「遺言執行者」という言葉を聞いたことはあっても、
- 遺言執行者とは何をする人なのか
- 遺言書には必ず指定しなければならないのか
- 家族を指定してもよいのか
- 専門家に依頼した方がよいのか
など、よく分からないままになっている方も多いのではないでしょうか。
遺言執行者とは、被相続人(亡くなった方)が残した遺言書の内容を実現するために必要な手続きを行う人のことです。相続財産(亡くなった方が残した財産)の調査や相続人(法律上、財産を引き継ぐ人)への通知、預貯金の相続手続き、遺贈(遺言によって特定の人へ財産を渡すこと)の実行など、重要な役割を担います。
もっとも、遺言執行者は法律上必ず指定しなければならないわけではありません。相続人だけで手続きを進めることも可能です。しかし、相続人が複数いる場合や、遺贈がある場合、不動産や複数の金融機関の預貯金がある場合などは、遺言執行者を指定しておくことで相続手続きを円滑に進めやすくなります。
また、遺言執行者は家族や親族を指定することもできますが、状況によっては行政書士・司法書士・弁護士などの専門家を選んだ方がスムーズなケースもあります。特に、相続人が遠方に住んでいる場合や、財産の種類が多い場合、将来的なトラブルが予想される場合には、第三者の専門家が遺言執行者となることで手続きが進めやすくなります。
さらに、実務上は遺言執行者の有無によって、銀行の相続手続きや遺言の実現方法が変わることがあります。そのため、遺言書を作成する際には、誰を遺言執行者にするかまで含めて検討することが大切です。
この記事では、遺言執行者の基本的な役割や権限・義務、必要になるケース、誰を選ぶべきか、遺言の有無によって相続手続きがどのように変わるのかまで、実務的な視点も交えながらわかりやすく解説します。

目次
①遺言執行者とは
遺言執行者とは、被相続人(亡くなった方)が残した遺言書の内容を実現するために、必要な手続きを行う人のことです。
遺言書を作成しただけでは、その内容が自動的に実現されるわけではありません。預貯金の解約や払戻し、不動産の名義変更、相続人への通知、遺贈(遺言によって特定の人へ財産を渡すこと)の実行など、実際にはさまざまな手続きが必要になります。
そこで、遺言内容を実現するための中心的な役割を担うのが遺言執行者です。
民法では、遺言執行者は「遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する」と定められています。
つまり遺言執行者は、単なる連絡係ではなく、遺言内容を実現するために法的な権限と義務を持つ重要な立場といえます。
また、遺言執行者は必ずしも専門家である必要はありません。家族や親族、友人などを指定することも可能です。一方で、財産の種類が多い場合や相続人が複数いる場合には、行政書士・司法書士・弁護士などの専門家が選ばれることもあります。
まずは、遺言執行者が具体的にどのような役割を担うのかを見ていきましょう。
遺言執行者とは何をする人?
遺言執行者の役割を一言で表すと、「遺言を現実のものにする人」です。
例えば、遺言書に
- 長男に自宅を相続させる
- 長女に預貯金を相続させる
- 孫へ100万円を遺贈する
と記載されていたとしても、その内容は手続きを行わなければ実現しません。
そこで遺言執行者が中心となり、
- 相続人への通知
- 財産の調査
- 財産目録の作成
- 金融機関での手続き
- 遺贈の実行
などを進めていきます。
特に、相続人以外の人に財産を渡す遺贈や、子の認知などが遺言書に記載されている場合には、遺言執行者の役割が非常に重要になります。
遺言執行者は、被相続人の最後の意思を実現するための実務責任者と考えると分かりやすいでしょう。
遺言執行者が必要とされる理由
遺言執行者が必要とされる最大の理由は、相続手続きを円滑に進めるためです。
遺言執行者がいない場合、相続手続きによっては相続人全員の協力が必要になることがあります。
例えば、
- 相続人が遠方に住んでいる
- 相続人同士の関係が良くない
- 預貯金口座が複数ある
- 遺贈を受ける人がいる
といったケースでは、手続きが長期化することも少なくありません。
一方で、遺言執行者が指定されている場合には、その人が中心となって手続きを進められるため、相続人の負担を軽減しやすくなります。
また、金融機関によっては、遺言執行者がいる場合といない場合で必要書類や手続きの流れが異なることがあります。
そのため、遺言執行者は単に法律上の制度というだけでなく、実務上も重要な存在といえるのです。
遺言執行者がいない場合の選任申立てについて詳しくはこちら
遺言執行者の選任申立てとは?
遺言執行者になれない人はいる?
遺言執行者は、家族や親族だけでなく、友人や専門家を指定することもできます。
また、相続人自身が遺言執行者になることも認められています。
民法では、未成年者および破産者は遺言執行者になることができません。
ここでいう破産者とは、破産手続開始決定を受けており、まだ復権していない人を指します。
なお、行政書士や司法書士、弁護士などの資格がなければ遺言執行者になれないわけではありません。
ただし、遺言執行者には財産調査や各種手続き、相続人との調整などが求められるため、手続きの負担や中立性を考慮して専門家を指定するケースも多く見られます。
特に、相続人が複数いる場合や遺贈がある場合には、第三者である専門家を指定することで、相続手続きを円滑に進めやすくなります。
遺言執行者には家族・親族・友人・専門家などを指定できますが、実際に誰を選ぶべきかは相続人の人数や財産内容によって異なります。
詳しくは「遺言執行者は誰を選ぶべき?家族・親族・専門家の違いと選び方を解説」をご覧ください。
②遺言執行者は必ず必要?

