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相続人とは?法定相続人の範囲・順位・法定相続分をわかりやすく解説

2026年8月8日2026年8月16日

相続人となる家族をイメージした三世代の粘土人形

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相続が発生したとき、まず確認しなければならないのが、「誰が相続人になるのか」という点です。

亡くなった方の妻や子など、身近な家族だけを見て判断できるとは限りません。前妻との子や養子など、戸籍を確認しなければ正確な相続関係が分からないこともあります。

また、「長男が家を継ぐ」「妻がすべて相続する」と考えていても、現在の法律上のルールとは異なる場合があります。

この記事では、法定相続人の範囲と順位、法定相続分の基本を整理し、相続人を戸籍で確認する必要性について、分かりやすく解説します。

目次

  • ①相続人とは|被相続人・法定相続人との違い
  • ②法定相続人の範囲・順位・法定相続分
    • 誰が法定相続人になるのか
    • 子として相続人になる人の範囲
    • 相続人の組み合わせで法定相続分が決まる
  • ③「長男が家を継ぐ」という考え方は現在の相続ルールと異なる
  • ④IT行政書士事務所の実際の受任事例|前妻との子も法定相続人だったケース
    • 前妻との子が相続人になると認識されていなかった事例
    • 家族からの聞き取りだけでは相続人を確定できない
    • 出生から死亡までの戸籍をたどって相続人を確認する
  • ⑤法定相続人と相続分に関するよくある質問
    • Q:相続権とはどのような権利ですか
    • Q:法定相続とは何ですか
    • Q:親の遺産は誰が相続しますか
    • Q:妻が亡くなった場合、夫には相続権がありますか
    • Q:相続人が一人の場合は単独相続になりますか
  • まとめ|相続人は家族の認識だけでなく戸籍で確定する
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①相続人とは|被相続人・法定相続人との違い

相続人とは、亡くなった方の財産や権利、義務を引き継ぐ人のことです。これに対し、亡くなった方は法律上「被相続人」と呼ばれます。

たとえば、父が亡くなり、その子が財産を引き継ぐ場合、父が被相続人、子が相続人です。

また、法律のルールによって相続人になる人を「法定相続人」といいます。法定相続人になれるのは、原則として配偶者、子、父母や祖父母などの直系尊属、兄弟姉妹です。

ただし、これらの人が全員同時に相続人になるわけではありません。配偶者以外には相続順位があり、家族構成によって実際に相続人となる人が決まります。

なお、法定相続人であることと、実際に特定の財産を取得することは同じではありません。遺言書の内容や相続人全員の遺産分割協議によって、誰がどの財産を受け取るかが決まる場合があります。

相続人が複数いる場合に、誰がどの財産を取得するのかを相続人全員で話し合って決める手続きについては、遺産分割協議の進め方で詳しく解説しています。

たとえば兄弟の法定相続分が2分の1ずつでも、実家を2分の1ずつ共有する必要はありません。一人が不動産、もう一人が現預金を取得する分け方もできます。詳しくは、兄弟で不動産を相続する場合の具体的な分け方をご覧ください。

まずは誰が法定相続人になるのかを確認し、そのうえで遺産の分け方を考えることが大切です。

相続では、誰が相続人になるかだけでなく、どのような財産や借金を引き継ぐのか、遺言書がある場合にどう扱うのか、相続放棄を選べるのかといった点も確認する必要があります。
相続全体の基本については、「相続とは?意味・種類・法律上の基本を簡単にわかりやすく解説」をご覧ください。

相続人が確定したら、次に考えるのが「誰がどの財産を取得するか」です。法定相続分どおりに分ける方法だけでなく、不動産を一人が取得したり、売却して現金で分けたりする方法もあります。
遺産分割の方法・割合・手続きの流れを詳しく見る

②法定相続人の範囲・順位・法定相続分

誰が法定相続人になるのか

法定相続人とは、民法のルールによって相続人になる人です。

配偶者は、ほかの相続人の有無にかかわらず、原則として相続人になります。一方、子、父母や祖父母、兄弟姉妹には相続順位があります。

区分相続人になる条件
配偶者原則として常に相続人になる
第1順位:子子がいる場合に相続人になる
第2順位:父母・祖父母などの直系尊属第1順位の相続人がいない場合に相続人になる
第3順位:兄弟姉妹第1順位・第2順位の相続人がいない場合に相続人になる
法定相続人の順位を、配偶者、子、父母・祖父母、兄弟姉妹の順に示した図解
配偶者は常に相続人となり、子、父母・祖父母、兄弟姉妹の順で相続人になります。

