建設業許可の申請費用はいくら?手数料・行政書士報酬・実費を解説

建設業許可の新規申請にかかる費用の内訳を行政書士に確認する建設会社経営者

建設業許可の取得を検討するとき、「申請にはどのような費用がかかるのか」「行政書士に依頼すると、どのくらい費用が増えるのか」は気になるところではないでしょうか。

建設業許可の新規申請では、主に次の費用がかかります。

  • 行政庁へ支払う申請手数料
  • 行政書士に依頼する場合の報酬
  • 証明書の取得や郵送などにかかる実費

このうち、行政庁へ支払う申請手数料は行政書士事務所が決めるものではありません。一方、行政書士報酬やその料金に含まれる業務の範囲は、事務所によって異なります。また、依頼内容によっては追加費用が発生する場合があります。

そのため、「建設業許可○万円」という金額だけを見ても、実際にどこまで対応してもらえるのかは分かりません。

この記事では、東京都知事・一般建設業許可の新規申請を前提に、どのような費用が必要になるのか、行政書士に依頼する場合は何に対して費用を支払うのか、料金を比較するときに何を確認すればよいのかを解説します。

① 建設業許可の申請にはどのような費用がかかる?

建設業許可の新規申請にかかる費用を行政庁への申請手数料・行政書士報酬・証明書取得などの実費に分けた図解
建設業許可の新規申請にかかる主な費用のイメージ

建設業許可の新規申請にかかる費用は、行政庁へ支払う申請手数料、行政書士に依頼する場合の報酬、証明書の取得などにかかる実費に分けて考えると分かりやすくなります。

費用内容
行政庁へ支払う申請手数料建設業許可を申請するときに行政庁へ支払う費用
行政書士報酬新規申請を行政書士に依頼する場合に支払う報酬
証明書の取得などにかかる実費申請に必要な証明書の取得費用や郵送料など
追加費用通常より多くの資料確認や収集などが必要な場合に、行政書士事務所によって設定されることがある費用

このうち、行政庁へ支払う申請手数料は、行政書士事務所が決めるものではありません。東京都知事許可を申請する場合は、東京都が定める申請手数料が必要です。

東京都知事許可の新規申請に必要な手数料は、東京都都市整備局の公式サイトで確認できます。
東京都都市整備局「建設業許可」

一方、行政書士報酬や追加費用は、行政書士事務所によって異なります。また、証明書の取得などにかかる実費も、申請に必要となる資料によって変わります。

そのため、建設業許可の費用を見るときは、まず「行政庁へ支払う費用」と「行政書士へ依頼することで発生する費用」を分けて考えることがポイントです。

② 行政書士に依頼すると何に対して費用を支払うのか

建設業許可の新規申請を行政書士に依頼すると、行政庁へ支払う申請手数料とは別に行政書士報酬がかかります。

行政書士報酬というと、「申請書を作成して提出してもらうための費用」というイメージがあるかもしれません。

しかし、新規申請では、申請書を作成する前に、会社が許可要件を満たしているかを確認し、それをどの資料で証明するのかを確認する作業が必要になります。

一般的には、次のような業務が行政書士への依頼内容に含まれることがあります。

  • 取得する建設業種の確認
  • 常勤役員等や営業所技術者等の要件確認
  • 経験や資格を証明するために必要な資料の確認
  • 営業所や財産的基礎など、その他の許可要件の確認
  • 申請書類・添付書類の作成
  • 行政庁への申請
  • 申請後の補正や追加資料への対応
建設業許可を行政書士に依頼した場合の要件確認・証明資料確認・申請書作成・提出後対応の流れ
行政書士への依頼には、申請書の作成だけでなく、許可要件や証明資料の確認、申請手続、申請後の確認・追加資料への対応などが含まれます。

例えば、営業所技術者等について実務経験を使って申請する場合には、「実務経験があります」と申請書に記載するだけではなく、その経験が許可を受けようとする建設業種の経験として認められるか、必要な期間を満たしているか、どの資料で確認できるかを整理する必要があります。

