戸籍謄本や遺産分割協議書など、多くの書類提出が必要になります。

そのため、戸籍の不足や記載内容の不一致、署名・押印漏れなどによって、証券会社から書類の再提出を求められるケースも少なくありません。

特に、遺産分割協議書については、

  • 証券口座名義の記載揺れ
  • 銘柄名の記載漏れ
  • 相続人情報の誤記

などによって修正が必要になることがあります。

また、相続人が多い場合は、一部の相続人だけ押印漏れが見つかり、再度書類を郵送し直すケースもあります。

そのため、提出前に必要書類や記載内容を十分に確認しておくことが重要です。

株式相続の手続きでよくある問題点を4項目で解説したインフォグラフィック。戸籍不足、相続人が多い、遺産分割協議がまとまらない、書類不備といったトラブルを、困っている家族や書類のイラスト付きで分かりやすく整理している。
株式相続では、戸籍収集や遺産分割協議、必要書類の不備などで手続きが止まるケースがあります。代表的な問題点を整理した図解です。

⑧株の名義変更に関するよくある質問(FAQ)

Q. 株の名義変更にはどれくらい時間がかかりますか?

株式相続の名義変更は、一般的には1〜2か月程度かかるケースが多くあります。

ただし、相続人の人数が多い場合や、複数の証券会社を利用している場合、戸籍収集や必要書類の整理に時間がかかり、手続き完了までさらに期間を要するケースもあります。

また、書類不備があると再提出になるケースもあるため、事前確認が重要です。

Q. 相続人に証券口座がなくても手続きできますか?

手続き自体は進められますが、相続人名義の証券口座開設が必要になるケースがあります。

証券会社によって取扱いが異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

Q. 証券口座が分からない場合はどうすればよいですか?

被相続人がどこの証券会社を利用していたのか分からない場合は、
まず自宅に届いている郵送物や、配当金計算書、確定申告書などを確認します。

近年はネット証券の利用も増えているため、スマートフォンの証券アプリやメール履歴から判明するケースもあります。

どうしても証券会社が分からない場合は、証券保管振替機構(ほふり)へ照会を行う方法もあります。

証券口座の探し方や、確認時に使えるチェックリストについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
相続した株がどこの証券会社か分からない場合の調べ方

確認時に使えるチェックリストについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
保有資産・口座情報を一覧化「証券口座・金融商品管理表(記入例・テンプレート)

Q. 相続した株はすぐに売却できますか?

相続した株式は、相続発生後すぐに自由に売却できるわけではありません。

一般的には、遺産分割協議や名義変更手続きを行い、相続人名義の証券口座へ移管した後に売却を行います。

また、相続発生後は、被相続人名義の証券口座が凍結されるため、名義変更手続きが完了するまでは売却できないケースが一般的です。

Q. 株の名義変更を行政書士へ依頼できますか?

株式相続の名義変更手続きは、行政書士へ依頼できる場合があります。

行政書士へは、

  • 戸籍収集
  • 相続関係説明図作成
  • 遺産分割協議書作成
  • 必要書類整理

などを依頼できるケースがあります。

相続人が多い場合や、証券会社が複数ある場合は、書類整理だけでも大きな負担になることがあります。

そのため、「どこから手を付ければよいか分からない」という場合は、早めに専門家へ相談することも選択肢の一つです。る場合は、書類整理だけでも大きな負担になることがあります。

株式相続について行政書士へ相談している日本人家族のイラスト。行政書士が戸籍謄本や証券口座の相続手続き資料を説明し、家族が安心した表情で話を聞いている相談風景。
株式相続の手続きについて、行政書士が必要書類や手続きの流れを説明している相談シーンのイラストです。

まとめ

株式の相続では、相続が発生しただけでは自由に売却や管理ができるわけではありません。

一般的には、

  1. 証券会社や証券口座を確認する
  2. 相続人を確定する
  3. 遺産分割協議を行う
  4. 必要書類を準備する
  5. 証券会社で名義変更手続きを行う

という流れで進めていきます。

また、株式相続では、

  • 証券口座の凍結
  • 戸籍収集
  • 遺産分割協議書作成
  • 証券会社ごとの必要書類対応

など、預貯金相続とは異なる実務対応が必要になるケースも少なくありません。

特に、相続人が多い場合や、複数の証券会社を利用している場合は、書類整理や相続人調整に時間がかかることがあります。

そのため、相続が発生した場合は、できるだけ早めに全体の流れを整理し、必要に応じて専門家へ相談しながら進めることが大切です。

当事務所では、株式相続に関する、

  • 戸籍収集
  • 相続関係説明図作成
  • 遺産分割協議書作成
  • 証券会社提出書類の整理

など、相続実務をサポートしています。

「何から手を付ければよいか分からない」という場合も、お気軽にご相談ください。

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特定行政書士 野中雅敏(IT行政書士事務所)

  • 国家資格:行政書士(登録番号:25080391)
  • 経歴:IT業界出身/相続・遺言分野を専門取り組み中
  • 趣味:競泳
  • メッセージ:
     「遺言は“難しいこと”ではなく、“優しさのカタチ”です。
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