遺言執行者は、遺言書の内容を実現するうえで重要な役割を担います。しかし、すべての相続で必ず遺言執行者を指定しなければならないわけではありません。
実際には、遺言執行者がいなくても相続手続きを進められるケースもあります。
一方で、相続人が複数いる場合や遺贈がある場合など、遺言執行者を指定しておいた方が手続きを円滑に進められるケースも少なくありません。
ここでは、遺言執行者が必要になるケースと、なくても進められるケースの違いを見ていきましょう。
遺言執行者が必要になるケース
法律上、遺言執行者がいなければ実現が難しい、または実務上大きなメリットがあるケースがあります。
代表的なものは次のとおりです。
相続人以外への遺贈がある場合
例えば、「長年介護をしてくれた知人へ300万円を遺贈する」といった遺言です。
このような場合、遺言執行者がいないと実際の手続きや財産の引渡しがスムーズに進まないことがあります。
特に相続人と受遺者(遺贈によって財産を受け取る人)の関係が良好とは限らないため、中立的な立場で手続きを進める遺言執行者の存在が重要になります。
子の認知を行う場合
遺言によって認知(法律上の親子関係を成立させること)を行う場合は、遺言執行者が認知の届出を行います。
認知の手続きは遺言内容を実現するうえで重要な行為であり、遺言執行者の役割が特に大きい場面の一つです。
推定相続人の廃除を行う場合
推定相続人(将来相続人になる予定の人)の廃除とは、被相続人に対する虐待や重大な侮辱などがあった場合に、その人の相続権を失わせる制度です。
遺言によって廃除の意思表示がされた場合、遺言執行者が家庭裁判所へ廃除の請求を行います。
このケースでは、遺言執行者の存在が前提となるため、指定しておくことが重要です。
相続人が複数いる場合
法律上必須ではありませんが、実務上は遺言執行者を指定しておくメリットが大きいケースです。
相続人が複数いると、
- 連絡や調整に時間がかかる
- 必要書類の収集が大変になる
- 相続手続きの進捗管理が難しくなる
といった問題が発生しやすくなります。
遺言執行者がいれば、手続きの窓口を一本化しやすくなります。
これらの遺言内容は、遺言書を作成しただけでは実現されません。被相続人の死亡後に必要な手続きが発生するため、その手続きを担う遺言執行者の役割が重要になります。
特に相続人以外の人へ財産を渡す遺贈では、遺言内容を実現する責任者を明確にしておくことで、手続きを円滑に進めやすくなります。
遺言執行者がなくても進められるケース
一方で、次のようなケースでは遺言執行者を指定しなくても大きな問題にならないことがあります。
- 相続人が1人しかいない
- 財産が預貯金のみでシンプル
- 相続人同士の関係が良好
- 遺贈や認知などの特殊な内容がない
このようなケースでは、相続人自身が手続きを進めることも十分可能です。
もっとも、相続開始後に想定外の手続きが発生することもあるため、「不要だから指定しない」というよりは、「必要性が低い」と考える方が適切でしょう。
遺言執行者を指定しておくメリット
遺言執行者を指定する最大のメリットは、相続手続きを円滑に進めやすくなることです。
例えば、
- 相続人への連絡窓口を一本化できる
- 財産調査や手続きの担当者を明確にできる
- 遺言内容を実現しやすくなる
- 相続人同士の不要な対立を避けやすくなる
といった効果が期待できます。
また、銀行の相続手続きでは、遺言執行者の有無によって必要書類や手続きの進め方が異なる場合があります。
不動産や複数の金融機関の口座がある場合は、遺言執行者を指定しておくことで相続人の負担を軽減できるケースも少なくありません。
そのため、遺言執行者は法律上必須ではないものの、実務上は指定しておくことをおすすめします。
もっとも、遺言執行者を指定するとしても、家族・親族と専門家のどちらが適しているかはケースによって異なります。
選び方については「遺言執行者は誰を選ぶべき?家族・親族・専門家の違いと選び方を解説」で詳しく解説しています。
③遺言執行者がいると何が変わる?
