建設業許可の般・特新規とは?一般建設業から特定建設業へ切り替える方法を解説

建設業の般・特新規について、建設会社の経営者と行政書士が書類を確認しながら、一般建設業の小規模工事から特定建設業の大型元請工事と複数の下請会社への発注へ広がる流れを示した図

元請として受注する工事の規模が少しずつ大きくなり、複数の下請業者へ発注する金額も増えていくことがあります。

これまでは一般建設業の許可で対応できていた会社でも、発注者から直接請け負った工事について、下請契約の総額が一定の基準を超える場合は、特定建設業許可が必要になります。

一般建設業から特定建設業へ切り替える場合は、単なる業種追加ではなく、「般・特新規」という申請区分が関係します。

この記事では、次の内容を解説します。

  • 特定建設業への切替が必要になる場面
  • 般・特新規と業種追加の違い
  • 一般建設業と特定建設業で異なる許可要件
  • 般・特新規の申請に必要な書類
  • 一般建設業から特定建設業へ切り替える流れ

今後、元請として大型案件を受注する予定がある場合は、受注前に特定建設業が必要になるかを見極めておくことが重要です。

目次

① 一般建設業から特定建設業への切替が必要になる場合

大田区のデザイン施工会社が大型の店舗・オフィス改装工事を元請で受注し、電気設備、空調・給排水、内装仕上など複数の専門工事会社へ発注する様子を示した図
案件が大型化すると、元請会社が発注者から工事を直接請け負い、電気設備・空調・給排水・内装仕上など複数の専門工事会社へ発注するケースが増えます。

特定建設業が必要になるかどうかは、元請として受注した工事の請負金額だけで決まるものではありません。

見るのは、発注者から直接請け負った工事について、下請業者と締結する下請契約の総額です。

発注者から直接請け負った工事で一定額以上を下請に出す場合に特定建設業が必要になる

特定建設業許可が必要になるのは、発注者から直接工事を請け負う元請業者が、その工事について一定額以上の下請契約を締結する場合です。

金額基準は、建築一式工事とそれ以外の工事で異なります。

工事の種類特定建設業許可が必要になる下請契約の総額
建築一式工事以外5,000万円以上
建築一式工事8,000万円以上

たとえば、元請として建築一式工事以外の工事を受注し、その工事について複数の下請業者へ合計5,000万円以上を発注する場合は、特定建設業許可が必要になります。

一方、元請として受注した工事自体が高額であっても、自社で施工する割合が高く、下請契約の総額が基準未満であれば、この金額基準だけを理由に特定建設業許可が必要になるわけではありません。

つまり、

元請としていくらで受注したかではなく、その元請工事をいくら下請に出すのか

が判断のポイントです。

下請契約額は1社ごとではなく工事全体の合計で判断する

下請契約の金額は、1社ごとに基準額と比較するのではありません。

同じ元請工事について複数の下請業者と契約する場合は、それぞれの下請契約額を合計して判断します。

たとえば、建築一式工事以外の工事について、

  • A社へ2,000万円
  • B社へ1,800万円
  • C社へ1,300万円

を発注する場合、1社だけを見ると5,000万円未満です。

しかし、3社への下請契約額を合計すると5,100万円になるため、特定建設業許可が必要となる金額基準を超えます。

大型案件を受注するときは、1社への発注額だけではなく、その工事全体で予定している下請契約の総額を見る必要があります。

下請として受注した工事は再下請への発注額が大きくても対象にならない

特定建設業の金額基準は、発注者から直接工事を請け負った元請業者に対するものです。

そのため、他の建設会社から下請として工事を受注した会社が、さらに別の会社へ工事を発注する場合は、再下請への発注額が大きくなっても、それだけを理由に特定建設業許可が必要になるわけではありません。

たとえば、建設会社Aが発注者から工事を直接受注し、その一部を会社Bへ下請に出します。会社Bがさらに会社Cや会社Dへ工事を発注したとしても、会社Bは発注者から直接工事を請け負った元請業者ではありません。

したがって、特定建設業が必要になるかを見るときは、まず「この工事を発注者から直接請け負っているのは誰か」を押さえることが重要です。

そのうえで、元請業者がその工事について締結する下請契約の総額が基準額以上になるかを判断します。

② 大田区のデザイン施工会社が大型案件を受注するケース

店舗・オフィスの設計施工会社が大型改装工事を元請で受注し、電気設備、空調・給排水、内装仕上など複数の専門工事会社へ発注する流れを示した図
案件が大型化すると、元請会社が工事全体を請け負い、電気設備・空調・給排水・内装仕上など複数の専門工事会社へ発注する形になります。