上の順位の人がいる場合、下の順位の人は原則として相続人になりません。

たとえば、亡くなった方に妻と子がいる場合、相続人は妻と子です。この場合、亡くなった方の父母や兄弟姉妹は、原則として相続人になりません。

子がいない場合は父母や祖父母などの直系尊属が、子も直系尊属もいない場合は兄弟姉妹が相続人になります。

子どもがおらず、親などの直系尊属もすでに亡くなっている夫婦では、配偶者と兄弟姉妹が相続人になります。具体的な相続分や注意点については、子どもがいない夫婦の相続で詳しく解説しています。

兄弟姉妹が相続人になる場合は、配偶者の有無によって相続分が変わり、先に亡くなった兄弟姉妹の子である甥・姪が相続人になることもあります。詳しくは、「兄弟姉妹に相続権はある?相続順位・相続分と甥姪の扱いを解説」をご覧ください。

子として相続人になる人の範囲

亡くなった方の「子」に含まれるのは、現在の配偶者との間に生まれた子だけではありません。

前妻・前夫との間に生まれた子も、第1順位の相続人です。親が離婚しても、親子関係までなくなるわけではないため、現在の配偶者との子と同じ立場で相続人になります。

養子も、養子縁組が成立していれば、原則として実子と同じく第1順位の相続人です。一方、配偶者の連れ子は、一緒に暮らしているだけでは当然に相続人になるわけではありません。亡くなった方と連れ子との間で養子縁組をしているかどうかを確認する必要があります。

胎児は、相続についてはすでに生まれたものとして扱われます。ただし、実際に相続権が認められるには、生きて生まれることが必要です。

養子と実子の相続分、普通養子と特別養子の違い、養子縁組をしていない連れ子や胎児の相続権については、「養子・連れ子・胎児に相続権はある?相続分や婿養子との違いも解説」で詳しく解説しています。

また、本来相続人になるはずだった子が、亡くなった方より先に死亡している場合、その子の子である孫が代わって相続人になることがあります。これを代襲相続といいます。

代襲相続が発生する条件や、親の相続で兄弟がすでに亡くなっている場合の相続人、遺言がある場合の扱いについては、「代襲相続とは?」の記事で詳しく解説しています。

たとえば、夫が両親より先に亡くなり、その後に夫の両親が亡くなった場合には、夫の子どもが代襲相続人になることがあります。一方、両親が先に亡くなった後に夫が亡くなると、数次相続の問題が生じることがあります。詳しくは、「夫死亡後に義両親が死亡した場合の相続」で解説しています。

前妻との子、養子、連れ子、代襲相続する孫が相続人になるかを比較した図解
前妻との子や養子は相続人になります。養子縁組をしていない連れ子は当然には相続人にならず、先に亡くなった子の子どもは代襲相続人になる場合があります。

相続人の組み合わせで法定相続分が決まる

法定相続分とは、相続人の組み合わせに応じて法律で定められた相続割合です。

相続人の組み合わせ配偶者ほかの相続人
配偶者と子2分の1子全体で2分の1
配偶者と直系尊属3分の2直系尊属全体で3分の1
配偶者と兄弟姉妹4分の3兄弟姉妹全体で4分の1
配偶者のみ全部―
子のみ―子全体で全部

同じ順位の相続人が複数いる場合は、その人たちに割り当てられた相続分を、原則として均等に分けます。

たとえば、相続人が妻と子2人の場合、妻の法定相続分は2分の1です。残りの2分の1を子2人で分けるため、子の法定相続分はそれぞれ4分の1になります。

ただし、法定相続分どおりに遺産を分けなければならないとは限りません。遺言書がある場合はその内容を確認し、相続人全員が合意した場合は、法定相続分とは異なる割合で遺産を分けることもできます。法定相続分は、遺産の分け方を考える際の基準として理解するとよいでしょう。

独身の兄弟が亡くなった場合でも、現在独身であるという理由だけで兄弟姉妹が相続人になるとは限りません。前妻との子どもや父母・祖父母の有無を確認したうえで、勤務先や財産の調査を進める必要があります。具体的な手続きは、「独身の兄弟が亡くなった場合の相続人と手続き」で解説しています。

兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合には、その子である甥・姪が代襲相続人になることがあります。実際におじ・おばの相続が甥・姪へ回ってきた場合の確認方法や手続きについては、「おじ・おばが亡くなった場合、甥・姪は相続人になる?」で詳しく解説しています。