このように、行政書士報酬には、書類作成だけではなく、許可要件への該当性や必要な証明資料を確認したうえで、申請手続を進めるための業務が含まれる場合があります。

ただし、ここで挙げた内容は、建設業許可の新規申請を行政書士に依頼する場合の一般的な例です。

どこまでを基本料金に含めるかは行政書士事務所によって異なります。公的証明書の取得、過去の工事資料の確認、申請後の補正対応などが別料金となる場合もあるため、行政書士報酬の金額だけでは、サービス内容まで比較することはできません。

③ 行政書士の料金は「金額」だけで比較しない

建設業許可を行政書士に依頼するとき、複数の行政書士事務所の料金を比較する方も多いでしょう。

ただ、建設業許可の申請代行は、料金だけではサービス内容を比較しにくいという特徴があります。

同じ「建設業許可の新規申請」というサービスでも、許可要件の確認、必要資料の確認、証明資料の整理、公的証明書の取得、申請書類の作成、申請後の補正対応など、どこまで行政書士が対応するのかは事務所によって異なります。

最終的に「建設業許可を取得する」というゴールは同じでも、そこに到達するまでのサポートが同じとは限りません。

同じゴールでも、そこまでのサポートには違いがある

マラソンにたとえてみましょう。

建設業許可の取得を「ゴール」とすれば、行政書士事務所によっては、スタート前から現在の状況を確認し、必要な準備を一緒に考え、途中でも状況を確認しながら、必要に応じて水分や補給食を渡してゴールまで伴走するようなサービスもあります。

一方で、必要なものは依頼者自身で準備し、行政書士は決められたチェックポイントで書類を確認して、申請手続を行うことを中心としたサービスも考えられます。

建設業許可という同じゴールに向かう行政書士サービスのサポート範囲の違いをマラソンに例えた図解
同じ建設業許可の取得を目指すサービスでも、行政書士がどこまで伴走するか、依頼者自身がどこまで準備するかによってサポート範囲は異なります。

どちらも目指すゴールは「建設業許可の取得」です。

しかし、行政書士がどこから関わり、どこまでサポートするのかによって、依頼者側に必要となる作業は変わります。

その違いは、Webサイトに掲載されている料金だけを見ても分からないことがあります。

「安い」「丸投げ」「お任せ」という言葉だけで判断しない

特に確認しておきたいのが、「低価格」「丸投げ」「お任せ」といった表示です。

料金が安いこと自体に問題があるわけではありません。また、「丸投げ」「お任せ」という言葉が使われているからといって、サービス内容が不十分ということでもありません。

ただし、こうした言葉だけでは、実際に行政書士がどこまで対応してくれるのかは分かりません。

例えば、行政書士から指定された契約書、注文書、請求書、資格証、会社内部の資料などを、建設会社側ですべて探して整理し、提供することを前提としているサービスもあります。

建設業許可の申請に慣れていない会社にとって難しいのは、単に書類を集めることだけではありません。

「どの経験が許可要件を満たすのか」
「手元にある資料のうち、どれがその経験の確認に使えるのか」
「資料が足りなければ、ほかに確認できるものはないか」

といったことを判断しながら準備する必要があります。

建設業にたとえれば、材料をすべて依頼者が選び、必要な量までそろえた状態で渡すのか、それとも、どの材料が使えるのかを一緒に確認するところから依頼できるのかという違いです。

建設会社側で許可要件を確認し、必要な証明資料を判断して、申請に使える状態まで整理できるのであれば、行政書士に任せる作業はそれだけ少なくなります。

だからこそ、安価な料金や「丸投げ」「お任せ」という言葉だけで行政書士事務所を比較するのではなく、実際に誰が何をするのかを確認することが重要です。

料金と一緒に「どこまで対応してもらえるか」を確認する

行政書士事務所を比較するときは、料金とあわせて、例えば次のような点を確認してみましょう。

  • 許可要件を確認してもらえるか
  • どの経験や資格を使って申請するか相談できるか
  • 必要な証明資料を具体的に確認してもらえるか
  • 公的証明書の取得は誰が行うのか
  • 会社が保有する資料は、どこまで整理して渡す必要があるのか
  • 申請後の補正や追加資料にも対応してもらえるか
  • 追加料金が発生するのはどのような場合か