ここでは、大田区で店舗やオフィスのデザインと施工を一括で請け負っている会社を例にします。

これまでは比較的小規模な改装工事が中心でしたが、取引先との関係が続く中で、店舗全体や複数区画をまとめて任されるようになり、元請として受注する工事の規模も大きくなってきました。

店舗・オフィスのデザインと施工を一括で請け負う

この会社では、内装デザインだけを行うのではなく、発注者から店舗やオフィスの改装工事を直接請け負い、デザインから施工までまとめて対応しています。

案件によっては、自社だけですべての工事を施工するのではなく、工事内容に応じて電気設備、空調設備、給排水設備、内装などを専門の建設会社へ発注します。

このような形で発注者と直接請負契約を締結している場合、その会社は建設工事の元請となります。

案件の大型化で複数の専門工事業者への発注が増える

小規模な改装工事であれば、専門工事業者へ発注する金額も比較的小さく収まることがあります。

一方、工事範囲が広がり、店舗全体の改装や複数区画をまとめた工事を請け負うようになると、専門工事業者へ任せる工事も増えていきます。

たとえば、

  • 電気設備工事
  • 空調・給排水設備工事
  • 内装仕上工事
  • 建具や造作に関する工事

などを複数の会社へ発注するケースです。

元請として受注する案件が大型化すると、それに伴って下請契約の総額も大きくなるため、これまでの一般建設業許可のままで対応できるかを考える必要が出てきます。

元請工事の下請契約総額が基準を超える案件が出てくる

今回の会社が、建築一式工事以外の工事について発注者から直接請け負い、その工事に関する下請契約の総額が5,000万円以上になる場合は、特定建設業許可が必要になります。

ここで見るのは、工事全体の受注額ではありません。

たとえば、元請として受注した金額が大きくても、下請契約の総額が基準額未満であれば、その金額基準だけを理由に特定建設業へ切り替える必要はありません。

反対に、案件の大型化によって複数の専門工事業者への発注額が増え、1つの元請工事について締結する下請契約の総額が基準額以上になるのであれば、特定建設業許可が必要になります。

この段階で、現在持っている一般建設業許可から特定建設業許可へ切り替えるための「般・特新規」を検討することになります。

元請として公共工事の受注を広げる場合は、建設業許可の区分だけでなく、発注者ごとの入札参加資格も必要になります。東京都発注の工事については、東京都の入札参加資格の申請条件と流れで解説しています。

③一般建設業と特定建設業の「般・特新規」とは

般・特新規は、現在一般建設業のみの許可を持つ事業者が特定建設業を申請する場合、または現在特定建設業のみの許可を持つ事業者が一般建設業を申請する場合の申請区分です。

  • 一般建設業の許可を持つ事業者が、別の業種で特定建設業の許可を取得する
  • 一般建設業で許可を受けている業種を、特定建設業へ切り替える
  • 特定建設業で許可を受けている業種を、一般建設業へ切り替える

この記事では、このうち、一般建設業の許可を持つ事業者が特定建設業の許可を取得する場合を中心に扱います。

建設業許可は、1つの事業者が複数の業種について取得できます。また、すべての業種を一般建設業または特定建設業のどちらか一方にそろえる必要はありません。

たとえば、内装仕上工事業は特定建設業、電気工事業は一般建設業というように、業種ごとに一般建設業と特定建設業が併存することがあります。

一方、同じ業種について一般建設業と特定建設業の両方の許可を持つことはできません。

現在、一般建設業で許可を受けている業種を特定建設業へ切り替える場合は、その業種について一般建設業から特定建設業へ許可区分が変わります。

建設業許可の業種追加と般・特新規の違いを比較し、一般建設業で新しい業種を追加する場合と、特定建設業へ切り替える場合、異なる業種なら一般と特定を併存できることを示した図
業種追加は、同じ一般建設業の中で新しい業種を追加する手続です。一方、般・特新規は一般建設業から特定建設業へ許可区分を変える手続で、異なる業種であれば一般と特定を同一会社内で併存できます。