遺言執行者は、単に遺言書の内容を確認するだけの存在ではありません。
実際の相続手続きでは、遺言執行者がいるかどうかによって、手続きの進め方や相続人の負担が大きく変わることがあります。
特に、
- 銀行の相続手続き
- 不動産の相続手続き
- 相続人同士の調整
- 遺言内容の実現
といった場面では、遺言執行者の存在が大きな意味を持ちます。
ここでは、遺言執行者がいる場合といない場合で、どのような違いが生じるのかを見ていきましょう。
銀行の相続手続きで変わること
相続財産に預貯金が含まれている場合、金融機関で相続手続きを行う必要があります。
しかし、金融機関ごとに必要書類や手続きの流れは異なり、相続人だけで対応しようとすると想像以上に時間と手間がかかることがあります。
遺言執行者が指定されている場合は、その遺言執行者が中心となって手続きを進めることができます。
一方で、遺言執行者がいない場合には、金融機関から相続人全員の関与を求められるケースもあります。
例えば、
- 相続人全員の署名
- 相続人全員の実印による押印
- 印鑑証明書の提出
などが必要になることがあります。
相続人が遠方に住んでいたり、連絡が取りにくかったりすると、書類のやり取りだけでも多くの時間を要することがあります。
そのため、複数の金融機関に口座がある場合や、相続人が多い場合は、遺言執行者を指定しておくメリットが大きいといえるでしょう。
ただし、金融機関ごとに取扱いが異なるため、実際の必要書類や手続きについては各金融機関へ確認することが重要です。
相続人が複数いる場合に変わること
相続人が複数いる場合、相続手続きは一気に複雑になります。
例えば、
- 相続人全員への連絡
- 戸籍や必要書類の収集
- 金融機関や関係機関への対応
- 手続きの進捗管理
など、多くの調整が必要になります。
遺言執行者がいない場合、これらの手続きを相続人の誰かが中心となって進めることになります。しかし、相続人が多いほど連絡や調整に時間がかかり、手続きが滞る原因にもなります。
また、相続人の一人が手続きを主導すると、「本当に遺言どおりに進めているのだろうか」、「自分に有利なように進めているのではないか」といった不信感が生じることもあります。
遺言執行者が指定されている場合は、遺言執行者が中心となって手続きを進めるため、手続きの主体が明確になります。
特に第三者である専門家が遺言執行者となる場合は、中立的な立場で手続きを進めやすくなるため、相続人同士の不要な対立を防ぐ効果も期待できます。
相続人が複数いる場合は、遺言執行者を指定するメリットが大きいケースの一つといえるでしょう。
不動産がある場合に変わること
相続財産に不動産が含まれている場合は、預貯金だけの相続と比べて手続きが複雑になる傾向があります。
例えば、遺言書に「自宅を長男に相続させる」と記載されていた場合でも、その内容が自動的に反映されるわけではありません。
実際には、不動産の名義変更である相続登記(不動産の名義を相続人へ変更する手続き)を行う必要があります。
遺言執行者がいる場合は、遺言内容に基づいて必要な書類を準備し、関係者との調整を進めながら手続きを進行できます。
特に、
- 自宅以外にも土地やアパートなど複数の不動産がある
- 不動産ごとに取得者が異なる
- 不動産の所在地が複数の市区町村にまたがっている
といったケースでは、確認事項や必要書類が増えるため、遺言執行者がいることで手続きを進めやすくなります。
また、不動産の相続では相続登記が必要になるため、実務上は司法書士と連携して手続きを進めるケースも少なくありません。
遺言執行者がいることで、遺言内容を実現するための窓口が明確になり、不動産に関する相続手続きを円滑に進めやすくなります。を実現するための窓口が明確になり、不動産の相続手続きを円滑に進めやすくなります。
遺言を実現する責任者を明確にできる
遺言書の中で遺言執行者を指定しておくと、被相続人(亡くなった方)が亡くなった後に、誰が遺言内容を実現するのかが明確になります。
遺言執行者が指定されていない場合、相続人の誰かが中心となって手続きを進めることになります。
しかし、相続手続きには書類収集や関係者への連絡、金融機関や各種機関への対応など、多くの負担が伴います。
また、相続人全員にとって公平な役割とは限らず、手続きを担う人に負担が集中してしまうことも少なくありません。
その点、遺言執行者を指定しておけば、遺言内容を実現する責任者が明確になります。
相続人にとっても、誰が手続きを進めるのか誰に確認すればよいのかが分かりやすくなり、役割分担が明確になります。
遺言執行者は決して楽な役割ではありませんが、被相続人の意思を実現するための中心的な立場として、責任を持って手続きを進めることが期待されます。
そのため、遺言書を作成する際には、財産の分け方だけでなく、その内容を実現する遺言執行者についてもあわせて検討しておくことが大切です。おく価値は十分にあるでしょう。
なお、遺言の内容によっては、被相続人の死亡後に一定の手続きが必要になるものがあります。
遺言執行者を指定しておくことで、誰がその手続きを担うのかが明確になり、遺言内容の実現につながります。
④遺言の有無・遺言執行者の有無で相続手続きはどう変わる?

相続手続きの進め方は、遺言書の有無だけでなく、遺言執行者が指定されているかどうかによっても変わります。
特に、
- 誰が手続きを主導するのか
- 誰が相続財産を管理するのか
- 金融機関や関係機関への対応を誰が行うのか
といった点で違いが生じます。
ここでは、代表的な4つのケースについて見ていきましょう。
遺言があり、遺言執行者も指定されている場合
遺言書の中で遺言執行者が指定されている場合は、相続開始後の役割分担が明確になります。
被相続人(亡くなった方)が亡くなると、指定された遺言執行者が遺言内容の実現に向けて手続きを進めることになります。