③「長男が家を継ぐ」という考え方は現在の相続ルールと異なる

旧来の家督相続と、子どもが平等に相続する現在の法定相続を比較した図解
旧来の家制度では長男が家や財産を単独で継ぐ考え方がありましたが、現在は長男・長女などの区別なく、同じ立場の子は原則として平等に相続します。

現在でも、「長男が家を継ぐもの」「家を守る人が遺産をまとめて受け取るもの」と考える方がいます。

こうした考え方の背景には、かつての旧民法に家督相続の制度があったことがあります。家督相続では、戸主の地位や家の財産を、原則として一人が承継する仕組みが採られていました。その影響が、家族内の慣習や意識として残っている場合があります。

しかし、現在の民法では、長男であることだけを理由に相続分が多くなることはありません。子が複数いる場合、長男・長女・次男などの順番や性別にかかわらず、法定相続分は原則として均等です。

また、「夫が亡くなったら妻がすべて相続する」とは限りません。亡くなった夫に子がいる場合は妻と子が、子がいなくても父母や兄弟姉妹などがいる場合は、妻とそれらの人が共同で相続人になることがあります。

もちろん、遺言書や相続人全員の合意によって、長男が自宅を取得したり、妻が遺産の全部または大部分を取得したりすることはあります。ただし、それは「長男だから」「妻だから」と自動的に決まるものではありません。

誰が相続人になるのか、どの程度の相続分があるのかは、家族内の慣習ではなく、現在の法律上のルールをもとに確認する必要があります。

④IT行政書士事務所の実際の受任事例|前妻との子も法定相続人だったケース

※実際の相談・受任事例をもとに、個人が特定されないよう一部を変更しています。

前妻との子が相続人になると認識されていなかった事例

IT行政書士事務所が実際に相談を受け、相続人調査を受任した事例です。

ご相談者である妻から家族構成を聞いたうえで、その内容を確認するために亡くなった夫の戸籍を調査しました。すると、夫と前妻との間に子がいることが分かりました。

その事実を妻に伝えたところ、前妻との間に子がいること自体は知っていました。しかし、その子が夫の法定相続人になることまでは認識していませんでした。

前妻との子も、現在の妻との子と同じく、原則として第1順位の相続人です。夫婦が離婚しても、親子関係までなくなるわけではありません。そのため、前妻との子を除外して遺産分割を進めることはできません。

この事例は、家族が子の存在を知っていたとしても、法律上の相続関係まで正しく理解しているとは限らないことを示しています。

配偶者は原則として常に相続人になりますが、離婚が成立した元配偶者は法定相続人にはなりません。一方、離婚しても親子関係は続くため、子どもの相続権は原則として残ります。こうしたケースについては、離婚した元夫・元妻が死亡した場合や再婚後の相続人について解説した記事で詳しく整理しています。

行政書士が戸籍謄本と家系図を確認し、妻に夫と前妻との子を含む相続人関係を説明している場面
相続人は、家族からの聞き取りだけでなく、戸籍を確認して客観的に確定します。

家族からの聞き取りだけでは相続人を確定できない

相続人調査では、まず家族から、配偶者や子、前婚の有無などを聞き取ります。ただし、法律実務を扱う専門家として、その説明だけを前提に相続人を確定することはできません。

ご本人に悪意がなくても、古い家族関係を正確に把握していなかったり、子の存在は知っていても、その人に相続権があるとは認識していなかったりすることがあります。また、戸籍を確認したことで、家族が把握していなかった婚姻歴、認知した子、養子の存在が分かる場合もあります。

そのため、聞き取りの内容はあくまで調査の手がかりとして扱い、最終的には戸籍などの公的資料によって法律上の相続関係を確認します。

遺産分割協議は、原則として相続人全員で行う必要があります。相続人を一人でも見落としたまま手続きを進めると、後から協議や名義変更などをやり直さなければならない可能性があります。

だからこそ、依頼者の話をそのまま鵜呑みにせず、客観的な資料に基づいて相続人を確認することが、専門家の重要な役割です。

出生から死亡までの戸籍をたどって相続人を確認する

相続人調査では、原則として亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍を確認します。

死亡時の戸籍だけでは、それ以前の婚姻や離婚、子の出生、認知、養子縁組などを十分に確認できないことがあるためです。

亡くなった方が途中で本籍地を移す「転籍」をしている場合は、現在の戸籍だけでなく、転籍前の本籍地までさかのぼって戸籍を取得します。戸籍に記載された従前の本籍を確認しながら、過去の戸籍を順番にたどっていきます。