業種追加との違い

般・特新規と混同しやすいのが「業種追加」です。

業種追加は、現在持っている一般建設業または特定建設業の区分のまま、新しい許可業種を増やす手続です。

たとえば、一般建設業で内装仕上工事業の許可を持っている会社が、一般建設業として電気工事業を追加する場合は業種追加です。

これに対して、一般建設業の許可しか持っていない会社が、初めて特定建設業の許可を取得する場合は、般・特新規になります。

現在の一般・特定の区分を変えずに、新しい許可業種を増やす「業種追加」についてはこちらで詳しく解説しています。
建設業許可の業種追加を詳しく見る

④ 一般建設業と特定建設業の許可要件を比較する

一般建設業から特定建設業へ切り替える場合でも、建設業許可の要件がすべて変わるわけではありません。

すでに一般建設業の許可を取得している事業者であれば、まずは一般建設業と特定建設業で何が変わるのかを見ると分かりやすくなります。

許可要件一般建設業と特定建設業の違い
常勤役員等原則として同じ
営業所原則として同じ
社会保険原則として同じ
誠実性・欠格要件原則として同じ
営業所技術者等特定建設業では要件が異なる
財産的基礎特定建設業では基準が異なる

そのため、般・特新規を検討するときは、現在の許可要件を一から見直すというより、特定建設業への切替によって要件が変わる部分を中心に見ることになります。

営業所技術者等は特定建設業側の要件を満たす必要がある

一般建設業から特定建設業へ切り替える場合は、対象となる業種について、営業所技術者等も特定建設業側の要件を満たす必要があります。

一般建設業で営業所技術者等として配置している人が、そのまま特定建設業でも要件を満たすとは限りません。

特定建設業では、許可を受ける業種によって、1級の国家資格や指導監督的な実務経験などが求められます。また、指定建設業7業種に該当するかどうかによっても要件が異なります。

営業所技術者等になるための資格・学歴・実務経験など、基本的な要件はこちらで解説しています。
営業所技術者等の基本要件を詳しく見る

そのため、般・特新規を検討するときは、

  • 現在の営業所技術者等が特定建設業側の要件を満たしているか
  • 満たしていない場合は、別の人を配置できるか
  • 複数業種を特定建設業にする場合、それぞれの業種を担当できるか

を見ておく必要があります。

一般建設業と特定建設業で、営業所技術者等の資格・実務経験がどのように違うのかは、こちらで詳しく解説しています。
一般建設業と特定建設業の営業所技術者等の違いを見る

財産的基礎は特定建設業側の基準を満たす必要がある

一般建設業から特定建設業へ切り替える場合は、財産的基礎についても特定建設業側の基準を満たす必要があります。

項目特定建設業の基準
欠損額資本金の20%以下
流動比率75%以上
資本金2,000万円以上
自己資本4,000万円以上

一般建設業では、500万円以上の自己資本や資金調達能力などで財産的基礎を満たせますが、特定建設業では、欠損額・流動比率・資本金・自己資本のすべての基準を満たす必要があります。

そのため、般・特新規では、直近の決算内容や資本金をもとに、特定建設業の財産的基礎を満たしているかを見ます。

個人事業主が特定建設業を取得する場合も、特定建設業側の財産的基礎を満たす必要があります。

一般建設業で求められる500万円の財産要件や、法人・個人事業主ごとの考え方はこちらで詳しく解説しています。
建設業許可の財産的基礎を詳しく見る

⑤ 般・特新規の申請に必要な主な書類

般・特新規では、現在の建設業許可に関する情報に加えて、特定建設業側の要件を満たしていることを示す書類を準備します。

必要書類は会社の状況や営業所技術者等の要件によって変わりますが、主なものを分けると次のようになります。

区分主な内容
現在の許可現在受けている許可業種、一般・特定の区分、営業所など
営業所技術者等特定建設業側の資格・経験を満たすことを示す資料
財産的基礎特定建設業の財産要件を判断するための財務資料
会社・事業者情報役員、商号、所在地など申請者に関する情報
現在の届出状況決算変更届や各種変更届が提出されているか
その他申請内容や人員の状況に応じて必要となる資料