そのため、
- 誰が相続手続きを進めるのか
- 誰が金融機関や関係機関との窓口になるのか
- 誰が相続人へ連絡や説明を行うのか
が明確になります。
また、相続人の一人が中心となって動く場合と比べて、「誰が責任を持って進めるのか分からない」、「誰に確認すればよいのか分からない」といった状況も起こりにくくなります。
特に相続人が複数いる場合は、手続きを進める人が明確になることで、相続人同士の負担や調整コストを軽減しやすくなります。
さらに、被相続人自身にとっても、「自分が亡くなった後は、この人が遺言を実現してくれる」という安心感があります。
遺言の内容だけでなく、その内容を実現する担当者まで決めておくことで、相続開始後の混乱を抑えやすくなるのです。
遺言はあるが、遺言執行者が指定されていない場合
遺言書は作成されているものの、遺言執行者が指定されていないケースです。
この場合、遺言内容に従って相続手続きを進めることになりますが、誰が中心となって手続きを進めるのかが明確ではありません。
そのため、
- 誰が金融機関や関係機関との窓口になるのか
- 誰が必要書類を収集するのか
- 誰が相続人へ連絡や説明を行うのか
といった役割分担を相続人同士で決める必要があります。
相続人が少なく関係も良好であれば大きな問題にならないこともあります。しかし、相続人が複数いる場合は、
「誰がやるのか」という問題が発生しやすく、結果として特定の相続人に負担が集中することもあります。
遺言書はあっても、その内容を実現する担当者が決まっていない状態といえるでしょう。
指定された遺言執行者が辞退・死亡している場合
遺言書の中で遺言執行者が指定されていても、その人が就任を辞退したり、すでに亡くなっていたりすることがあります。
この場合、当初想定していた遺言執行者が職務を行うことはできません。
その結果、
- 誰が手続きを進めるのか
- 誰が相続財産を管理するのか
- 誰が関係機関との窓口になるのか
が不明確な状態になります。
もっとも、遺言そのものが無効になるわけではありません。
必要に応じて家庭裁判所へ遺言執行者の選任を申し立てることができます。
ただし、その分だけ手続きが増えるため、被相続人が遺言書を作成する段階で、実際に就任してもらえる人を選んでおくことが大切です。
遺言がない場合
遺言書がない場合は、被相続人(亡くなった方)が財産をどのように引き継いでほしいと考えていたのかを確認することができません。
そのため、まずは相続人全員で遺産分割協議(相続人全員で遺産の分け方を話し合うこと)を行い、誰が何を相続するのかを決める必要があります。
遺産分割協議で合意ができた後は、その内容をまとめた遺産分割協議書を作成し、その内容に基づいて預貯金の解約や不動産の名義変更などの相続手続きを進めます。
また、遺言がない場合は、遺言を実現するための遺言執行者という役割も存在しません。そのため、相続人の中から手続きを進める人を決めたり、相続人同士で協力しながら対応したりする必要があります。
相続人同士の関係が良好であれば円滑に進むこともありますが、「誰がどの財産を相続するのか」だけでなく、「誰が手続きを進めるのか」についても調整が必要になるため、話し合いが長期化することもあります。
遺言がないケースは、4つのパターンの中で最も相続人の負担が大きくなりやすいケースといえるでしょう。
ケース別の違い
| ケース | 手続きの中心となる人 | 特徴 |
|---|---|---|
| 遺言あり・執行者指定あり | 遺言執行者 | 役割が明確で進めやすい |
| 遺言あり・執行者指定なし | 相続人 | 相続人間で役割分担が必要 |
| 執行者が辞退・死亡 | 家庭裁判所で選任可能 | 新たな執行者が必要になる場合がある |
| 遺言なし | 相続人全員 | 遺産分割協議が必要 |
⑤遺言執行者の役割とやること
遺言執行者は、遺言書に記載された内容を実現するために必要な手続きを行う人です。
もっとも、遺言執行者の役割は単に書類を提出したり、財産を引き渡したりすることだけではありません。
相続開始後に発生するさまざまな手続きを整理し、遺言内容が適切に実現されるよう全体を管理・調整する役割も担います。
なお、以下は遺言執行者として行う主な業務です。専門家へ依頼する場合は、業務内容によって行政書士・司法書士・弁護士など関与する専門家が異なります。
ここでは、遺言執行者が担う代表的な役割について見ていきましょう。
相続財産の調査と財産目録の作成
遺言執行者に就任した後は、まず相続財産の内容を把握する必要があります。
被相続人が所有していた財産には、
- 預貯金
- 不動産
- 株式などの有価証券
- 自動車
- 借入金などの負債
などが含まれます。
遺言執行者はこれらの財産を調査し、相続財産の全体像を把握します。
そのうえで、財産の内容を一覧化した財産目録(相続財産をまとめた一覧表)を作成します。
財産目録を作成することで、
- どのような財産があるのか
- 遺言内容がどの財産に関係するのか
- 今後どのような手続きが必要になるのか
を整理しやすくなります。
また、相続人に対して財産の内容を説明する際の重要な資料にもなります。
預貯金に関する相続手続き
相続財産に預貯金が含まれている場合は、金融機関での相続手続きが必要になります。
被相続人が亡くなると、金融機関は口座を凍結するのが一般的です。
そのため、
- 残高証明書の取得
- 相続手続きに必要な書類の提出
- 預貯金の払戻し
- 指定された相続人への承継手続き
などを進める必要があります。
金融機関ごとに必要書類や手続きの流れが異なるため、口座数が多い場合は大きな負担になることもあります。
遺言執行者は、遺言内容に沿ってこれらの手続きを進める役割を担います。