料金表だけを並べても、こうした違いまでは見えてきません。

許可を取得するというゴールだけを見るのではなく、そこまでの道のりをどこまで一緒に走ってもらえるのか。

行政書士報酬を比較するときは、その点まで確認したうえで、自社に必要なサポートを選ぶことが大切です。

行政書士に依頼できることと、会社側で行うことについては、「建設業許可の申請代行とは?行政書士に依頼できる範囲と自分で行うこと」で詳しく解説しています。

④ 自分で申請すれば行政書士報酬はかからない

建設業許可は、必ず行政書士に依頼しなければならない手続ではありません。自社で要件を確認し、必要な資料をそろえて申請書類を作成すれば、自分で申請することもできます。

自分で申請する場合、行政書士報酬はかかりません。そのため、支出する金額だけを比較すれば、自分で申請する方が費用を抑えられます。

ただし、新規申請では「行政書士報酬がかからない」という点だけでなく、申請までに必要となる時間や手間も考えておきたいところです。

新規申請のために覚えたことを何度使うのか

建設業許可の新規申請を自分で進める場合、申請書の書き方だけを調べればよいわけではありません。

許可要件を確認し、自社の経験や資格がどの要件に該当するのかを判断し、それを証明するために必要な資料を調べ、申請できる状態まで準備する必要があります。

もちろん、こうした制度や申請方法を自社で理解することには意味があります。

一方で、「新規申請」という手続を同じ会社が何度も行うわけではありません。

許可取得後には決算変更届や変更届、更新などの手続がありますが、新規申請とまったく同じ手続を繰り返すわけではありません。

そのため、新規申請のために時間をかけて調べた知識や作業方法の中には、次に同じ形で使う機会が少ないものもあります。

一般建設業許可の500万円基準が申請時に支払う費用ではなく財産的基礎の基準であることを示す図解
一般建設業許可で出てくる「500万円」は、行政庁や行政書士へ支払う申請費用ではなく、財産的基礎に関する基準です。

費用だけでなく「自社の時間」も含めて考える

例えば、経営者や事務担当者が申請のために何時間も制度を調べたり、過去の資料を確認したり、申請書類を作成したりすれば、その時間は本来の仕事には使えません。

建設会社であれば、現場管理、見積り、取引先との打合せ、従業員への対応など、ほかにも時間を使う仕事があります。

ですから、自分で申請するか行政書士に依頼するかを考えるときは、

「行政書士報酬を節約できるか」だけではなく、「新規申請のために自社でどれだけの時間を使うのか」

まで含めて比較するとよいでしょう。

自分で申請する場合と行政書士に依頼する場合の作業の違いや、自分で進める場合に難しくなりやすいポイントについては、「建設業許可は自分で申請できる?行政書士に依頼する場合との違いを比較」で詳しく解説しています。

⑤ 「建設業許可には500万円必要」は申請費用のことではない

建設業許可について調べていると、「500万円」という金額を目にすることがあります。

そのため、
建設業許可を取るには、500万円を用意しないといけないの?
申請するときに500万円を東京都へ支払うの?
と誤解されることがあります。

しかし、この500万円は、建設業許可を取得するために行政庁へ支払う申請費用ではありません。

500万円は一般建設業の「財産的基礎」に関係する金額

一般建設業の許可を受けるためには、許可要件の一つである財産的基礎を満たす必要があります。

東京都の手引では、一般建設業について、次のいずれかに該当することが求められています。

  • 自己資本の額が500万円以上あること
  • 500万円以上の資金を調達する能力があること
  • 許可申請直前の過去5年間、許可を受けて継続して建設業を営業した実績があること