般・特新規だから特別な書類だけを用意するというより、現在の許可内容を引き継ぎながら、特定建設業として新たに必要になる要件を証明すると考えると分かりやすいです。

営業所技術者等に関する書類

特定建設業にする業種について、営業所技術者等が特定建設業側の要件を満たしていることを示します。

国家資格で要件を満たす場合は資格を証明する資料が中心になります。指導監督的実務経験によって要件を満たす場合は、その経験を証明する資料が必要になります。

現在の一般建設業で配置している営業所技術者等をそのまま特定建設業でも配置する場合でも、特定建設業側の要件を満たしていることを改めて示す必要があります。

財産的基礎に関する書類

特定建設業では、資本金、自己資本、流動比率、欠損額について所定の基準を満たしている必要があります。

そのため、申請時の財務内容をもとに、特定建設業の財産的基礎を満たしているかを判断します。

法人と個人事業主では財務諸表の構成が異なるため、申請者の事業形態に応じた資料を使用します。

現在の許可内容と届出状況も確認する

般・特新規では、現在受けている一般建設業の許可内容を前提に申請を進めます。

そのため、役員、商号、営業所、営業所技術者等などに変更があるのに変更届が未提出になっている場合は、必要な手続を済ませておく必要があります。

決算変更届についても、提出期限が到来している年度分が未提出になっていないかを確認します。

決算変更届、各種変更届、5年ごとの更新など、建設業許可取得後に必要な手続と期限はこちらでまとめています。
建設業許可取得後の手続と期限管理を見る

また、般・特新規で必要になる書類は、現在の許可業種、特定建設業へ切り替える業種、営業所技術者等の資格・経験、法人か個人事業主か、変更届や決算変更届の提出状況などによって変わります。

そのため、一般的な必要書類一覧だけで判断するのではなく、自社の状況に応じて必要な書類と手続の順番を決めることが重要です。

営業所技術者等の要件や財産的基礎、未提出の届出との関係がある場合は、申請前に行政書士へ相談し、必要書類と手続の進め方を確認することをおすすめします。

⑥ 一般建設業から特定建設業へ切り替える流れ

一般建設業から特定建設業へ切り替える場合は、今後受注する工事の内容だけでなく、現在の許可業種、営業所技術者等、財産的基礎、届出状況まで順番に見ていきます。

一般建設業から特定建設業へ切り替える般・特新規について、必要性の判断、対象業種の決定、営業所技術者等・財産要件の確認、現在の許可・届出状況の確認、申請、特定建設業許可取得までの流れを6ステップで示した図
般・特新規では、特定建設業が必要かを確認し、対象業種、営業所技術者等、財産要件、現在の許可・届出状況を確認したうえで申請し、特定建設業許可の取得へ進みます。
特定建設業が必要になる工事か判断する

まず、予定している工事について特定建設業が必要になるかを判断します。

発注者から直接請け負う元請工事であり、その工事について締結する下請契約の総額が、建築一式工事以外では5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上になる場合は、特定建設業許可が必要です。

特定建設業にする業種を決める

次に、その工事がどの許可業種に該当するのかを確認し、特定建設業にする業種を決めます。

複数の許可業種を持っていても、すべてを特定建設業へ切り替える必要はありません。特定建設業が必要になる業種だけを対象にします。

特定建設業の許可要件を満たせるか判断する

対象業種が決まったら、営業所技術者等と財産的基礎について、特定建設業側の要件を満たせるかを判断します。

現在の営業所技術者等がそのまま特定建設業でも要件を満たすとは限りません。また、財産的基礎についても、一般建設業とは異なる基準を満たす必要があります。

現在の許可内容と届出状況を整える

般・特新規を申請する前に、現在の建設業許可の内容と実際の会社・事業者の状態に違いがないかを確認します。

役員、商号、営業所、営業所技術者等などに変更がある場合や、決算変更届が未提出になっている場合は、必要な手続との順番を決めます。

般・特新規を申請する

特定建設業にする業種と許可要件が固まり、現在の許可内容も整ったら、般・特新規を申請します。

申請では、特定建設業側の営業所技術者等や財産的基礎など、対象となる業種について特定建設業の要件を満たしていることを示します。

特定建設業許可を受ける

審査を経て特定建設業の許可を受けたら、対象業種について特定建設業として営業できるようになります。

特定建設業が必要になる規模の下請契約を予定している場合は、基準額以上となる下請契約を締結してから許可を考えるのではなく、その前に特定建設業許可を取得できるよう準備することが重要です。

⑦ 般・特新規についてよくある質問

Q:下請として受注した工事でも特定建設業は必要ですか?

いいえ。

特定建設業が必要になる金額基準は、発注者から直接工事を請け負った元請業者が、その工事について締結する下請契約の総額で判断します。

そのため、下請として受注した工事について、さらに別の会社へ工事を発注する場合でも、その再下請額が大きいという理由だけで特定建設業が必要になるわけではありません。

Q:元請として大きな工事を受注すれば必ず特定建設業が必要ですか?

いいえ。

元請として受注した工事の請負金額そのものではなく、その工事について下請へ発注する金額で判断します。

たとえば、高額な工事を元請として受注しても、自社施工が中心で下請契約の総額が基準未満であれば、その金額基準だけを理由に特定建設業が必要になるわけではありません。

Q:下請契約額は1社ごとに判断しますか?