遺言執行者が預貯金の相続手続きをどこまで進められるのかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
遺言執行者の権限と預貯金の相続手続き
不動産の相続に関する対応
相続財産に不動産が含まれている場合は、その不動産を誰が取得するのかを確認し、必要な手続きを進める必要があります。
例えば、「自宅を長男に相続させる」という遺言がある場合は、その内容に沿って相続手続きが進められます。
不動産の相続では、
- 登記に必要な書類の収集
- 関係者との連絡・調整
- 専門家との連携
などが必要になることがあります。
特に複数の不動産がある場合は、対象不動産ごとに確認事項が増えるため、遺言執行者が中心となって手続きを整理することが重要です。
なお、不動産の名義変更である相続登記については、司法書士へ依頼して進めるケースも少なくありません。
不動産に関する権限や相続手続きについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
遺言執行者の権限と不動産の相続手続き
遺贈の実行
遺言書には、相続人以外の人へ財産を渡す内容が記載されていることがあります。
これを遺贈(遺言によって特定の人へ財産を渡すこと)といいます。
例えば、「長年介護をしてくれた友人へ100万円を遺贈する」といったケースです。
遺言執行者は、遺言内容に従って遺贈の対象となる財産を引き渡すための手続きを進めます。
相続人以外の人が関係する場合は、相続人だけで対応するよりも、遺言執行者が中心となって手続きを進めた方が円滑に進むことがあります。
相続人への報告・説明
遺言執行者は、遺言内容を実現するだけでなく、相続人に対して必要な情報を伝える役割も担います。
例えば、
- 遺言執行者に就任したこと
- 相続財産の内容
- 今後の手続きの流れ
- 手続きの進捗状況
などについて、相続人へ説明を行います。
相続人にとっては、「今どのような手続きが行われているのか」が分からないと不安につながります。
そのため、適切な報告や説明を行うことも、遺言執行者の重要な役割の一つです。
⑥遺言執行者の権限と義務

遺言執行者は、遺言内容を実現するための重要な役割を担います。
そのため、法律上は一定の権限が認められている一方で、適切に職務を遂行するための義務も課されています。
ここでは、遺言執行者に認められている権限と、守らなければならない義務について解説します。
遺言執行者にどのような権限が認められているのか、預貯金や不動産の相続手続きをどこまで進められるのかについては、「遺言執行者の権限とは?できること・単独でできる手続きをわかりやすく解説」で詳しく解説しています。
遺言執行者に認められている権限
遺言執行者には、遺言の内容を実現するために必要な行為を行う権限が認められています。
民法第1012条では、
遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する
と定められています。
例えば、
- 相続財産の調査
- 財産目録の作成
- 金融機関での相続手続き
- 遺贈の実現に向けた対応
- 相続人への通知や説明
などが該当します。
ただし、遺言執行者の権限は無制限ではありません。
あくまで「遺言内容を実現するために必要な範囲」に限られます。
そのため、遺言内容と関係のない財産処分や、相続人の権利を侵害するような行為は認められていません。
遺言執行者の主な義務
遺言執行者は権限を持つだけでなく、法律上の義務も負っています。
代表的なものとして、次のような義務があります。
相続人への通知義務
遺言執行者は就任後、遅滞なく相続人へ就任したことを通知しなければなりません。
相続人にとっては、誰が遺言執行者なのか、今後どのような手続きが進められるのを把握する重要な機会となります。
財産目録を作成して相続人へ交付する義務
遺言執行者は相続財産を調査し、財産目録を作成する必要があります。
財産目録は、被相続人がどのような財産を所有していたのかを整理した資料です。
相続人はこの資料によって、相続財産の全体像を把握できます。
適切に職務を行う義務
遺言執行者は、被相続人の意思を実現する立場として、誠実に職務を遂行しなければなりません。
また、相続人全体の利益にも配慮しながら、公平かつ適切に手続きを進めることが求められます。
遺言執行者にできないこと
遺言執行者は幅広い権限を持っていますが、何でも自由にできるわけではありません。
例えば、
- 遺言内容に反する行為
- 自己の利益を優先した財産処分
- 相続人の権利を侵害する行為
などは認められていません。
また、遺言執行者は遺言内容を実現するための立場であり、自らの判断で遺言内容を書き換えたり変更したりすることもできません。
遺言執行者の役割は、被相続人が残した意思を実現することであって、自らの意思で相続内容を決めることではないためです。
義務違反があった場合はどうなる?
遺言執行者が適切に職務を行わなかった場合には、相続人との間で問題になることがあります。
例えば、
- 財産管理が不適切だった
- 必要な通知を行わなかった
- 正当な理由なく手続きを放置した
といったケースです。
また、職務遂行に著しい問題がある場合には、家庭裁判所へ遺言執行者の解任を申し立てることができる場合もあります。
遺言執行者は大きな権限を持つ一方で、それに見合った責任も負う立場です。
そのため、遺言書で遺言執行者を指定する際には、信頼できる人を選ぶことが重要になります。内容に従って、相続人に財産を分配します。遺言書に指示がある場合は、それを厳守して分配を行います。
遺言執行者が義務を果たさない場合には、解任や損害賠償の問題が生じることがあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
遺言執行者の責任や解任について詳しく見る
⑦遺言執行者は誰を選ぶべき?