つまり、500万円は「許可を買うためのお金」ではなく、建設業を営むために必要な財産的な基礎があるかを確認するための基準です。

そのため、申請時に500万円を東京都へ預けたり、行政書士へ支払ったりするものではありません。

「申請にかかる費用」と「許可要件」は分けて考える

ここを分けて考えると分かりやすくなります。

申請手数料や行政書士報酬など
→ 建設業許可を申請するためにかかる費用

500万円の基準
→ 一般建設業の許可を受けるために確認される財産的基礎の要件

同じ「建設業許可に必要なお金」の話でも、意味はまったく異なります。

一般建設業の500万円の基準や、自己資本・残高証明などによる確認方法については、「建設業許可の財産的基礎」で詳しく解説しています。

⑥ 建設業許可の申請費用についてよくある質問

建設業許可の新規申請にかかる費用について、よくある質問をまとめます。

Q:建設業許可の申請にはどのような費用がかかりますか?

建設業許可の新規申請では、主に行政庁へ支払う申請手数料、行政書士に依頼する場合の報酬、証明書の取得や郵送などにかかる実費が必要です。

また、通常より多くの資料確認や収集などが必要な場合は、行政書士事務所によって追加費用が設定されていることがあります。

IT行政書士事務所の現在の料金や基本料金に含まれる業務については、「東京都知事・一般建設業の新規許可申請」でご案内しています。

Q:自分で申請する場合でも申請手数料はかかりますか?

はい。行政庁へ支払う申請手数料は、自分で申請する場合でも必要です。

自分で申請すれば行政書士報酬はかかりませんが、行政庁への申請手数料や、必要な証明書を取得するための実費まで不要になるわけではありません。

Q:行政書士事務所によって料金が違うのはなぜですか?

行政書士報酬は一律に定められているものではなく、各行政書士事務所によって異なります。

また、料金の違いだけでなく、その料金に含まれている業務の範囲が異なる場合があります。

例えば、許可要件の確認、必要な証明資料の確認、公的証明書の取得、申請後の補正対応などをどこまで基本料金に含めるかは、行政書士事務所によって異なります。

そのため、料金を比較するときは、金額だけではなく「その料金でどこまで対応してもらえるのか」も確認するとよいでしょう。

Q:「丸投げ」「お任せ」なら会社で書類を準備しなくてもよいですか?

「丸投げ」「お任せ」という表現だけでは、会社側で何をする必要があるのかは判断できません。

建設業許可では、過去の工事に関する契約書・注文書・請求書、資格証、会社内部の資料など、会社や本人が保有している資料の提供が必要になることがあります。

また、行政書士事務所によって、必要な資料を依頼者へ案内するところまで対応するのか、手元にある資料を確認して申請に使えるものを一緒に検討するのかなど、サポートする範囲も異なります。

「丸投げ」「お任せ」という言葉だけで判断せず、行政書士が行うことと会社側で行うことを確認してから依頼することが大切です。

Q:建設業許可を取るために500万円を支払う必要がありますか?

いいえ。一般建設業の許可で出てくる「500万円」は、行政庁へ支払う申請費用ではありません。

一般建設業の許可要件である「財産的基礎」に関係する金額です。

そのため、建設業許可を取得するために500万円を東京都へ支払ったり、行政書士へ支払ったりするものではありません。

⑦ 東京都の建設業許可申請をご相談ください

建設業許可の新規申請にかかる費用は、行政書士報酬だけで決まるものではありません。

会社の状況によって、許可要件の確認方法や必要となる証明資料が異なり、行政書士へ依頼する場合も、どこまでの対応が必要になるかによって費用が変わることがあります。

IT行政書士事務所では、東京都知事・一般建設業の新規許可申請について、現在の事業内容、これまでの経験や資格、営業所の状況などを確認したうえで、必要な手続と費用をご案内します。

「自社の場合はいくらかかるのか知りたい」
「追加料金が必要になるケースなのか確認したい」
「そもそも建設業許可を取得できるのか分からない」

という段階でもご相談いただけます。