いいえ。

同じ元請工事について複数の下請会社と契約する場合は、それぞれの下請契約額を合計して判断します。

建築一式工事以外であれば合計5,000万円以上、建築一式工事であれば合計8,000万円以上になる場合に、特定建設業が必要になります。

Q:一部の業種だけ特定建設業にできますか?

はい。

建設業許可は業種ごとに一般建設業・特定建設業の区分があります。

そのため、たとえば内装仕上工事業は特定建設業、電気工事業は一般建設業というように、異なる業種について一般建設業と特定建設業を持つことができます。

すべての許可業種を一律に特定建設業へ切り替える必要はありません。

Q:一般建設業と特定建設業を同時に持てますか?

はい。異なる業種であれば、一般建設業と特定建設業を同時に持つことができます。

たとえば、内装仕上工事業は特定建設業、電気工事業は一般建設業という持ち方ができます。

一方、同じ業種について一般建設業と特定建設業の両方の許可を持つことはできません。

同じ業種について、一般建設業で対応できる工事も、特定建設業が必要になる工事も受注したい場合は、その業種について特定建設業の許可を取得します。

特定建設業の許可があれば、元請として下請契約額が基準以上になる工事だけでなく、一般建設業の範囲で対応できる工事も請け負うことができます。

そのため、今後その業種で大規模な元請工事を受注し、下請契約の総額が特定建設業の基準以上になる可能性がある場合は、特定建設業への切替を検討することになります。

Q:業種追加と般・特新規は何が違いますか?

業種追加は、現在持っている一般建設業または特定建設業の区分のまま、新しい許可業種を増やす手続です。

一方、般・特新規は、一般建設業の許可のみを持つ事業者が特定建設業の許可を取得する場合、または特定建設業の許可のみを持つ事業者が一般建設業の許可を取得する場合に行います。

Q:個人事業主でも特定建設業許可を取得できますか?

はい。

特定建設業は法人だけを対象とした許可ではないため、個人事業主でも要件を満たせば取得できます。

営業所技術者等や財産的基礎など、特定建設業側の要件を満たせるかを判断したうえで申請します。

Q:現在の一般建設業許可は般・特新規を申請するとすぐになくなりますか?

いいえ。

般・特新規を申請しただけで、現在の一般建設業許可が直ちになくなるわけではありません。新しい許可が出るまでの間は、現在の一般建設業許可に基づいて営業を続けます。

ただし、般・特新規を申請中だからといって、特定建設業の許可が必要になる工事を特定建設業者として扱えるわけではありません。

元請工事について下請契約の総額が特定建設業の基準以上になる場合は、必要な下請契約を締結する前に特定建設業の許可を受けておく必要があります。

また、現在の一般建設業許可の有効期限が審査中に近づく場合は、更新申請との関係も含めて申請時期を考える必要があります。

Q:更新時期が近くても般・特新規できますか?

できます。

ただし、現在の建設業許可の有効期限と般・特新規の申請時期が近い場合は、更新申請との順番を考える必要があります。

また、決算変更届や各種変更届の提出状況によっても進め方が変わるため、更新期限が近い場合は早めに申請スケジュールを決めておく方が安全です。

Q:行政書士に般・特新規を依頼できますか?

はい。

般・特新規では、特定建設業が必要になる工事かどうかの判断だけでなく、営業所技術者等の要件、財産的基礎、現在の許可業種、未提出の変更届や決算変更届なども関係します。

IT行政書士事務所では、現在の許可内容と今後予定している工事を確認したうえで、般・特新規の申請準備から手続までご相談いただけます。

⑧ まとめ|元請工事が大型化したら特定建設業への切替を検討する

一般建設業から特定建設業への切替を考えるきっかけになるのは、元請として受注する工事が大型化し、その工事について締結する下請契約の総額が基準以上になる場合です。

特定建設業が必要かどうかは、元請として受注した金額そのものではなく、発注者から直接請け負った工事について、下請へいくら発注するのかで判断します。

特定建設業へ切り替える場合は、営業所技術者等や財産的基礎について、特定建設業側の要件を満たす必要があります。また、現在の許可内容や届出状況によって、必要書類や手続の進め方も変わります。

般・特新規は、単に許可区分を変更するだけの手続ではありません。今後受注する工事、特定建設業にする業種、人員体制、財務内容、現在の許可状況をまとめて見たうえで進める必要があります。

今後、元請として大型案件を受注する予定がある場合は、下請契約額が基準を超えてから考えるのではなく、受注前の段階で特定建設業が必要になるかを判断しておくことが重要です。

IT行政書士事務所では、現在の建設業許可の内容や今後予定している工事を確認したうえで、特定建設業が必要になるかの判断から、般・特新規の申請までご相談いただけます。