遺言執行者は、遺言内容を実現するための重要な役割を担います。
そのため、誰を遺言執行者に指定するかは、遺言の内容と同じくらい重要なポイントです。
遺言執行者には家族や親族を指定することもできますし、行政書士・司法書士・弁護士などの専門家を指定することもできます。
どの選択が正しいというわけではなく、財産の内容や家族関係、相続手続きの複雑さなどを踏まえて選ぶことが大切です。
ここでは、それぞれの特徴について見ていきましょう。
親族を遺言執行者にする場合
遺言執行者には、配偶者や子どもなどの親族を指定することができます。
親族を指定するメリットは、家族構成や財産の状況を理解していることです。
また、「家族のことは家族に任せたい」と考える方も少なくありません。
特に、
- 相続人が少ない
- 財産がシンプル
- 相続人同士の関係が良好
といったケースでは、親族が遺言執行者になっても大きな問題はないでしょう。
一方で、遺言執行者にはさまざまな手続きや調整が求められます。
そのため、
- 相続手続きに慣れていない
- 平日に時間を確保しづらい
- 相続人との調整負担が大きい
といった場合には負担を感じることもあります。
また、相続人の一人を遺言執行者にした場合、「公平に進めているのだろうか」と他の相続人から見られることもあるため、家族関係にも配慮が必要です。
専門家を遺言執行者にする場合
行政書士・司法書士・弁護士などの専門家を遺言執行者に指定することもできます。
専門家を指定するメリットは、相続手続きの経験や知識を活かしながら手続きを進められることです。
また、第三者の立場で対応するため、
- 手続きを客観的に進めやすい
- 相続人間の調整役になれる
- 相続人の負担を軽減しやすい
といったメリットもあります。
特に、
- 相続人が複数いる
- 相続人が遠方に住んでいる
- 預貯金口座が複数ある
- 遺贈がある
といったケースでは、専門家を指定することで手続きを進めやすくなることがあります。
一方で、専門家へ依頼する場合は報酬が発生することが一般的です。
そのため、財産内容や相続人の状況を踏まえながら検討するとよいでしょう。
特に、相続人以外への遺贈が予定されている場合や、遺言内容の実現に複雑な手続きが伴う場合は、専門家を遺言執行者に指定することで手続きを進めやすくなることがあります。
複数の遺言執行者を指定することも可能
遺言執行者は1人しか指定できないわけではありません。
遺言書の中で、複数の遺言執行者を指定することも可能です。
例えば、
- 長男と次男を共同で指定する
- 親族と専門家を共同で指定する
といった方法があります。
複数指定することで、それぞれの知識や立場を活かせるというメリットがあります。
一方で、誰が何を担当するのか、意見が分かれた場合にどうするのかといった問題が生じることもあります。
そのため、複数指定する場合は、あらかじめ役割分担を意識しておくことが重要です。
実務上は1名または主担当を明確にするのがおすすめ
法律上は複数の遺言執行者を指定できますが、実務上は1名にするか、主担当を明確にしておく方が手続きを進めやすいケースが多くあります。
遺言執行者が複数いる場合、「どちらが対応するのか」、「どちらの判断で進めるのか」が曖昧になることがあります。
また、金融機関や関係機関とのやり取りでも、窓口が複数になることで手続きが煩雑になることがあります。
そのため、
- 親族1名を指定する
- 専門家1名を指定する
- 複数指定する場合は主担当を決めておく
といった形が実務上はおすすめです。
遺言執行者は、被相続人の意思を実現するための重要な役割を担います。
そのため、「誰なら確実に最後まで責任を持って対応してくれるか」という視点で選ぶことが大切です。
⑧専門家を遺言執行者にした方がよいケース

遺言執行者は親族を指定することもできますが、相続の内容によっては専門家を指定した方が手続きを円滑に進められる場合があります。
特に、
- 手続きが複雑になる可能性がある
- 相続人の負担を減らしたい
- 中立的な立場で手続きを進めてほしい
といった場合は、専門家を遺言執行者に指定することを検討してもよいでしょう。
ここでは、専門家を遺言執行者にした方がよい代表的なケースを紹介します。
相続人が複数いる場合
相続人が複数いる場合は、相続手続きの負担が大きくなりやすくなります。
例えば、
- 相続人全員への連絡
- 必要書類の収集
- 手続きの進捗管理
などを行う必要があります。
また、相続人の一人が遺言執行者になると、「本当に公平に進めているのだろうか」と他の相続人から疑問を持たれることもあります。
その点、第三者である専門家が遺言執行者になれば、相続人全員に対して中立的な立場で手続きを進めやすくなります。
相続人が遠方に住んでいる場合
相続人が全国各地に住んでいる場合は、書類のやり取りや連絡調整だけでも大きな負担になります。
特に、
- 相続人の人数が多い
- 海外に居住している相続人がいる
- 日中の連絡が取りづらい
といったケースでは、手続きに時間がかかることもあります。