また、戸籍は集めれば終わりではありません。記載された身分関係を読み取り、誰が法定相続人になるのか、代襲相続が生じていないかなどを判断する必要があります。

戸籍の数が多い場合や、転籍が繰り返されている場合、前婚の子や養子などが関係する場合は、相続人調査や戸籍収集を行政書士へ相談する方法もあります。

父に前妻との子と後妻との子がいる場合、母親が異なっていても、どちらも父の子として同じ第1順位の相続人になります。腹違いの兄弟の法定相続分については、以下の記事で詳しく解説しています。
腹違いの兄弟の相続分は半分?親の相続との違いを解説

⑤法定相続人と相続分に関するよくある質問

Q:相続権とはどのような権利ですか

相続権とは、亡くなった方の財産や権利、義務を相続する立場にあることを指します。

ただし、相続権があるからといって、特定の預貯金や不動産を当然に取得できるわけではありません。実際に誰がどの財産を受け取るかは、遺言書の内容や相続人全員による遺産分割協議によって決まります。

Q:法定相続とは何ですか

法定相続とは、民法で定められた相続人の範囲や順位、法定相続分に基づいて考える相続のことです。

亡くなった方が遺言書を残していない場合は、まず法定相続人を確定し、法定相続分を基準として遺産の分け方を話し合います。

ただし、相続人全員が合意すれば、法定相続分とは異なる割合で遺産を分けることも可能です。

Q:親の遺産は誰が相続しますか

親が亡くなった場合、子は第1順位の相続人です。

亡くなった親に法律上の配偶者がいる場合は、その配偶者と子が相続人になります。配偶者がいなければ、原則として子が相続人になります。

前妻・前夫との子、養子、すでに亡くなっている子の子などが相続人になる場合もあるため、家族が把握している関係だけで判断せず、戸籍で確認する必要があります。

Q:妻が亡くなった場合、夫には相続権がありますか

法律上の夫は、妻が亡くなった場合、原則として相続人になります。

ただし、夫が遺産の全部を相続するとは限りません。妻に子がいる場合は夫と子が、子がいない場合でも妻の父母や兄弟姉妹などがいるときは、夫とそれらの人が共同で相続人になることがあります。

内縁関係の場合は、長期間一緒に生活していたとしても、原則として法定相続人にはなりません。

Q:相続人が一人の場合は単独相続になりますか

戸籍調査の結果、相続人が一人だけであることが確認できれば、その人が単独で相続するのが基本です。

ただし、家族が「相続人は自分一人だけ」と考えていても、前婚の子や認知した子など、別の相続人がいる可能性があります。

単独相続であることを確定するためにも、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をたどり、ほかに相続人がいないか確認することが必要です。

まとめ|相続人は家族の認識だけでなく戸籍で確定する

相続が発生したときは、まず誰が相続人になるのかを正確に確認する必要があります。

法律上の配偶者は原則として相続人となり、子、父母や祖父母、兄弟姉妹には順位があります。また、相続人の組み合わせによって法定相続分も変わります。

ただし、長男だから相続分が多くなるわけではなく、妻が夫の遺産を当然にすべて相続するわけでもありません。家族内の慣習や思い込みと、現在の法律上の相続関係は別です。

実際には、前妻との子、認知した子、養子などが法定相続人になることがあります。家族がその人の存在を知っていても、相続権があることまでは認識していない場合もあります。

そのため、相続人を確定するときは、家族からの聞き取りだけで判断せず、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を確認することが重要です。途中で転籍している場合は、転籍前の本籍地までさかのぼって戸籍をたどる必要があります。

相続人を一人でも見落とすと、遺産分割協議やその後の手続きをやり直さなければならない可能性があります。誰が相続人になるのか分からない場合や、戸籍をどこまで集めればよいか判断できない場合は、相続人調査や戸籍収集について行政書士へ相談する方法があります。

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特定行政書士 野中雅敏(IT行政書士事務所)

  • 国家資格:行政書士(登録番号:25080391)
  • 経歴:IT業界出身/相続・遺言分野を専門取り組み中
  • 趣味:競泳
  • メッセージ:
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この記事を書いた人
行政書士 野中雅敏
法律とITに詳しい人

東京都大田区大森で行政書士事務所を運営しています。 IT業界で30年以上の会社員経験があります。 各種許認可取得、起業支援、財産管理、終活など、人生の転機に寄り添いながら、迅速で信頼性の高いサービスを、法務の視点から全力でサポートします。

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