専門家が遺言執行者となることで、手続きの窓口を一本化しやすくなり、相続人の負担軽減につながります。
預貯金口座が複数ある場合
被相続人が複数の金融機関に口座を持っていた場合は、それぞれの金融機関で相続手続きを行う必要があります。
金融機関ごとに、
- 必要書類
- 提出方法
- 手続きの流れ
が異なるため、口座数が多いほど手続きの負担も大きくなります。
このようなケースでは、相続手続きの経験がある専門家を遺言執行者に指定しておくことで、手続きを整理しながら進めやすくなります。
特に、預貯金に関する相続手続きや必要書類の作成支援については、行政書士や弁護士への依頼が選択肢となります。
遺贈がある場合
遺言書で相続人以外の人へ財産を渡す遺贈が予定されている場合は、専門家を遺言執行者に指定するメリットがあります。
遺贈では、相続人、受遺者(遺贈によって財産を受け取る人)の双方が関係者となります。
そのため、親族が遺言執行者になるよりも、第三者である専門家が対応した方が手続きを進めやすいケースがあります。
また、遺言内容を適切に実現するという観点からも、専門家が関与する意義は大きいといえるでしょう。
遺贈は、遺言書を書いただけで完了するものではありません。被相続人の死亡後に実際に財産を引き渡すための手続きが必要になります。
そのため、遺言内容を実現する責任者として遺言執行者を指定しておくことで、受遺者や相続人も手続きを進めやすくなります。
不動産がある場合
相続財産に不動産が含まれている場合は、相続登記(不動産の名義変更手続き)が必要になります。
また、
- 複数の不動産がある
- 土地と建物がある
- 収益不動産がある
といったケースでは、確認事項や必要書類も増えていきます。
このような場合は、不動産に関する相続手続きに精通した専門家の関与が有効です。
特に相続登記が必要になる場合は、司法書士への相談を検討するとよいでしょう。
将来的な紛争が予想される場合
相続人同士の関係が良好であれば問題ありませんが、
- 相続人同士の仲が良くない
- 遺言内容に不満を持つ相続人がいる可能性がある
- 遺留分(一定の相続人に保障された最低限の相続分)に関する問題が想定される
といった場合は注意が必要です。
このようなケースでは、専門家が遺言執行者として関与することで手続きを進めやすくなることがあります。
また、紛争や交渉が予想される場合は、弁護士への相談も検討するとよいでしょう。
専門家選びの目安
遺言執行者を専門家へ依頼する場合は、相続の内容に応じて適した専門家が異なります。
| 主なケース | 適した専門家の例 |
|---|---|
| 預貯金口座が複数ある | 行政書士・弁護士 |
| 遺贈がある | 行政書士・弁護士 |
| 不動産がある | 司法書士 |
| 紛争のおそれがある | 弁護士 |
| 相続人が複数・遠方にいる | 行政書士・弁護士 |
遺言執行者は、被相続人の意思を実現する重要な役割を担います。
そのため、家族構成や財産内容を踏まえ、「誰が遺言を実現するのに最も適しているか」という視点で選ぶことが大切です。
⑨遺言執行者を指定する方法
遺言執行者は、相続開始後に相続人が自由に選ぶものではありません。
一般的には、被相続人が遺言書の中で遺言執行者を指定します。
また、遺言書で特定の人を指定しない場合でも、遺言執行者を選任する方法はあります。
ここでは、遺言執行者を指定・選任する方法について解説します。
遺言書の中で指定する方法
最も一般的なのが、遺言書の中で遺言執行者を指定する方法です。
例えば、
遺言執行者として長男〇〇を指定する。
あるいは、
遺言執行者として行政書士〇〇を指定する。
といった形で記載します。
遺言執行者は親族だけでなく、行政書士・司法書士・弁護士などの専門家を指定することも可能です。
また、複数人を遺言執行者として指定することもできます。
ただし、複数指定すると役割分担や意思決定が複雑になることもあるため、実務上は1名にするか、主担当を明確にしておくことが望ましいでしょう。
遺言執行者を指定する人を決めておく方法
遺言書では、特定の個人を遺言執行者として指定するだけでなく、「〇〇行政書士事務所の行政書士に遺言執行者を依頼する」といったように、遺言執行者を選ぶ権限を特定の人へ与えることもできます。
これを「遺言執行者の指定の委託」といいます。
例えば、
- 遺言作成時には具体的な人を決めていない
- 将来的に担当者が変わる可能性がある
- 専門家へ一任したい
といった場合に活用されることがあります。
遺言執行者が指定されていない場合
遺言書があっても、遺言執行者が指定されていないケースがあります。
この場合でも、遺言そのものが無効になるわけではありません。
相続人などが協力しながら遺言内容の実現に向けた手続きを進めることになります。
また、遺言内容や相続状況によっては、家庭裁判所へ遺言執行者の選任を申し立てることも可能です。
特に、
- 遺贈がある
- 相続人同士の調整が難しい
- 手続きが複雑
といった場合は、遺言執行者の選任が検討されることがあります。
指定した遺言執行者が辞退することはできる?
遺言執行者に指定された人は、必ず就任しなければならないわけではありません。
親族や知人、専門家を問わず、就任を辞退することが可能です。
そのため、遺言書を作成する際は、「遺言執行者として指定する予定だが、引き受けてもらえるか」を事前に確認しておくことが大切です。
特に専門家を指定する場合は、あらかじめ相談し、報酬や対応範囲について確認しておくと安心です。
遺言書を作成する際にあわせて検討しておきたい
遺言執行者は、遺言書を作成した後ではなく、遺言内容を検討する段階から考えておくことをおすすめします。
特に、
- 相続人が複数いる
- 不動産がある
- 預貯金の解約・払戻し手続きが多数発生する
- 遺贈がある
- 将来的なトラブルが心配
といったケースでは、誰に遺言執行者を任せるかによって相続手続きの進めやすさが大きく変わります。
遺言書では財産の分け方に注目しがちですが、「誰に遺言を実現してもらうのか」まで決めておくことで、相続開始後の負担や混乱を減らしやすくなります。
⑩よくある質問
Q. 遺言執行者は必ず必要ですか?
A. いいえ。法律上、遺言執行者は必須ではありません。ただし、相続人が複数いる場合や遺贈がある場合は、指定しておくことで相続手続きを進めやすくなります。
Q. 遺言執行者は相続人でもなれますか?
A. はい。配偶者や子どもなどの相続人を遺言執行者に指定することも可能です。
Q. 遺言執行者は家族以外でも指定できますか?
A. はい。友人や知人のほか、行政書士・司法書士・弁護士などの専門家も指定できます。
Q. 遺言執行者は複数人指定できますか?
A. はい。複数人の指定も可能です。ただし、実務上は1名または主担当を明確にしておく方が手続きを進めやすくなります。
Q. 遺言執行者に指定されたら断ることはできますか?
A. はい。遺言執行者に指定されても就任を辞退できます。
Q. 遺言執行者は辞任できますか?
A. 就任後に辞任する場合は、正当な事由が必要となり、家庭裁判所の許可が必要です。
Q. 遺言執行者は解任できますか?
A. 遺言執行者に不正行為や職務怠慢などがある場合は、利害関係人が家庭裁判所へ解任の申立てを行うことができます。
Q. 遺言執行者が何もしない場合はどうなりますか?
A. 相続人などの利害関係人は、状況に応じて家庭裁判所へ解任の申立てを行うことができます。
Q. 遺言執行者が亡くなっていた場合はどうなりますか?
A. 遺言自体は無効になりません。必要に応じて家庭裁判所へ遺言執行者選任の申立てを行うことができます。
Q. 遺言執行者は変更できますか?
A. 遺言者が存命中であれば、新しい遺言書を作成することで変更できます。
Q. 遺言執行者に報酬は発生しますか?
A. 親族が就任する場合は無報酬のこともありますが、専門家へ依頼する場合は報酬が発生するのが一般的です。
遺言執行者の報酬相場や家族・行政書士の費用について詳しくはこちら
Q. 行政書士を遺言執行者に指定できますか?
A. はい。行政書士を遺言執行者に指定することは可能です。
Q. 司法書士を遺言執行者に指定できますか?
A. はい。司法書士を遺言執行者に指定することも可能です。不動産が相続財産に含まれる場合によく検討されます。
Q. 弁護士を遺言執行者に指定できますか?
A. はい。相続人間の対立が予想される場合や、法的な対応が必要になる可能性がある場合は弁護士を指定する選択肢もあります。
Q. 遺言執行者を指定しないとどうなりますか?
A. 遺言自体は有効です。ただし、誰が中心となって手続きを進めるのかが不明確になり、相続人の負担が大きくなることがあります。
まとめ
遺言執行者とは、被相続人(亡くなった方)が残した遺言内容を実現するために手続きを行う人です。
遺言執行者には、
- 相続財産の調査
- 財産目録の作成
- 預貯金に関する相続手続き
- 遺贈の実行
- 相続人への報告・説明
など、遺言内容を実現するための重要な役割があります。
もっとも、遺言執行者はすべての相続で必須となるわけではありません。
相続人だけで手続きを進められるケースもあります。
しかし、
- 相続人が複数いる
- 相続人が遠方に住んでいる
- 不動産がある
- 預貯金の解約・払戻し手続きが多数発生する
- 遺贈がある
といったケースでは、遺言執行者を指定しておくことで相続手続きを円滑に進めやすくなります。
また、遺言執行者は親族だけでなく、行政書士・司法書士・弁護士などの専門家を指定することも可能です。
特に相続人が複数いる場合や、手続きが複雑になることが予想される場合は、専門家を遺言執行者に指定することで相続人の負担を軽減できることがあります。
遺言書を作成する際は、「誰に財産を引き継ぐか」だけでなく、「誰に遺言を実現してもらうか」まで考えておくことが大切です。
遺言執行者を適切に指定しておくことで、被相続人の意思を実現しやすくなり、相続人の負担や相続開始後の混乱を減らすことにもつながります。
遺言書の作成や遺言執行者の指定でお悩みの方は、相続手続きに詳しい専門家へ相談することをおすすめします。
無料相談受付中|まずは一度、お気軽にお話ししませんか?
この記事をここまで読んでくださったあなたへ。
もしかすると今、心の中にこういう想いがあるかもしれません。
- 「まだ元気だけど、そろそろ考えておいた方がいいかも」
- 「相続で家族が揉めるのは絶対に避けたい」
- 「親が高齢になってきて、何か準備が必要そう…」
そう感じた今こそ、行動を起こすチャンスです。
まだ何も決まっていなくてOK。まずは一度、お話をお聞かせください。
✅ 無料相談でできること
当事務所では、初回のご相談は無料で承っております。相談の内容は、まだ漠然としたものでまったく構いません。
ご相談内容の例
- 遺言って何から始めればいいの?
- うちの家族関係でもトラブルなく進められる?
- 自分で書いた遺言書を見てほしい
- 公正証書遺言ってどこに行けばいいの?
- 相続の流れも一緒に知りたい など
💡 専門家に話すことで、「今すべきこと」が明確になります。
✅ 実績・対応エリアについて
当事務所では、これまでに数十件以上の遺言・相続サポートを行ってきました。
地域に根ざした対応と、丁寧でわかりやすい説明をモットーに、多くのお客様から喜びの声をいただいています。
- 対応地域:大田区・品川区・近隣エリア(オンライン相談も対応可)
- ご高齢の方やご家族向けの「ご自宅訪問」も可能です
✅ ご相談の流れ
- 【STEP1】お問い合わせ
→ 電話・メールフォームのいずれかでご連絡ください - 【STEP2】日程調整
→ ご都合の良い日程を調整いたします(平日夜・土日対応もOK) - 【STEP3】無料相談(60分程度)
→ ご状況やお悩みをじっくりお伺いします - 【STEP4】ご提案・お見積り
→ ご希望に応じて、最適なプランをご提案。無理な営業は一切しません。
💬 「話してよかった」「気持ちが軽くなった」そんなご感想を多くいただいています。
✅ ご相談方法(選べます!)
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 📞 電話相談 | お急ぎの方や対面が難しい方におすすめ |
| 🖥 オンライン相談 | ご自宅から安心して相談できます(Zoom対応) |
| 🏠 訪問相談 | ご高齢の方、外出が難しい方のために訪問も可 |
✅ 行政書士プロフィール
特定行政書士 野中雅敏(IT行政書士事務所)
- 国家資格:行政書士(登録番号:25080391)
- 経歴:IT業界出身/相続・遺言分野を専門取り組み中
- 趣味:競泳
- メッセージ:
「遺言は“難しいこと”ではなく、“優しさのカタチ”です。
家族を守るために、ぜひ一緒に考えていきましょう。」
📩 お問い合わせはこちら
- ☎ お電話:03-6820-3968
- 📝 お問い合わせフォーム
- 📍 事務所所在地:東京都大田区大森北3-24-27 ルミエールN
あなたの「不安」を「安心」に変えるお手伝いを、私たち行政書士が全力でサポートいたします。
どんな小さなことでも構いません。
今すぐ、気軽にご連絡ください。

